《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は準備を始める⑭

お待たせしましたー。

ポチッとサモンのボタンを押すと同時に、マグマが流れ出る地面からにょきにょきと白い幹が生えてくる。

天井に屆くかと言う所までびた幹は、太さを変えカリエンテの回りと変わらない程度まで大きくなると枝葉を広げた。

もないのにけて見える薄緑の葉がキラキラと輝き、ゆっくりと煌めく葉が舞い始める。

何とも幻想的な景に目を眇めた私は、獨りごちる。

――昨日、召喚した時よりデカくね?

説明には書かれていなかったのだが、どうやら狩場に応じて回復の大樹は大きさを変えるらしい。勿論大きさが変われば範囲も広がるらしく、回復の大樹の効果を遠く離れた白たちがけているようだ。

ま、まぁ想定。うん、こういうものだと思う事にしよう!

自己完結させた私は、周囲――クラメンたちの説明しろ? と言うジト目に気付かないフリをしてその場を離れる。

[[大次郎先生] ren、あとで話そうか]

[[宮様] どうして、同盟以外がいるときに使っちゃうのよ~!]

なんて答えようかと悩みながらとりあえずバフをれる。

さて、どうしようかなーと考えていたところに、黒が坂を下ってきた。

黒と白影のスイッチがうまくいったようで、カリエンテのタゲは黒が戻っても白影に固定されたままだ。

バフをれ直し、黒が大和の後ろにり込むのを見屆けて、弓組へバフをれに走る。

その間に、カリエンテが近接から魔法に変わったらしく、氷のエフェクトでカリエンテの姿が見えなくなっていた。

『「回復は白影に集中でしゅ! 大樹有る間は、MP使いまくるでしゅよー!」』

『いくぜ、いくぜー!』

あ、と思った時には既に遅く、キヨシが崖から落ちていく。

『き、きよしくーーーーん』

『馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけど……ここまでとは……』

『呆れてものが言えないでしゅ』

『やべ、俺最強のSSゲットしちゃったかもwww』

『あ、あぶねぇ!!! 俺死ぬとこだった! マジ危険が危ないぐらい危なかった!』

『語彙力まで無いなんてな……はぁー』

相変わらず騒がしい討伐風景にほっこりしたのは私だけだったらしい。

死に戻ったと思われたキヨシも無事らしく、なんとか元の場所に戻っていく。それを見ながら、カリエンテの狀態を確認する。

現在のカリエンテのHPから、あと二度ほどABをれることになりそうだ。

私が出來ることはここまでなので、あとは皆に任せるほかない。

ツラツラと今後の展開を考えつつ、カリエンテのサモンの卵が出たら買うかどうかを悩む。

公式にまだ何も上がってはいないけど一匹しかサモンを召喚できない。と、言う事は、サモン同士が合できる、もしくはサモン同士のかけ合わせで新たなサモンの卵がゲットできるかもしれない可能もまだ殘されている。

ドラゴン同士だからこそ今以上に使い勝手が良く、私好みのサモンが生まれてくるかも?

うーん、幾らになるか次第だけど、買う方向で考えよう。この考えも絶対じゃないから、かなりの散財になるけど……。まぁ、今しいと思えるものがないし、買いで。

『「攻撃、近接に変更でしゅよ! 弓は、MP休憩するでしゅ」』

『AB頼むでござるよ』

宗之助の願いを葉えるべくカリエンテにABをれる。MPの関係で、一度に五回までと決めて詠唱する。

手ごたえがないまま五回が過ぎ、私は心の中でごめんと謝りながらABを諦めた。

チラチラと近接組から視線をじるが、無理なは無理だ。

私のMPが枯渇してバフを回せなくなってもいいなら、やるけど……? そう言う意味合いを込めて笑って見せれば、さっと視線を逸らされた。

な。なんてやつらだ!! 本気で殺したい!

本気で殺意を覚え、私は口元が引き攣るのをじた。

そうこうしているに大樹が消え、MP、HPの自然回復速度が元に戻る。

カリエンテも殘りHPが三割近くになり、全員が張した面持ちでカリエンテに攻撃をしかけていた。

カリエンテが咆哮をあげ、翼をはためかせる行を起こす。

これがカリエンテが第三段階に移行した合図だ。

それを合図に白影が死に戻ることで大和とれ替わる。

黒が大和の補助にり、タゲが固定されているかをじっくり確認する間もなく、カリエンテはヒードンフレアバーストを使うつもりのようだ。

カリエンテの瞳のが金から黒に変わる。

『『広範囲來るでしゅ。バリア準備!』』

『5番、3、2、1、バリア』

きっちり見えていたらしいさゆたんが即座に指揮を飛ばし、宮ネェが答える。

バリアがると同時に、カリエンテがヒードンフレアバーストを発した。

『「攻撃の手止めるなでしゅ! このままごり押しするでしゅよ!」』

バリアが十分殘っていることを考慮したらしいさゆたんは、このまま本気でごり押しするつもりのようだ。

私に対しても指揮チャでABを要求してくる。

それに答えてABをれているのだが……如何せんらない。

仕方なくMPPOTを數本飲み干して、再びABをれた。

バフの合間に出來る限り頑張っているのだが、レジられる回數がアップデート以降かなり増えている。

他にもいるバフに聞いて貰ったのだが、皆同じような狀況だと言う。

それを踏まえて鬼畜運営が、黙って下降修正している可能が高いと私は考えている。

カリエンテと言う結構強めなドラゴンをサクサク狩られたら、そりゃ下降修正したくなる気持ちもわかるけど……何故、デバフだけ?? バッファーに恨みでもあるの?

運営に直聞きしてやろうかと言う気持ちを抑え、無心でバフをれながらABをれ続け、五度目のヒードンフレアバーストをバリアで防ぐ。

小さな聲で「よし!」と漸くったABに喜んだ途端、カリエンテが最後の咆哮をあげて地に伏せた。

何とも言えない無

誰にも気づかれないようそっと握った拳を下ろした私は、何事もなかったかのようにエフェクトとなって消えていくカリエンテを見下ろした。

イイネ、想、ブックマーク、評価、誤字報告(←毎回すみません)ありがとうございます!!

    人が読んでいる<世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください