《ドラゴンガール!〜現代社會に竜娘!?〜》15鱗目:検査!竜娘!
「千紗お姉ちゃん、今日はなにするのー?」
「今日はねー。レントゲンとCTスキャンをする予定だよー」
「ん、わかったー」
僕は千紗お姉ちゃんに今日の予定を聞きながら、卵焼きを箸で切り分けて口に運び続けてご飯を口に運ぶ。
そして最後にお味噌を飲み、ふぅと息を吐く。
朝は白ご飯に卵料理、そしてお味噌に限るね。やっぱりこれじゃないと力が出ないよ。
パン?わたしゃあ朝からパンはむりじゃ。なんか昔から朝のパンは口がけ付けないんだよね。
そ・れ・に〜♪
カチカチと鳴らしたプラスチック製の箸をみてむふふと口をにやけさせる。
木製のだとまだベキッと折っちゃう事もあるけど、ちゃんと持って食べれるくらいまで力加減出來るようになったもんねー♪
「はいはい。鈴ちゃんお箸持てるのが嬉しいのはわかってるけど、早く食べてしまいなさーい」
「ごふっ!けほっこほっ!そ、そんな事!ごほっ!み、味噌が気管に……!こほっ!」
「だ、大丈夫!?ほら、背中さすってあげるから」
「あ、ありがと……こほっ、こほっ………あぁぁぁぁ……」
涙目になりながら千紗お姉ちゃんに背中をさすって貰い、數回咳をしてなんとか落ち著く。
「………………死ぬかと思った」
こうして僕と千紗お姉ちゃんの一日の始まりは、騒がしくも平和に過ぎて行くのだった。
ーーーーーーーーーー
「それじゃあ始めるよー。何か違和とかじたらぶっ壊してでもいいから出てきてねー」
「いや、壊すのはダメでしょ……」
一臺うん千萬円しそうな機械なんだから。
そんな至極真っ當なツッコミを葉田さんにれつつ、CTスキャンの臺に寢かされている僕は、翼が機械に當たらないよう自分に寄せる。
ちなみに尾はまっすぐにしている狀態でキープしなくてはいけないそうで、なんか凄くムズムズする。
CTスキャンってあの切りの奴だよね?
これ、翼とか尾ってどんなふうに映るんだろう。
ちょっとそれだけが気になるけど……今は大人しく目を閉じてじっとしてよう。
暫くして臺がき出したのをじつつ、僕はぼーっとしててもあれなのでここ數日のことを思い起こし始める。
あの歓迎會からもう3日、僕がこうなってから7日目、もう1週間経ったのか……早いもんだぁ……
歓迎會は楽しかったけどちょっと大変だったなぁ…………皆が仲良くしてくれようとしてくれたのは嬉しかったけど…………うん。
三浦先生が止めにるまで尾とか翼とか角とか……とにかくドラゴン要素がある場所は盡くられてたからね。
それと歓迎會の次の日だよ。
朝起きたらなんか千紗お姉ちゃんが僕の部屋に引越して來てて本當にびっくりしたよー…………
いつの間にか荷が山のように運び込まれてて、知らぬ間に畳コーナーが占拠されてたのは、驚くとかびっくりを通り過ぎてぽっかーんってなったよ。
あの襲來の一件以來、僕と千紗お姉ちゃんは以前よりも明らかに距離が近くなり、親になった。
呼び方もそれぞれお姉ちゃんから千紗お姉ちゃんに、鈴香ちゃんから鈴ちゃんと互いに呼ぶようになった。
しかも朝著崩れたパジャマで起きて來るから眼ぷ───こほん。ひじょーに目のやり場に困るんだよね。
しかもその格好で寢ぼけて僕に抱き著いてきたり、今日も起きたら一緒の布団にいたりしてるからこれがまた───
「はーい、お疲れ様。どう?違和とか変なじとか無い?」
「………………はっ!え?も……もう終わったの?」
どうやら僕がここ數日間での出來事を思い起こしている間に、CTは終わってしまっていたようだ。
そんなに長々と思い起こしていた訳ではないはずなのだが……
考え事というか頭の中でなんやかんやしてると時間が経つのってはやいよなぁ…………
「そうだよー。もしかして寢かけてた?」
「あはははは……そうかもです」
別に考えてた事を逐一報告する必要はないしね。
その後暫くここ數日の話で盛り上がって居ると僕はCTとレントゲンの結果がふと気になり、聞いてみることにした。
「そういや、CTとレントゲンどうでした?」
「んー、それがねー」
「いや、俺が説明しよう」
「あ、三浦先生」「リーダー」
僕と葉田さんはちょうど別の部屋から來た所であろう、たった今閉まった扉の前に立っている三浦さんこと、三浦先生を見た僕と葉田さんは、その顔に目が釘付けになった。
一どんな顔だったのかというと、それはもう立派なもみじが右頬に出來ており、左目の下には青い痣が出來ていたからだ。
「えっ…………と……三浦先生………?大丈夫ー…じゃない……です………ね……」
「リ、リーダー………一何が……」
え、えぇー……確かレントゲン撮る前はあんなことにはなってなかったよね?何があったんだろう……
そんな一何があったのかと思わずには居られない顔の三浦先生に、言葉をつまらせながら僕達がそう聞くと……
「いやぁー…………天霧と大和にやられたよ、頬と目の下に一撃ずつ」
と三浦先生はその痣ともみじを指さしながら苦笑いをしつつ答えてくれた。
「あぁそういう……それで?何やらかしたからそんな毆られたりしたんですか?」
「いやね、鈴香のレントゲン撮る時に丁度天霧達が居なかくて俺だけだったから、代わりに俺が撮ったんだよ。そしたら毆られた」
そういや千紗お姉ちゃん達丁度居なかったもんなぁ。
別にただ上いでレントゲン取られたくらいだし……なんでそれで毆られたんだろ?
ナハハと笑う三浦先生を前に僕が首を傾げていると、葉田さんは握り拳を自分の手にパンと當て────
「よし、リーダーそこに座ってください。ゲンコツれます」
いい笑顔で放たれたその言葉を聞き、ジリジリと後ろに下がっていた三浦先生に大きく1歩葉田さんが近づく。
そして三浦先生が本當に毆られそうになっていた事に僕はハッとし、素早く葉田さんと三浦先生の間にり込む。
「待って待って!葉田さんストップ!別に僕は何もされてないんだし毆んなくても!」
「いい鈴香ちゃん?いくら何もされなかったからっての子は簡単に男の人の前でいじゃダメなのよ?それも他にの人が居ないところで」
「あ、はいっ分かりました。以後気をつけます。だからその……今回は許してあげてくれませんか?」
僕はそう言って未だに三浦先生に近づこうとしている葉田さんに、長差から腰に抱きつく様な形になりながらも、その足を止めさせ上目遣いで葉田さんの顔を見る。
「かわっ……!こほん、仕方ないなぁ。それじゃあ今回は鈴香ちゃんに免じて許してあげます」
ほっ、よかったぁ。
「鈴香、ほんっとうにありがとう」
「いえいえ、僕こそすいませんでした。それでレントゲンどうでした?」
ほんのし顔を赤らめた葉田さんがパソコンの方へ歩いていくのを見送った僕と三浦先生は、互いに苦笑いを浮かべ本題へとる。
「あぁ、とりあえずレントゲンで尾の骨格は分かったが角と翼は全く分からなかった。分かるとは思って無かったし、その辺は凡そ予測通りの結果だ」
そう言って三浦先生は部屋に備え付けてある病院にあるような機に、レントゲンの寫真を張り出していく。
翼や尾の腹にある皮の部分は普通に明になってたが、角とか翼爪の水晶的な場所や鱗、尾の甲殻なんかがある部分は部分は真っ白になっていた。
確かレントゲンの白い所ってX線が遮られるからだったっけ?詳しくないからよくわかんないけど、X線を防ぐくらい鱗とか甲殻が高度なのかな。
「んでさっきのCTで分かったことだが、橫隔の上になんかあった。位置的にはの下あたりだな。映り方的には袋みたいなじだが正直なんのか分からんから手の出しようがない」
おおぅ……一なんなんだそれ。の中によく分からんもんがあるって普通に怖いんだけど…………
しかも手の出しようがないって切除とかも出來ないってことか…………えぇ……こわっ。
三浦先生の話を聞いてそんな事を考えてしまい、怖さからか無意識に僕は自分のを両腕で抱きしめていた。
「だが他のは特になんの問題もない。それこそ健康も健康、絶好調だった。これがなんのかわからんが……袋っぽいし、もしかしたらブレスとか吐けるんじゃないか?」
「そ……そうですか……」
なんだかキラキラしたような目になっている三浦先生を前に僕はなんとも言えない表で答える。
ブレスっていうとあれか、火炎放的な奴。やっぱり、そういうドラゴン的な技みたいなの出來るのかなぁ。
それに、こんなに目をキラッキラさせてるなんて、やっぱり三浦先生もそんなじのに憧れたりするんだな。
うん。男の子らしいというか、でも……もし出來たら……
「かっこいいですよね……!」
「だよな!」
そんなことを考え、言葉にしてしまった時點で「の子になっても心はまだまだ男の子なのね」と葉田さんに思われていた僕なのであった。
ちなみにこの後ブレスを吐けるか1人で実験したのだが、結果はふーふーと虛しく息が口から出ただけでブレスを吐くことが出來なかったのはまた別のお話。
読者の皆様、ここまで読んで頂き誠にありがとうございます。
おかげ様で3萬PV、そして総合評価500PTを達しました!
これも皆様のおかげです、本當にありがとうございます!
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