《才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『長』チート~》第五十六話

鑑定部屋を出て、馬車に戻ると慌てたようにハルは倉庫を飛び出す。

「ハ、ハルさん、どうしたんですか?」

會話を遮られた時から何かあるのだろうと、じていたルナリアだったが、ここにきてやっと質問する。

「あぁ、ここまで聞かずにいてくれたありがとう。……さっき、あのお寶の出自の報を質問されただろ?」

し落ち著いたハルは、ファロスをやや急がせつつもルナリアの質問に返事をする。

「は、はい。急に止められたので、きっとまずいんだろうなと思いましたが……」

「あそこで答えたら、廃城が以前より安全であることがわかってしまう。加えて、報が萬が一れれば殘った寶の回収に向かわれてしまう。だから……」

そこまで聞いて、ルナリアがポンッと手を打つ。

「先に回収するんですね! そうか、お店で買取してもらえるならそこまで注目されずにお金だけもらって戻ればいいけど、オークションだと注目度も上がってしまうということですね」

ルナリアも最初に想定していたものと狀況が変わっていることの影響に気づく。

「あぁ、だから早く行かないと……ファロス、街を出るまではし急ぎ足、街を出たらかなり急いで廃城を目指すぞ」

ハルもルナリアも疲れていたがそのに鞭をうつ。

せっかくの寶、それも鑑定者たちの反応を見る限りはよさそうなものであることがわかる。

ならば、自分たちで回収しておこうという考えにいたったのだ。

「ルナリア、先に休んでくれ。代でしでもを休めよう」

「わかりました。ししたら代しましょう、それではおやすみなさい」

笑顔でそう言ったルナリアはマントを布代わりにして、自分の尾とハルのを預けて眠りにつく。

馬車は揺れていたが、疲れがたまっていたのだろう。ルナリアはあっという間に眠りに落ちていた。

「やっぱり疲れてたみたいだな。俺がレベル上がった時にかかるへの負荷がルナリアにもあったのかもな……」

すーすーという規則正しい彼の寢息を聞きながら、ハルはルナリアに襲い掛かった負擔を気にしていた。

まず、平原に辿りついてそれから、更に平原を抜けた先でハルは一度馬車を停止する。

「ルナリア、平原を抜けたぞ」

「……う、ううん、代ですか?」

もぞもぞとをよじりながら目を覚まし、ゆっくりとを起こすルナリア。

「いや、ちょっと俺もルナリアも、それにファロスも疲労が強いから早めに休んでおこうと思ってな。さすがに疲れたままずっとってのは危険だ。あそこに行って、もう一度同じやつが出てくる可能もあるからな」

ルナリアは戦ったキラーメイルのことを思い出しながら、寢ぼけた頭をし起こすように首を橫に振っていた。

「それは、大変ですね。休みましょう」

二人とも廃城に行く前と比べて力が強くなっていたが、それでも同じような戦いになった場合を考えると油斷はできない。

「まずは、食事だ……といっても、すぐに街を出てきたから大したものは用意できないんだけど……」

急ぎ過ぎたのは失敗だったとハルは肩を落とす。

「大丈夫です! ここは平原を抜けたところですよね? 確か、行きと帰りの時にチラッとみかけたんです。ちょっと待ってて下さいね」

勵ますように笑顔で馬車を降りたルナリアはし離れた場所にある木を調べに行く。

ここは彼に任せようとハルは野宿の準備をしながら、ルナリアを待つことにする。

しばらくというには、し長めの時間が経過すると彼は戻ってくる。それも、腕いっぱいに食材を抱えて。

「うお! そ、それどうしたんだ?」

「採ってきました!」

はじけるような笑顔のルナリアが採ってきたのは、キノコ、果、木の実などなど、このあたりで採集できる食材だった。

くわえて、うつわ用と思われる大きな葉っぱも採ってきていた。

「すごいな、何か考えがあるとは思ったけど、まさかこんなに大量の食材を採ってくるなんて……すごいな!」

目を輝かせたハルは素直に驚き、そしてルナリアを稱賛する。

「い、いえいえ、小さい頃、森で々採ったりしたことがあるので、その経験がちょこっと活きました」

照れながら返すルナリアだったが、ちょこっとの量ではないことにハルは苦笑していた。

「それじゃあ、ルナリアが採ってきてくれた食材で料理をしようか」

「……えっ? ハルさん料理できるんですか?」

ルナリアは自分がやろうと思っていたが、ハルが袖を捲って料理の準備をしようとしているため、驚いてしまう。

「んー、料理って言う程じゃないし、料理スキルがあるわけじゃないが見よう見まね程度にな」

スキルが無いと言う割には手慣れた様子でハルはカバンからナイフを取り出すと、手際よくキノコをカットしていく。

その手際の良さにルナリアは唖然としていた。

「……ん? どうかしたか?」

ルナリアの反応に気づいたハルが作業しながら質問する。

「あ、あの、ハルさんはどこで料理を覚えたんですか……?」

話ながらも一定のサイズに切り分けられていくキノコを見ながらルナリアが問いかける。

「あー、まあ、パーティに參加してた時に荷持ちだけじゃなく料理もできるとりやすかったからな。知り合いの料理人に基本的な技を教えてもらったんだよ――さあ、切り終わったぞ。火を起こしてっと」

ハルは準備していた、薪に魔法で火をつける。そして、小さなスキレットを取り出してキノコを自前の調味料と共に炒めていく。

すると、周囲に味しそうな香りが漂う。

「ごくり……す、すごく味しそうです! こうなったら私も負けてられないですね!」

いい匂いに食が刺激されたルナリアは、自分で採ってきた野草をこれまた自前の干しと一緒に炒めていく。

「おぉ、そっちもいい香りだな。食をそそる。しかも、干しりっていうのがまたいい」

ハルは自分の料理をルナリアが用意してくれた葉っぱに乗せながら、彼の料理を見ていた。

「そうですか? これ、伯母に教わった料理なんですよ。他にも、外での食材探しとか調理とかもほとんど伯母が教えてくれたんです。母はあんまり外で遊ぶのが好きじゃなかったので」

ちょくちょく話題に出てくるルナリアの伯母さんのことを聞いて、ハルは心複雑な心境になる。

ルナリアにかけられていた呪い――それは恐らくルナリアの伯母によるものだと予想できる。

ゆえに、二人の関係が良かったことが余計にひっかかっていた。

「ハルさん、こっちもできたので食べましょう!」

そんなことを考えているとは知らないルナリアは、明るい表だ。だが相當お腹が空いているらしく、早く食べようとハルのことを急かしていた。

*****************

名前:ハル

別:男

レベル:2

ギフト:

スキル:炎鎧3、ブレス(炎)2、ブレス(氷)3、竜鱗2、

耐炎3、耐土2、耐風3、耐水2、耐氷3、耐雷2、耐毒3、

氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

化、腕力強化2、筋力強化2、

火魔法3、発魔法2、解呪、

骨強化2、魔力吸収2、

3、斧

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:ルナリア

別:

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法2、氷魔法2、風魔法2、土魔法2、雷魔法2、

水魔法1、魔法1、闇魔法1

加護:神セア、神ディオナ

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