《才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『長』チート~》第六十話

初めてのオークション參加ということで張する二人だったが、それを見越してサウサがついてくれて説明を隨時してくれている。

展示されていたスペースとは別の場所にたくさんの椅子が並べられ、ステージ上でオークション品がひとつずつ落札されるようだ。

まずオークション主催側から最低落札価格が改めて発表され、それ以降は各自が自らの札を上げて競っていく。

金額に限度はない代わりに、支払いは當日中に行わなければならない。

現金とっぱらいが原則で、価値のあるで代用したりすることは止されている。

「それでは、まず最初の商品は……」

一番最初の商品の紹介がなされ、次々に參加者が札をあげていく。

參加者の多くは金持ちであり、ステータスのために買い集めることもなくない。

靜かに自分の品位を高めそうなものを見定め、次々に買い求めていた。

ここに並べられているものはサウサ率いるオークション側が自信をもって提供しており、全ての品において手を挙げる者がいないということはないようだった。

「ハル様たちもしいものがあれば參加されるとよろしいかと」

「そう言われてもな……」

「です……」

サウサが參加を促すが、軒並み最低額ですら手が悩むほど金額が大きいものばかり。

ハルとルナリアにしてみれば全く別世界のできごとであり、勢いで數十萬、數百萬をつかうのは難しいことだった。

「それに、元手がないからな。今回出品したものが売れればいいんだが……まあ、この調子ならもしかしたら最低落札価格で買う人もいるのかな?」

困ったような表のハルがぼそりと呟くとサウサがとんでもないと目を見開く。

さすがにオークション中であるため大きな聲を出すわけにはいかないが、サウサは聲を抑えつつ、首を振ってハルの考え違いを指摘する。

「ハル様、ルナリア様も、お二人が用意された商品は相當な価値を持っています。あのあと、歴史に詳しい人にも聲をかけましたので、しっかりとした証明も行われております。恐らくかなりの額がつくのでは……」

まだまだ順番は先だったが、サウサは禮の財寶が出品されることを考えると自然とにやけてしまっていた。

「そんなものか……」

「なんだか、実がありませんね……」

二人とも話をしている間にもどんどん進んでいくオークションの雰囲気に、二人は戸いながらそんなことを呟いていた。

それから、いくつもの出品のオークションが行われ、ついにハルとルナリアが持ってきた財寶の順番となる。

「さて、皆さまお待たせいたしました。次の商品は注目されている方も多いのではないでしょうか? 數日前に持ち込まれまして、昨日の夜中に鑑定作業が終了したという、鑑定ほやほやの商品になります」

司會者の熱のこもったトークに、待ってましたと、會場がざわつき始める。

「これらの品は、數百年前に滅んだ、アーガイア王國に伝わるお寶となっています。金貨だけでも相當の価値がありますが、當時のままの姿を保っている金の食などもございます。殘念ながら欠けているものもありますが、それ以上に學的にも、寶石や金屬としてもかなりの価値を持っていると思われます」

ぴしっとしたスーツを著込んだオークショニアが振り手振りをえて説明をし、言葉が途切れた一瞬に參加者が挙手をする。

「どうぞ」

「尋ねたいのだが、それらは本當にアーガイア王國のものなのか?」

この質問、実はサウサが仕組んだもので參加者に扮した職員が質問をしている。

「もちろんでございます。我々の元には様々な過去の歴史に通している凄腕の鑑定士が揃っております。更に、今回はそれに加えてアーガイア王國の歴史に造詣の深い學者のマレーラ様にも鑑定に立ち會って頂いています」

アーガイア王國のことを調べようと資料を漁ると必ずといっていいほど、著者名に名を連ねるのが學者マレーラ。

それは、しでもアーガイア王國に興味があるものなら誰しも知っていることである。

「なるほど、わかった。そちらの言葉を信じよう。話しの腰を折ってすまない、続けてくれ」

「承知いたしました。先ほどのご質問の回答でみなさんお分かりいただけたと思いますが、今回はマレーラ様の鑑定証明書も公式のものとして付與されます。ご安心してオークションに參加して頂ければと思います」

にっこりとほほ笑んだオークショニアが恭しく頭を下げて、顔を上げるとぐるりと周囲を見渡す。

「それでは最低落札価格――2000萬Gで開始します!」

2000萬Gという高額からのスタートだと言うのにもかからわず、開始の合図と同時に次々に札が上がっていく。

それを確認しながら、オークショニアが番號と値段を口にしていく。

その様をハルとルナリアは驚きながら見ていた。

サウサはこうなることが予想できていたため、満足そうに微笑んでいた。

「3500萬! ……他にいますか? はい、14番、3600萬!」

既に価格が1000萬以上上積みされている狀況に、ハルもルナリアも現実がなかった。

それも、オークション會場は札を上げる人が後を絶たず、まだまだ値段の上昇は止まる様子がみられない。

「……っ、4000萬!」

立ち上がるほど、熱がこもった様子で札を上げ、一気に価格を釣り上げる者もあらわれる。

「20番、4000萬きました! 33番、4100萬! 21番、4200萬!」

それでも、まだどんどん値段が上がっていく。

「ルナリア、やばいな……」

「はい、こんなことになるとは……」

能力を手にれるためにたまたま訪れた廃城で手にれた品が自分たちの想像を超えた値段で取引されようとしている。

二人は、自分がどこにいるかもわからなくなってくるくらいにふわふわした覚を味わっていた。

「お二人ともしっかりなさって下さい」

そんな二人の肩に手を置きながらサウサが優しく聲をかける。

「このオークションはハル様とルナリア様のものです。浮ついた気持ちになっていると、終了後につけこまれますよ」

妖艶な雰囲気をにじませつつのサウサのアドバイス。それは、オークションにおける問題についてのものである。

「お二人のものはかなりの金額で落札されます。その報は洩れないようにはしますが、あなた方が大きなものを運び込んだのは他の參加者にも見られています。ならば、しばらくは気を引き締めたほうが良いと思います」

真剣な表のサウサに二人はごくりと息を飲んだ。

「金額に関してはただの數値だと思って下さい。実際にもらって、それを安全な場所で確認するまでは油斷をなさらぬように」

的確かつ厳しい助言を聞いて、二人は深く頷いて気を強く持ち始めた。

その間にも次々に価格が上がっていく。

聞こえてくる聲にハルとルナリアは驚きつつも、その気持ちを全力で抑え込み、その行方を見守っていた。

*****************

名前:ハル

別:男

レベル:2

ギフト:

スキル:炎鎧3、ブレス(炎)2、ブレス(氷)3、竜鱗2、

耐炎3、耐土2、耐風3、耐水2、耐氷3、耐雷2、耐毒3、

氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

化、腕力強化2、筋力強化2、

火魔法3、発魔法2、解呪、

骨強化2、魔力吸収2、

3、斧

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:ルナリア

別:

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法2、氷魔法2、風魔法2、土魔法2、雷魔法2、

水魔法1、魔法1、闇魔法1

加護:神セア、神ディオナ

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