《旋風のルスト 〜逆境の傭兵ライフと、無頼英傑たちの西方國境戦記〜》ルストの傭兵ライフ
そして日々は流れた。
極の軍外郭部隊設立の決定がされてから半月ほどが経っていた。
私は早朝の自宅の中にいた。
起床してシルクのネグリジェのまま階下へと降りていく。
「おはよう!」
明るく聲をかければ答えが返ってくる。
「おはようございます。お嬢様」
「おはよう。メイラ」
「はい。お嬢様、朝食がすでに出來ております」
ダイニングルームのテーブルの上にはパンと卵料理を中心とする食事一式が並んでいた。
「ありがとう」
「朝食をお召し上がりになられている間にお仕事著をご用意させていただきますね」
「ええ、お願いね」
あれから私はモーデンハイム本家に信用のおける侍の派遣をお願いしていた。そこそこに経験を積んだ若い人が來るのだろうと思っていた。
だが、あにはからんや、予想を覆してやって來たのはアルメイラさんだったのだ。彼曰く、通常の雑役中(オールワークス)の仕事を越えて、私の傭兵稼業の補佐も必要になるだろうからと言う判斷だったのだ。
優秀な彼のことだ、どんな仕事もそつなくこなしてくれるだろう。
まぁ、アルメイラさん自が私のことを想像以上に気にってくれていると言うのもあるのだろうとじているのだが。
彼が作ってくれた朝食を食べ終えて。浴室へと向かう。ネグリジェをいでになり朝のシャワーを浴びる。
汗や汚れを取ってを拭いて、洗面室の片隅に置かれたスツール椅子に腰掛けながら顔と髪の手れをする。無論お化粧も。
「お嬢様、お仕事著ご用意いたしました」
「ありがとうそこに置いて」
「はい」
下著、タイツ、ボタンブラウス、ロングスカートジャケット、ボレロジャケット、ウエストポーチベルト、ショートブーツ、そして革グローブ。
必要なものを順番ににつけていく。そして最後に、紋章のペンダントと、三重円環の銀蛍を首から下げた。
「よしっ」
これでいい。準備は出來上がった。
支度を終えてリビングへと戻る。壁にかけられた時計を眺めれば時刻は6時半、出立するにはちょうどいい頃合いだ。
「いい頃合いね。そろそろ行くわ」
「はい」
私はメイラさんから渡された用武の地母神(ガイア)の柱(みはしら)をけ取りながらこう告げた。
「今回の任務は南部都市モントワープでの偵調査になるの。期間は予定では半月くらいね」
「承知しました。こちらの家の管理と留守番役はお任せください」
「お願いね」
「はい」
私が傭兵としての任務で長期間家を空けている間は留守番役として家の管理をしている傍ら、本來の所屬場所であるマシュー家から依頼された仕事をしているらしい。その辺は無理なくバランスよくこなしているあたり、彼の優秀さが現れているように思えた。
今では私生活はすっかり彼に任せるようになっていた。
「それでは行ってくるわね」
「はい。道中お気をつけて」
そして私はロングコートを羽織り、風になびかせながら歩き出した。
朝のが私の頭上から降り注いでいる。
足音を踏み鳴らし私は歩いて行く。
さあ行こう。
自分自の人生を。
これが私の〝傭兵ライフ〟
私の旅は今ここから始まる。
(第1部、第2部、Fin)
<告知>───────────────
もう一話、今後の予定についての告知がありますのでお付き合いください!
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