《才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『長』チート~》第五十八話

ハルたちは出発して、廃城に行って街に戻って來るまでにトータルで二日の期間がかかっていた。

例のオークションが行われる倉庫に戻ってくると、ハルとルナリアはサウサと同様に執事服を著た男に聲をかける。

サウサが事前に話をしてくれていたため、二人はすぐに鑑定部屋へと案されることとなる。

「おぉ、お二人とも……そ、それはもしかして!?」

ハルとルナリアを迎えようとするサウサだったが、二人が初めて來た時と同様のサイズの荷を持っていることに驚いていた。

「あぁ、追加を持ってきた。それで、ちょっと確認したいことがいくつかあるんだが……」

ハルは周囲に視線を巡らせる。

すると、一人だけハルの顔を見て驚いている鑑定士がいた。それを見ると、近くのテーブルに寶を置く。

「鑑定なら、今ちょうど終わるところですが……」

サウサが聲をかけるが、ハルはツカツカと真っすぐにその男のもとへと向かって行く。

明らかにその男の前にハルが立ったと、他の鑑定士たちにもわかる。

「な、なんでしょうか……?」

となると、男鑑定士はそう質問するしかなかった。

「今回は鑑定してくれてありがとう――ただ、し余計なことをらしたみたいだな」

笑顔のままハルは彼に言う。

他の鑑定士たち、そしてサウサも一ハルが何を言っているのか? と疑問に思う。

しかし、當の本人はに覚えがあることであるため、座ったまま視線をあちこちにかしながら汗をダラダラと流していた。

「あ、あの、一どういう?」

サウサがハルに質問をする。

「それは彼の口から聞きたいものだ、な?」

ハルは件の男鑑定士の肩に手を置いて、笑顔で尋ねる。

「す、すすすすす、すいませえええええええええええええん!」

そして、椅子から転げ落ちると、彼は大きな聲を謝り正座で額を地面にこすりつける。

「あ、あいつらに脅されていたんです! いい報がったら橫流しするようにってええええ!」

大きな聲で言い訳を始める男と、狀況がわからない他の面々。

「サウサ、こいつは俺たちの會話を聞いていた。まあ、それはここにいる全員に聞こえてただろうからいいんだけど、それをオークション関係者以外にらすっていうのはどうなんだ?」

ハルが困った表でサウサに質問する。

「それは……決してあってはならないことです。お客様の報は匿する義務があります。必要がある際に限り、職員間での報共有はありますが、それ以外はじております」

それを聞いた男鑑定士のは震えている。

「あと、もう一つ、脅されていたって言ったけど……仲良しのなじみだよな?」

こう言ったハルはこれまでで一番の笑顔だった。

「――警備を呼んでくれ」

冷たい表と聲でサウサは鑑定士の一人に指示し、警備を呼びに行かせる。

すると、サウサが勢いよくハルとルナリアに向けて頭を下げる。

「申し訳ありませんでした!」

その反応を見てハルとルナリアは困する。

「ま、まあ、確かに迷はかけられはしたけど、報を流したやつはこれで捕まるし、実行犯もなんとかしたから気にしなくていいぞ」

ハルがそう言うが、サウサは未だ頭を上げない。

それどころか、男鑑定士を拘束している者以外は全員が頭を下げていた。

「いえ! 今回のことは皆様の信用を損なう重大な案件です。私の指導が至らなかったせいで、お二人にご迷をかけ、危険にさらし、更には鑑定自の信頼が失われることに!」

「い、いや、鑑定はちゃんとやりましたよ!?」

言い訳をするように男鑑定士がそう言うと、サウサはキッと男を睨み付ける。

「黙りなさい! あなたが正しい鑑定をしたかどうかは関係ないのです! 問題は、信用を我々が失ったということなんです!」

怒り心頭といった様子のサウサは鋭い言葉で男をしかりつけた。

「彼はここ最近った者で、見習いをやっと卒業したくらいで彼が鑑定に攜わったものは限られています。今回のオークションに向けてであれば、ハルさんたちのものと、他數點になります」

そこまで聞いて、まさかとハルは思う。

「もしかして?」

「はい」

サウサの意思は固いようだった。

「みんな、聞いてくれ!」

鑑定士たちはサウサと同様の思いであるが、彼の言葉を待つ。

「ダーブが擔當した鑑定品、そして先ほど鑑定を終えたばかりのハルさんたちの出品も再鑑定します。それから……」

気持ちを切り替えたように真剣な表でサウサは先ほどハルが先ほど置いた箱に視線を移す。その次にサウサがハルのことを見る。

それに対してハルが頷いた。

「量が倍になりました!」

それに対する反応は落膽や疲労ではなく、歓喜の聲だった。

「おおおおお!!」

「やったるぞ!」

「追加なんて楽しみだな!」

彼らは自分たちの仕事を誇りに思っており、加えてハルたちが持ってきた寶の鑑定は興味をそそられるものが多かったため、彼らの鑑定を刺激していた。

「……やっときましたか。警備、彼を連行して下さい。あと彼が盜みを働いていないかロッカーなどの確認もお願いします」

「お、俺は報の橫流しはしたけど、盜みは働いてねえ! 鑑定もちゃんとしたって!!」

鑑定士は連行されながらも々と喚き散らすが、すぐに警備によって連行されていった。

「――さて、々とご迷をおかけしましたが、鑑定のほうをさせて頂きます。私の名譽と命にかけて、正當な評価を下すことをお約束します」

深々とお辭儀した後のサウサの真剣な目を見て、ハルはゆっくりと頷く。

ルナリアもこれまでのサウサの対応を見て、信じるに足る人だろうと思っていたためにっこりと笑顔で自然と頷いていた。

「じゃあ、あっちも含めて鑑定頼む。オークション前日にはできてると思っていいか?」

「もちろんです! 必ず間に合わせます! さあ、みんな気合れるんだ! 我々の意地とプライドにかけてがんばるぞ!」

「はい!!!」

サウサのかけ聲に応じた鑑定士たちが早速再鑑定にとりかかっていく。

その間に、ハルは新たに持ってきた寶を近くのテーブルに移して布をはずして、蓋を取っていく。

サウサたちは、約束のとおりオークション前日には鑑定を間に合わせて、展示することに功していた。

*****************

名前:ハル

別:男

レベル:2

ギフト:

スキル:炎鎧3、ブレス(炎)2、ブレス(氷)3、竜鱗2、

耐炎3、耐土2、耐風3、耐水2、耐氷3、耐雷2、耐毒3、

氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

化、腕力強化2、筋力強化2、

火魔法3、発魔法2、解呪、

骨強化2、魔力吸収2、

3、斧

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:ルナリア

別:

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法2、氷魔法2、風魔法2、土魔法2、雷魔法2、

水魔法1、魔法1、闇魔法1

加護:神セア、神ディオナ

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