《才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『長』チート~》第七十話

「レベルが上がったか……これで、また強くなれたはずだ」

頭に響いたレベルアップの知らせと共に、ハルはに新たな力が漲るのをじていた。

「ハルさん、お疲れ様です。これでまたハルさんが強くなって、湖も救われて、いいこと盡くしですね!」

ふんわりとほほ笑むルナリアが駆け足でハルのもとへとやってくる。

「あぁ、ルナリアの多彩な魔法も助かるよ。おかげであいつとも戦うことができた。ルナリアの援護がなかったら、倒せなかったかもしれない……」

ハルは、先ほどまでシュターツがいた場所を見ながらへにゃりと笑ってルナリアに聲をかける。

そんな彼の表を見たルナリアは嬉しさと恥ずかしさに頬をほんのりと赤くした。

「――ごほん、おほん!」

そんな二人のもとへ、わざとらしく大きな咳払いをしながらザウスがやってきた。

「あぁ、ザウスもお疲れ」

「お疲れ様です」

ぱっと普段の雰囲気に戻ったハルとルナリアが労の言葉をかける。

「あぁ、お疲れ様……じゃなくてだな! さっきの戦い、その前のキマイラとの戦い、どっちも俺の助けがあったからなんとかなっただろ? ほれ、もっと俺を稱えていいぞ!」

ふんと鼻息荒くふんぞり返ってそんなけない発言を自らするザウスに、ハルとルナリアは冷たい視線を送る。

「いや、確かにさ」

「はい、助かりましたけど……」

そんな反応の二人を見てザウスは反対に驚いている様子だった。

「……ん? いやいや、俺の助け、タイミングばっちりだっただろ?」

ここ最近はずっと一人での活が多かったザウスは、仲間に頼られ、褒められることに飢えていた。

「はあ、助かったよ。ありがとう」

「そうですね。ザウスさんの攻撃のおかげで大きな隙が作れたのは事実です。ありがとうございました」

「へっへーん、そうだろそうだろ。いいんだぞ? もっと褒めてくれても」

そんなザウスの気持ちを読み取ったハルとルナリアはそれとなく彼を褒める。

素直に褒めるとザウスは調子にのって、もっと褒めろと鼻を高くして増長しだしていた。

「――おい、上位のランクにあるお前がDランク冒険者に何を強制しているんだ。そんなことよりも周囲の調査をするぞ」

呆れじりにやってきたのは他の魔を制圧していたカイセルだった。

「いやいや、こいつらには俺に謝をしてもらわないと」

「ったく……調子に乗るんじゃない。じゃあ、聞くがあの強い気配を放ってたやつを倒したのは誰だ?」

シュターツの気配はカイセルもじ取っていたらしく、それが消えたため、慌ててここにやってきていた。

長い付き合いであるためか、事の顛末は大予想がついたカイセルのザウスを見る目はどこかじっとりと疑いが混じっている。

「いや、それは……」

急にしどろもどろになったザウスの視線はハルに向く。

「やはりか……。――ハル、ルナリア。思っていた以上に二人は強いみたいだな。私は戦いを見てはいないが、恐らく二人がいなければ今回の作戦は功しなかっただろう。街を代表して禮を言わせてくれ――ありがとう」

調子にのっているザウスをよそに、カイセルは深々と頭を下げた。

「いや、気にしなくていいさ。俺たちは味い魚料理を食うためにやってきたからな。それよりも、まだ警戒を解かないほうがいい。この島で何も魔を倒したけど、その數は減ったようには見えない。つまり……」

ハルがシュターツがいた場所の、更に奧に視線を向ける。

「更に奧に何かがあるということか……よし、行こう」

冷靜なハルの判斷力に心しながら、カイセルは剣を手にすると、奧に向かって進んでいく。

「ハルさん、行きましょう」

「あぁ」

ルナリアとハルも頷きあって、そのあとに続いていく。

「おい待てって。たくっ、しは喜ばせろよな」

一人置いて行かれたザウスはグチグチ言いながらも三人の後をついていく。

しばらく進み、完全に島の中心とも言える場所に到著すると、そこにあるを見て四人が四人ともに怪訝な顔をする。

「これは……」

「魔法陣?」

「なんのかわかるか?」

「俺にわかるわけがないだろ!」

地面に描かれたそれは怪しげな紫を放っている。

放っているが、新しく魔力を流さないと起はしないようであった。

「ふむ、じゃあ俺が試しにし魔力を流してみよう。みんなは何かあったら対処できるように構えていてくれ。まあ、予想はつくけど……」

ハルは返事を待たずに魔法陣の手前まで行き、地面に手をつける。

「行くぞ」

そして、魔法陣へと魔力を流していく。

魔法陣の周囲にはザウスとカイセルが武を構え、し離れた位置でルナリアが魔法の準備をしている。

そして、ハルが魔力を流すと紫のが強くなって、中央に魔が姿を現す。

「せい!」

「ふん!」

だがそれは現れた瞬間にカイセルとザウスによって一瞬で消されることになる。

「なるほど、ということはここに魔力を流すことでどんどん魔が生まれていたのか。他の場所にもあるかもしれないから、いじらずに潰していこう」

「了解した、騎士団のものをかそう」

こういう類の作戦は人が多いほどいいだろうとカイセルは部下のもとへと向かい、指示を出しにいく。

「俺たちも手分けして潰そう。恐らくシュターツくらい強いやつはいないだろうから、ザウスは一人で、俺とルナリアは二人で探すぞ」

「了解です!」

「へいへーい」

気合十分な様子のルナリアは素直に、だるそうにぼりぼりと頭を掻くザウスは不満を言いながらも魔法陣潰しに向かった。

それから、島全を探索するのに一時間ほどを要した。

全ての魔法陣を潰し船に戻ったところでタイミングよく島が大きな音をたてながら湖の底へと沈んでいった。

「島に人や魔がいて、その魔力を吸うことで島が島として存在していたのかもしれないな」

乗っている人が減るごとに、音が大きくなっていたため、おそらくそうなのだろうとハルが分析する。

ハルは自が魔力吸収のスキルを持っているため、島自が魔力を微量ながら吸収していたのをじ取っていた。

「なるほど……とにかくこれで湖は徐々に元の姿に戻っていくはずだ。改めてありがとう」

カイセルは帰りも冒険者たちの船に乗って、ハルとルナリアに謝の言葉を口にする。

「みんなもありがとう! 報酬がない中、全力でことにあたってくれたことを謝する!」

更に、カイセルは他の冒険者たちにも頭を下げる。

カイセルといえば騎士団の団長であり、普段から騎士団員へと厳しく指導を行っている。

その彼が深々と頭を下げて、冒険者たちへと謝の言葉を述べていることに、冒険者たちは戸い、照れ、そしてまんざらでもない様子だった。

一方で、騎士団のほうは副団長に言づけをしてあり、そちらでも団員を褒める言葉を殘していたため、船は盛り上がりを見せていた。

雙方の船は盛り上がり、沸き立ち、そのままの雰囲気で全員が街へ戻り、冒険者ギルドに報告に向かった。

*****************

名前:ハル

別:男

レベル:3

ギフト:

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)3、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、竜鱗3、

耐炎3、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

化、腕力強化4、筋力強化4、敏捷強化2、自己再生

火魔法3、発魔法3、水魔法2、回復魔法1、解呪、

骨強化3、魔力吸収3、

4、斧2、槍

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:ルナリア

別:

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法2、氷魔法2、風魔法2、土魔法2、雷魔法2、

水魔法1、魔法2、闇魔法1

加護:神セア、神ディオナ

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