《ドラゴンガール!〜現代社會に竜娘!?〜》23鱗目:水遊び!竜娘!
「いーーーーっやっほーーい!」
「あ、こら鈴香ちゃん!飛び込みは─────」
ドバシャァァン………………
「おー……派手にやりおる…………」
そうはしゃいだ聲を上げながらプールサイドから僕が大きく翼を広げジャンプし、馬鹿みたいに大きな水しぶきを上げながら勢いよくプールに飛び込む。
「たく鈴ちゃんったら…………まぁそれはそれとして、三浦さんは鈴ちゃんがジャンプひとつで10mの赤ライン越したのに関しては何も言わないんですね」
「もうあいつの規格外には突っ込まないことにした。それと、深いとこで3mあるプール借りてて本當によかった」
「ですねぇ……鈴ちゃん大喜びしてますもん」
「千紗お姉ちゃん三浦先生!プール冷たくてすっごく気持ちいいよー!」
「それは良かった。とりあえず1回全速力で反対側まで泳いでみてくれ。そのあとは自由にしていいぞ」
飛び込んだ場所から翼で水を掻きつつ尾を蛇みたいにかながら三浦先生の場所へ戻ると、僕はそんな指示をだされたので……
「全速力でいいんですか?」
「…………プールを壊さない程度で頼む」
さっきまでのテンションは何処にやら、すっと真顔になり三浦先生は渋い顔で予想通りの返事をする。
「ふへへ♪はーい」
「あ、陣一応タイム計測頼むな」
「了解っです…………準備OKでーす」
「それじゃあ行きますねー!さん、にー、いち……」
この後、僕が自分で思ってたよりもスピードが出てて壁にぶつかったのは言うまでもあるまい。
ーーーーーーーーーー
「痛かった」
「でしょうねぇ。はいこれでだいじょーぶっと」
「千紗お姉ちゃんありがとー」
反的に翼でを守ったものの、勢いありすぎて翼越しに壁にぶつけてしまったおでこに、千紗お姉ちゃんがぺたりと大きな絆創膏をってくれる。
「まったく、はしゃぐのも程々にねー?ところで鈴ちゃん
「はい?」
「ぶつかったのって速かったのもあるだろうけど目、閉じてたんでしょ?あんな速く泳いだら目なんて開けられないもんね」
千紗お姉ちゃんはそう言ってうんうんと頷くが、僕はその千紗お姉ちゃんの言ってる事に首を傾げた。
なぜならば……
「目は開けてたよ?」
「え?そうなの?」
「うん……………………ぷはっ。こんなふうに」
「まぁそれは泳いでないからで………………って鈴ちゃん、もう1回目を開けて潛ってから顔出してくれない?」
僕は水に潛って目を指差しながら浮上すると、僕の顔を見ていた千紗お姉ちゃんにそんな指示を出される。
「それは別にいいけど……なんで?」
「ちょっと見間違えじゃないかをね」
「……?分かった、それじゃあ潛るね」
どうしたんだろ、変な千紗お姉ちゃん。
僕は改めてプールに潛り、水中からゆらゆら揺れる千紗お姉ちゃんの顔を見ながら、そんな事を思いつつ浮上する。
「どう?」
「やっぱりあるのかな?」
「へ?何が?」
「えっとねー。鈴ちゃんは瞬って知ってる?」
「しゅんまく?」
「そう、瞬。鳥とか爬蟲類にある目を守る為のものなんだけどね。水から出た時の鈴ちゃんの目にみたいなのがあったのが見えたから、多分鈴ちゃんにもあると思うよ」
目を守るもの…………あっ。だから潛らせて判斷したのか、なるほど!
というか水が目に染みないと思ってたらそんなものがあったおかげだったのか…………瞬さん、翼とか尾とかより數倍実用的かもしれない。
「瞬すごい」
「あの速度で泳いで損傷も変形もしてないっていうのがね…………瞬凄い」
僕のすごいと千紗お姉ちゃんの凄いの意味がどことなく違う気がするものの、僕は初めて自分のこの姿になってからの機能にあって良かったとじる。
「とりあえず私は三浦さんに報告してくるから鈴ちゃんは皆と先に遊んできたら?私は報告が終わったら行くから」
「うんっ、分かった!葉田さーん!陣さーん!遊びませんかー?」
何して遊ぼうかな!
というか陣さんのとこになんかいっぱいあるなぁ……あれってバナナボートって言うやつだよね?
遊ぶ気満々だなぁ。
「あ、鈴香ちゃん。やっとお説教終わったみたいね」
「姫ちゃんお疲れ。とりあえずどれで遊ぶ?ビーチボールに水鉄砲、小學校とかにあったあの発泡スチロールみたいな長いやつと板のヤツとかその他諸々あるぞ!」
「わぁー!!えーっと!えーっとねー!」
あの板のヤツ1回でいいから獨り占めしてみたかったんだよねー!
でもビーチボールでみんなとボール遊びするのもいいなぁー!
それにあのバナナボートにのって尾と翼でめっちゃスピード出したりしてみたい!
プールの縁に摑まり、あれもこれもと尾や翼が楽しげに大きくいてる事にも気が付かない程、僕はテンションが上がっている中で考えていた。
「はははっ。あれもこれもってじだな。そうだなぁ……葉田なんかいい案あるか?」
「そうだねぇ……無難にボールで遊ぶのは?どう、鈴香ちゃん」
「僕は全然構いませんよ!」
ボール遊びでもなんでも遊べるならそれでいいのだよ!
葉田さんの提案をひとつ返事でけた僕は、楽しげに笑う2人と一緒に遊び始めたのだった。
しかしそこはドラゴンと人間、能力には圧倒的な差があった。
「これでどうだっ!」
「なんの翼でーー!」
「あっずるい!島くんそっち行ったよ!」
「おーう、まかせっ……ろっ!」
くっ、屆かない……!
「……なら、尾!」
「あーくっそ!負けたァー!」
「いえーい勝ちー!ぶいっ!」
1対4という超不利な水中バレー的な奴で數十分の戦いの末、尾を使った一撃で僕は見事勝利する事が出來た。
ふふん♪尾とか翼を使っちゃダメなんてルールはないからねー♪さてさて、遊ぶのもいいけど……
「僕ちょっと泳ぎ回りたい気分なので泳ぎ回ってきますね!」
「なら俺達は休憩してる…………ってもう行っちゃってるし……姫は元気だなぁ」
「あれが若さってやつなンスかねー?いやーあれだけいたのに大したもんッス。それにあそこまで喜んでくれると相手冥利に盡きるっスね!」
「だな。見た目だけなら年相応で可らしくていいもんだが…………15歳であのはしゃぎ様はやっぱりしおかしいんじゃないか?」
僕が泳ぎ去った後、その場に殘った葉田さんや柊さん、島さんと話していた陣さんが3人にそう問掛けると、葉田さんはし悲しげな顔で答える。
「それは仕方ないよ。ウチらで調べられた限りでも小さい頃から遊んだりとか全くやる余裕が無いくらい毎日手伝いでその日暮らしだったみたいだし」
「…………そうだったな。これは一休みしたらもっと遊んでやんねぇとな」
「そうだな、それじゃ早いところ休むとするか」
柊さんのその一言を聞いて4人は一休みしようと、広いプールの中で翼や尾を使って更に速く泳ごうとしている僕を後にプールから出たのだった。
ーーーーーーーーーー
とりあえず尾とか翼を使って泳ぐのはコツが摑めてきたかな?壁蹴らなくてもだいぶんスピード出せるようになって來たし。
右と左の翼を自分の橫にぴったりと付けて流線型に近い形を取り水の抵抗を減らしつつ、バタ足と尾を蛇みたいに左右に振ることでスピードを上げる。
曲がる時は曲がりたい方の翼をし広げて水の抵抗をける事で方向転換の補助にする。
そんな風にとてつもなく速く泳げるようになるコツをにした僕は、し深く潛り水から飛び上がるとプールサイドに著地する。
「んー!楽しかったー♪」
「あ……鈴ちゃん」
「千紗お姉ちゃん!どうだった?すっごい速かったでしょ!」
褒めて褒めてと言わんばかりに尾を振りながら僕がニコニコしながら千紗お姉ちゃんに近づくと、肩をガシッと摑まれそのまま方向転換させられる。
「えっと……千紗お姉ちゃん?」
「鈴ちゃーん?やっていいことといけないことがあるでしょー?」
「え?……え?それってどう…………あっ」
後ろにゴゴゴという文字が見えるほど笑顔で靜かに怒ってる千紗お姉ちゃんに驚きつつ、僕は向かされていたプールへと目をやる。
するとそこには大きな渦巻きが2つ、プールに出來ていたのだった。
あー、これってあれですか。
速く泳ぎすぎたから流れが出來てそれでっていう…………うへぇ、あんなのに飛び込んだらやばそうだ。
でもまぁ…………
チラッ
ニコッ
「………………とめてきまーす……」
「はい、行ってらっしゃい」
千紗お姉ちゃんのニッゴリ笑顔に諭され、いや脅されて、數十分の苦節の末見事プールの流れを元に戻すことが出來たのだった。
読者の皆様「ドラゴンガール」を読んで頂き誠にありがとうございます!
今回なんと、ドラゴンガールのブクマが300件、そしてPVが6萬を突破しました!
本當にありがとうございます、これも全て皆様が読んでくださるおかげです!
これからもどうか「ドラゴンガール」をよろしくお願いします
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