「ふぁぁぁー…………んむぅ……」

「鈴香ちゃん、まだ寢てていいよ？」

「でも天霧さんも起きてるのに……」

「ったくもう。気にしなくていいのに…………それと、私達は家族なんだから、天霧さんじゃなくてお姉ちゃんとか千紗お姉ちゃんって呼んでっていってるじゃない」

「全部お姉ちゃんだよお姉ちゃん……」

天霧さんと養子縁組を結んではや2日、結んだ次の日にチーム全員で丸一日かけて僕の新しい名前や呼び方を決めたりしていた次の日の事。

僕は僕の移用に大改造され部屋のようになった大型トラックのその荷臺の中で、お姉ちゃんこと千紗さんに膝枕をされながらそんなやり取りをしていた。

僕としてはちゃん付けは勘弁願いたいけどね。

ちなみに、僕の新しい名前である「鈴香」には鈴の音のように澄み、皆を引き付けてされるようにとの意味があるそうだ。

僕はそんな素敵な意味が込められた「鈴香」という新しい僕の名前を呼ばれる幸せをじつつ、トラックに揺られながら眠りへと落ちたのだった。

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「ほら、著いたぞお前らー」

そんな聲が荷臺の扉が開かれたと同時に聞こえ、僕は目をりつつを起き上がらせると、その聲の主である三浦さんを見る。

「おはようございますー……ねむい……」

「測定始めるまで後數時間はある、休憩室があるからそこでもう一眠りしてこい」

「そうします……お姉ちゃん連れてってー……」

そう言って僕は目をった後、起こしてと言わんばかりに両手をお姉ちゃんへとばす。

するとお姉ちゃんはし驚いたような顔をした後、可いものを見るようなそんな顔をしつつ嬉しそうに手を取り、僕を連れていってくれる。

「お前らもう……というかいつもそんなじなのか？」

「何言ってるんですか三浦さん、寢ぼけてるから甘えん坊モードなんですよ。これは発見です、活用しなくては」

「なるほど、これは可いものだな。記録をしなければ」

「でしょう？勿論しますとも、ビデオで」

その後もう一度ぐっすりと寢てようやく目の覚めた僕は、そんな事を言っていたのを思い出し、恥ずかしさで悶絶する事になるのであった。

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おぉー、広い！すっごい広い！中學校の育館の5倍くらいあるんじゃない？

何となく懐かしさをじる足の付けまでしかない赤いズボンと白い服に著替えた僕は、とても大きい育館に連れてこられていた。

ちなみに服にはゼッケンまで著いており、そこには平仮名で「すずか」と書いてあったが……深くは考えないことにした。

「それじゃあ今から鈴香の測定と力測定を始める。

なんでわざわざ日醫會の投資してる所の大型育館を貸切にして使っているかというと、屋外だと姿を見られる危険があり不味いから。

そして本部備え付けの測定部屋が狹いからだ」

なるほどそういう事だったのか。というかそれ以外にないよね。

「とりあえず長とかから測るか、なら──」

「リーダー」

「ん？なんだ葉田」

早速測定に移ろうとした三浦先生のセリフを、葉田さんが遮ったかと思うと前に1歩前に出て喋り出す。

「能力の測定とかは別に構わないと思うけど鈴香ちゃんは一応の子なんだし、ここはウチ達4人に測定は任せてくれない？」

そう言って葉田さんがお姉ちゃん達、職員の方をちらりと見たのを見て僕もそっちに目をやると、お姉ちゃん達はこくこくと頷いていた。

「いやまぁ、ウエストとかは任せるつもりだったが重とかそういうのは別に──」

「任せてくれない？」

別にそれくらいならと一緒にやろうとする三浦さんに葉田さんは威圧たっぷりでずいっと近づき、それに合わせてお姉ちゃん達までずいっと近付く。

そしてその間にいつの間にか僕は大和さんとお姉ちゃんに人質と言わんばかりに腕を取られていた。

僕としては別に男の人に計られてもいいのだが、どうやらそれは陣の皆様が許さないらしい。

そして三浦さんもそんな陣には勝てなくて……

「──いいだろう、それじゃあ俺らはその間に運系の準備だ。長とかは陣が測る！以上」

そう許可を出して作業に取り掛かったのだった。そして僕はそんなお姉ちゃん達を見て────

の人って怖いなぁ……

そう思っていた。

いや、思わざるを得なかったのだった。

「それじゃあ始めるわね。まずは長から行くわよー」

「あ、はい」

「背筋ばしてねー、はい顎引いてー、つま先立ちは……してないわねー」

「しませんよそんなこと！そこまで僕くないです！」

「あはは、ごめんなさいねー？」

あの後すぐに測定は始まり、今はなんだかテンションの高い大和さんとそんなやり取りをしつつ、まずは長を測っていた。

覚的には男の頃より10センチくらい下がってる気がするけど、周りに比較できるも無かったし実際幾つだろう。

流石に150はあると思うけど……

「はい、143ジャスト。思ったより小さかったわね」

「でも小さいのは可くていいと思うよ鈴香ちゃん！」

「そっ、そうですよ！だから、そのー……元気だして？」

ちくしょう……！思ったより小さかったよ！150無かったよ！

めてくれるのはいいけど僕中は男なんだよ！

の人は背が低い方がいいのか分からないけど、長が低いのは凄いショックなんだよ！

ほんと、可いって言われても男としては複雑だよぅ…………いやなんか嬉しくはある気はするんだけどさ。

ガクリと肩を落としていた僕は花桜さんや葉田さん、お姉ちゃんに勵まされ何とか立直り、次の検査へと向かう。

そして次に僕を待ち構えていたのは學校で見るような重計だった。

「次は重ね。でも鈴香ちゃんは小さいし多分相當軽いと思うわ」

「そう？尾とか翼が相當重いと思うけど」

そう言って僕は翼を広げられるだけ広げる。

地味に初めて翼を完全に広げた事もあり、背筋がぐっとびるようなじがしてとても気持ちよかった。

「おぉぉぉぉ……でっかい…………って翼の長さはまた後で測るわね。とりあえず重測っちゃいましょ」

この重計メモリ300キロまである…………そこまで重いかなぁ……いやまぁ翼だけで100キロくらいありそうとは思うんだけどさ。

そんな事を考えつつなんとなく尾を右手で持って、僕はゆっくりと重計に足を乗せる。

重計はし重をかけるとミシッという嫌な音を立てたが、幸いにも壊れる事は無く針は276kgを指していた。

「…………思ったよりあったわね」

「やっぱり相當翼と尾が重いんでしょうか」

「これって真の意味で重だけって言うことになる…………よね？」

「多分……なるはず……です」

僕達は全員一瞬固まった後、そんな話をした。

結局重は後で全職員で話し合った結果、翼やら尾やら何もかも合わせた276kgを正式な數値とする事になったらしい。

ちなみにまた別の日に翼や尾だけの重さを測ることになったのだが、これは仕方の無いことだろう。

「さ、さて。重は驚いたけどとりあえず次行きましょ！鈴香ちゃん、あの區切ったところにろうねー」

「あ、はい」

なんだかテンションが上がり出した陣4人に連れられ、育館の一角に作られたカーテンで囲まれた場所へと僕は連れていかれた。

ーーーーーーーーーー

「…………リーダー」

「どうした島」

「子の健康診斷って……あの中で何やってるかすげぇ気になりますよね。いや項目は分かるんすけど」

「…………分からなくはないけど言うな。天霧はともかく、葉田と大和からの俺らの評価がすっごい下がるぞ。姫、鈴香は……その辺理解してくれそうだが」

チームに5人いる男職員の、柊意外の4人は仕切りの向こうへ消えていった鈴香達を見てそんな話をしていた。

そして暫く各々の作業をしていたのだが……

「はーい測るからねー」

「わっ！ひゃあ！？大和さんそこおへそっ……！」

「ふへへ、そのすべすべ素をらせなさいっ！」

「葉田さんまで！脇はっ……んんっ！お姉ちゃん助けて！」

「翼と尾は私が測るから安心してね！」

「安心できない！ちょっ、元は敏でっ……！」

「こら！3人とも、鈴香ちゃん困ってますよ！」

「えー、花桜さんもってみなよー？」

そんな聲と共に仕切りの向こうから時々翼や尾の先が見える。

どことなくだが間違いなく男子制な景を前に、行が完全に止まった男職員達を見て、三浦は無言で立ち上がり靜かな聲で話始める。

「お前ら、清聴せよ」

男職員はその呼びかけで神妙な顔で整列をする。

「我々は紳士だ、だからあのような景を見たからと言って撮影などをしてはならない。

そして我々は男だ、だからこそあの景を心に保存する義務がある。

それを心してあの景を心に刻むのだ」

「ちょっ、まって！皆、やめて！そこはっ……！ひゃああ……」

僕が大和や葉田、天霧に好き勝手されている間に男達の間でそのようなことがあったのは、一生知ることはなかった。

読者の皆様「ドラゴンガール」を読んで頂き誠にありがとうございます！

この度は皆様のおかげでなんと四日目にしてローファンの日間23位、そして1萬PV、総合評価250PT、ブックマーク80件を突発しました。

まさかここまで発的にびるとは思っていませんでした。

そして本題なのですが明日の12時に投稿を予定している第15鱗目の投稿ですが、用事と重なる為時間を繰り上げまして7時頃にさせていただきます。

これからも「ドラゴンガール」をどうかよろしくお願いします！