《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第二十八話『西塔攻略』
ヴェヌスは戦いを共にする事で如何に黒騎士と言う男が凄いのかを思い知らされた。連攜、そして技量共に帝國では最高クラスの腕だと認めざるを得ない。ただ、疑問も一つじていた。
「副団長殿は.......魔法は使わないのか?」
西塔部へと無事に侵したヴェヌス達は敵の気配が無い回廊にて休息を取る。
「......俺には魔法は使えない。やれる事はこの剣を振るう事だけだ。」
黒剣を強く握りしめ、鎧ので笑う黒騎士。
「ふむ、其れが副団長殿の強さの訣なのかも知れないな。」
納得をしたような表を見せるヴェヌス。
「......ヴェヌス、お前もじていると思うが、この最上階にある魔は下の雑魚共とは違う。俺達二人でどうにか出來る相手ではないとはっきりと言っておく。」
瘴気の質が尋常ではない。自も多の瘴気を包しているが、あれは正真正銘の瘴気の化の一だ。自分とは桁が違う。
(確か、以前はユーノとマールスが死にものぐるいになって倒したんだったよな。)
黒騎士が見た過去の景では瀕死のところを駆け付けたディアーナらに助けられた事が彼ら本來の出會いである。
「何を言うか、弱者!お前が言った言葉を忘れたか?」
ヴェヌスが怒聲を上げ目の前に迫る。
「........あぁ、忘れてはいない。」
(もちろん戦いに出てもいい。だが、)
ヴェヌス.......こいつを殺させる訳には行かない。流石の自分でも今回の相手が相手だ。守りながらでは両者共に沈んでしまう可能がある。
「ヴェヌス、お前は下がって様子を見ていてくれ。仮にやられたとしても下で仲間を待ち、攻略に當たればいい。今回は俺一人でやらせてもらう。」
「戯け者!當方は副団長殿と共に行くぞ。仲間を見捨て一人生き延びるなど、騎士の名折れだ。我らは運命共同も同義、共に戦い抜こうぞ!!」
手を差しべるヴェヌス。まるで漫畫の世界にいる様な覚を覚える。久しく忘れていたこの気持ちこそが、もしかしたら過去に憧れていたものなのかも知れないな。
「ヴェヌス、お前の気持ちは嬉しい。だが、俺達二人が共倒れしては後から來る仲間達へ弱點を伝える事が出來ないだろう。」
共に戦いらかくなったヴェヌスだからこそ、自分を案じ共に行こうとしてくれている。
「まるで死ににでも行くような発言だ。」
「死ににいく、か。違うな。」
黒騎士はヴェヌスの差しべた手を握り立ち上がると自信満々にこう答えた。
「この戦いに勝ちに行くんだ。」
時を同じくしてマールスら一行も帝國を出発し、瘴気領域へと足を踏みれていた。
「流石ですね、マールス団長。貴方が指示する騎士団の実力は想像を超えるものです。ただ、前回の戦で何故貴方方が大敗したのかは疑問には思いますが。」
道中に転がる魔のを目に辛口の言葉を被せる聖。
「マールス副団長は前回の戦では戦わずしてお逃げになったから騎士団全が統率を失い全滅をしたのではないでしょうか?」
其れに付け加えるようにシアリーズもマールスへと挑発じみた発言をする。
「団長も仲間達も俺の未さが原因で死んだ。全ては俺の責任だ。だからこそ俺がこの手でこの闇を払わなければならない。」
マールスはその挑発らを真にけ止め、覚悟を口にする。
「我が兄弟が貴殿を副団長に任命しただけの事はある。だが、気負い過ぎるのも問題だ。個ではなく団の長である事を自覚するのだ。」
王宮直屬騎士レムスは関心をした様子ではあるが、説教臭い言葉をマールスに放つ。
「分かっている。だからこそ、俺はジョンを先陣として行かせたのだ。」
「確か、陛下が傭兵を副団長の立場につかせたと言っていたが......陛下のお戯れではなかったと言う事か。」
騎士の死はない。瘴気調査に赴いた全のパーティー數の割合で1/5程度で済んでいる。
「彼奴が後に続く団員達へ道先を作ったんだ。何れ何処かで俺達は合流する。彼奴が立ち止まった時、俺達が手を取り乗り越えるんだ。」
「自分勝手な発言ですね。其れは逆を返せば彼らを限界が來るまで最前線である死地で戦わせると言う事でしょう?」
シアリーズは目を細めマールスを睨みつける。
「それがどうした。俺達は戦う為に騎士団にいる。」
マールスはシアリーズを見ると何かを思い出したのか、シアリーズへと言葉を続ける。
「......妹が心配ならば何故騎士団に所屬する以前に手をうたなかった?俺へと疑問を持つ前に己の過ちを見直すべきだな。」
マールスに正論を返されたシアリーズは顔を真っ赤にさせ、下を俯く。
「それとこれとは話が違うもん......」ボソ
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