《疑似転生記》商會の火種
スキルには様々な種類のものが存在するが、ライルが授かった『暗算』などはスキル単できればそこまで良いスキルとは言えない。スキルが無くとも努力すればスキルと同程度に暗算をこなせるようになるからだ。
しかし將來、商會の後継者になるライルにとっては努力せずとも一流の商人レベルの暗算が可能となるため、良いスキルと言えた。また普通なら將來の職と関連のあるスキルを得る者の方がないためライルは運が良かった。その筈だった。
「でもライル兄さんはかなり気にしてるみたいなの。メイリーのおで私も良いスキルを授けられたのに、俺はって。従業員の中には私が婿を取ってそれを後継者にって言う人もいるくらいだったの。」
「そうなんだ?でもリリー姉さんは家の商會て一生を終える気なんて無いんでしょ?」
「まあね。お父さんもお母さんも、私が商売にあんまり興味が無いの知ってるし、私もスキルを除いたら向いてないからこの聲も直ぐに無くなったし。」
1歳からステンド家にり浸っていたメイリーにとっては初耳であったが、これだけでもこの世界でスキルが重要視されていることが分かる。商會のためを思っての発言なのだが面倒な話であった。ただ、この話はこれで終わらない。
「で、次は私か。」
「そうね。私のはリスク回避には良いけど、そこまでしなきゃならないほど敵も多くなかったし。直接的な利益には繋がらなかったもの。でもメイリーは違うのよね。」
「面倒な話だ。」
メイリーが冒険者になりたいと思っていることは、商會の人間ならば誰でも知っている。そしてし前までは、次の將來が決まっていることを喜ばしく思っていた者も多かった。しかし、ステンド家での活躍。そして4歳になってから行いだした、手伝いがかなりの利益を生んでいることで、このまま手放すのは惜しいと言う聲が出てきたのだ。
殘念ながら『暗算』スキルを除いたら、ライルに商人としての才能は無い。そうじてしまう程に妹二人は才能に恵まれていたのだ。
「家は大きな商會だから街から街へ荷を輸送することが多いし、その時の経費を削減できるのは大きいわよね。それに他の冒険者に頼まなくても魔獣の素材がある程度揃えられるかもしれないし。まだ4歳なのに頭も良いから今から勉強すればライル兄さんよりも…」
「リリー姉さん。」
「わかってるわ。そう言う聲もあるって話。で、その話を一番気にしてるのがライル兄さんなの。私の時はしっかり否定してたお父さんたちも、言葉を濁してるじだし。」
メイリーにとっても商人として一生を終えるつもりは頭無いので、この話はどうなっても実現されない不なモノなのだが、當事者の1人であるライルが意識してしまい、メイリーを親の敵のような目で睨んでくるようになってきていた。
もしこれで商売をするのに有利なスキルでも授けられた日には、さらに面倒な事態に巻き込まれることだろう。しかしメイリーとしては実害も無く、誰になんと言われても冒険者になる予定を変えるつもりは無いので、関係ないと言えば無いのだが。
「まあリリー姉さんには迷をかけるけど、來年には冒険者デビューして、ランクが上がったら大きな街に行く予定だから、それまで我慢してくれ。」
「そうね。そうなればこんなくだらない話も収まるでしょうからね。」
結局、メイリーたちに解決するは無く、火種は燻り続けるのだった。
ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―
第七五六系、恒星シタールタを中心に公転している《惑星メカニカ》。 この星で生まれ育った青年キラはあるとき、《翡翠の渦》という発生原因不明の事故に巻き込まれて知らない星に飛ばされてしまう。 キラは飛ばされてしまった星で、虹をつくりながらある目的のために宇宙を巡る旅しているという記憶喪失のニジノタビビトに出會う。 ニジノタビビトは人が住む星々を巡って、えも言われぬ感情を抱える人々や、大きな思いを抱く人たちの協力のもと感情の具現化を行い、七つのカケラを生成して虹をつくっていた。 しかし、感情の具現化という技術は過去の出來事から禁術のような扱いを受けているものだった。 ニジノタビビトは自分が誰であるのかを知らない。 ニジノタビビトは自分がどうしてカケラを集めて虹をつくっているのかを知らない。 ニジノタビビトは虹をつくる方法と、虹をつくることでしか自分を知れないことだけを知っている。 記憶喪失であるニジノタビビトは名前すら思い出せずに「虹つくること」に関するだけを覚えている。ニジノタビビトはつくった虹を見るたびに何かが分かりそうで、何かの景色が見えそうで、それでも思い出せないもどかしさを抱えたままずっと旅を続けている。 これは一人ぼっちのニジノタビビトが、キラという青年と出會い、共に旅をするお話。 ※カクヨム様でも投稿しております。
8 177【WEB版】身代わりの生贄だったはずの私、兇犬王子の愛に困惑中【書籍化】
11月11日アリアンローズ様より【書き下ろし2巻】発売! 伯爵家の長女ナディアは、家族から冷遇されていた。実母亡き後、父は後妻とその娘である義妹ジゼルを迎え入れ溺愛し、後妻はナディアを使用人以下の扱いをしていた。そんなとき義妹ジゼルに狂犬と呼ばれる恐ろしい王子の侍女になるよう、國から打診がきたが拒否。代わりにナディアが狂犬王子の生贄として行くことになった。そして噂通りの傲慢な態度の狂犬王子クロヴィスは、初対面からナディアを突き放すような命令をしてきた。ナディアはその命令を受け入れたことで、兇犬王子は彼女に興味を示して―― ◇カクヨム様でも掲載 ◇舊題『身代わりの生贄だったはずの私、狂犬王子の愛に困惑中』※狂犬→兇犬に変更
8 74VRゲームでも身體は動かしたくない。
多種多様な武器とスキルや様々な【稱號】が存在するが、職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全沒入型VRMMO化されることになった。 身體をなるべく動かしたくない、岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム內の親友との會話で落ち著きを取り戻し、今日も<Imperial Of Egg>にログインする。 當作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結し次第、一日一話投稿致します。
8 178Crowd Die Game
ただ學校生活を送っていた………はずだったのに……… 突然地殻が動き出し、學校が沈んだ………かのように思えた。ひとり學校敷地內にいた俺は、學校の敷地外の方がせり上がっていることに気づき、外に出るのをやめた。上からこちらを見ていた女子を下に呼び、2人、地に殘った。途端、真っ暗だった壁に穴が開き、通路が広がった。そこに入ってから俺達の戦いは始まった。 (「対荒らしの日常は電子世界の中で」と並行して連載をします。よろしくお願いします。) ※<批判、誹謗中傷等のコメントは受け付けておりません。純粋なコメントのみを期待しております(アドバイスは例外です)。ご了承ください。>
8 57【嫌われ體質】自覚したら最強?かも
主人公『五色 大輔』は生まれ持っての【嫌われ體質】、幼馴染みが居ない、小さい頃から回りの者に嫌われる、友達も居ない、ペットも犬、貓、鳥、金魚にも嫌われる。生き物から嫌われ、病気にも嫌われ、死んだら神にも嫌われていた…。ネタバレ注意、主人公以外にも迷い子(転生者)複數登場。
8 53ワールド・ワード・デスティネーション
僕はあかりに何が出來たのだろう。 戀人「あかり」を突然失った僕が體験した夏の冒険ストーリーと、平和な瀬戸內の島で暮らす少女の不思議な世界。 ぜひ瀬戸內海の穏やかな海を想像しながら読んで欲しい、一夏の物語。
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