《才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『長』チート~》第七十三話

「ふう、腹も満たされたところで――今後どうしていこうか?」

この街での最大の目的は街の問題を解決して、味しい魚料理を満喫すること。

それが達された今となって改めて次の目的について話し合う。

「えっと、私自も今の今まで忘れていましたが、そもそもの目的は私の実家に行くことだったので、そちらに向かおうかと……」

で、よかったですよね? と恐る恐る確認するかのようにそおっと手を挙げたルナリアが発言する。

「あ……完全に忘れてた。悪かった」

ハルは自分が完全に失念していたことに、素直に頭を下げて謝罪をする。

しかし、ルナリアは急に謝られて驚いてしまった。

「い、いえいえ! いいんですよ! 私も忘れていたくらいなんですから!」

それを聞いて、ハルも驚いた表になり、きょとんとルナリアを見ていた。

「……は、ははは」

「……ふ、ふふふ」

どちらともなく二人からほぼ同時に笑いがこぼれていた。

「ふう――でもルナリアが思い出してくれてよかったよ。俺なんか完全に忘れていたせいで、ここを拠點に冒険者活をするか? とか考えていたからな」

ハルは困ったような笑みを浮かべながらそんなことを言う。それくらいにはこの街を気にり始めていた。

「あー、そういうのもいいかもしれませんね。この街でなくても、どこかの街を拠點にして、二人でギルドで依頼をけて、それを達していくのも楽しいかもしれません」

手を合わせて賛するルナリアは、ハルと二人で一緒に、々な魔を倒したり、ダンジョンに潛ったり、時には人助けをしたりする――そんな景を思い描き、笑顔になっていた。

「とりあえず、ルナリアの故郷に行ったら考えてみようか。冒険者稼業をするなら、やっぱり依頼の多い大きな街のほうがいいのかな?」

「だったら、王都に行ってみるのもいいかもしれません。あそこなら、多くの資が集まり、人も集まるので、自然と依頼の數も多くなっていると聞いたことがあります!」

そんな未來を思い描く二人だが、どちらも共通しているのは隣に目の前の相手がいるのを前提にしていることだった。

々な街に行ってみようか。俺たちが知らない街もいっぱいあるだろうし……そういえば、ルナリアの故郷までしばらくあるって言ってたけど、ここからでもかなり遠いのか?」

ハルの何気ないその問いに、ルナリアがし考える。

「うーん、そうですねえ……この湖を船で向こう岸まで渡って、そこから更に北に向かいます。そこに大きな森があるのでそこを抜けた先にあるのが――私の故郷になります」

その答えを聞いて、ハルは拍子抜けといった表になっていた。

「意外と近いんだな。もっと距離があると思ってたけど、それならうまくいけば數日中には故郷に帰れるかもしれないぞ?」

二人の聲は別段抑えているわけではなかったため、周囲の客や店員の耳にはある程度屆いていた。

「……あ、あの、橫からすいません」

すると、近くの席に座っていた商人風の男が聲をかけてくる。

「はい、なんでしょうか?」

対応したのはハル。

急に話しかけられたことには驚いていたが、商人風の男から嫌な気配はじなかったため、落ち著いた反応を見せる。

「あの北に向かわれると聞こえたのですが、湖を越えた先にある大きな森――マグアの森と言うのですが、最近そこの様子がおかしいと小耳に挾みました……。お二人は湖を救ってくれた冒険者の方とのことですので、しでもお役にたてればと……」

遠慮がちながら有益な報を伝えてくれる商人風の男

湖の問題に集中して他の報を収集していなかった二人にとって、この報はとてもありがたいものだった。

「なるほど、報ありがとうございます。それで、的にどうおかしいのかは?」

踏み込んだハルの質問に、商人風の男は首を橫に振った。

「もうしわけありません。おかしなことになっているとは聞いたのですが、それ以上は……」

「いえ、とても貴重な報です! ありがとうございます。ハルさん、ギルドや酒場でも報を集めてみましょうか」

「そうだな、報集めの時間といこうか」

申し訳なさそうに頭を下げる男に対して、聖のような笑みを浮かべたルナリアは謝の言葉を返し、次の行についてハルに提案した。彼もまた同じことを考えていたため、大きく頷いて返した。

それを聞いて、彼らの會話を聞いていた他の客がおもむろに立ち上がる。

「その話なら聞いたことがあるぞ! 森に出沒する魔のランクが一段も二段も上になっていて、通過するのも命懸けだとかって」

今まで森を抜けるのに護衛は必要なかったが、この報が確かであればそうはいかなくなっている。

「あー、私は実際に森を通ってきましたが、その方の言うように強力な魔が出てきました。幸いBランクの冒険者が格安で護衛をけてくれたのでなんとかなりましたが、彼らも苦戦をしているようでしたね……」

の男がその時のことを思い出しながらさらに會話にってくる。

実際に験した人の言葉となると、信憑が出てくる。

「魔が強いという話以外に、怪しい人影を見たという話も聞いたぞ!」

數人が報を口にすると、俺も、私もとどんどん報が出てくる。

中には、知り合いの知り合いに聞いた――という曖昧ものまであったが、それでも報を提供しようとしてくれたのはとてもありがたかった。

しかし、なんでもかんでも聞いていたのでは埒があかないので、一定量の報が集まったところで二人は店をあとにしていた。

「ふう、思った以上に々聞くことができたな」

「ですね――でも、なんか嫌なじがします……。湖もそうでしたし、ハルさんがダンジョンであった強い魔もそうですし、森の異変もそうですし、々な場所で何かが起こっているようで……ちょっと怖いです」

ルナリアはここ最近だけでも々な異変があったため、不安な気持ちになっているようだった。

「でも、その異変があったおかげで俺たちは出會うことができたんだ。それに、々起こってくれたほうが俺たちの力を活かす場面が増えるからいいだろう? もちろん悪いことが起きてるのはよくないけど、俺たちが解決すればいいだけさ」

「そう、ですね!」

ハルなりの勵ましの言葉にが震えたルナリアは心からの喜びを覚えていた。

そんな二人が冒険者ギルドに足を踏みれると、朝の時とはまた異なる騒然とした空気が立ち込めていた。

*****************

名前:ハル

別:男

レベル:3

ギフト:

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)3、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、竜鱗3、

耐炎3、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

化、腕力強化4、筋力強化4、敏捷強化2、自己再生

火魔法3、発魔法3、水魔法2、回復魔法1、解呪、

骨強化3、魔力吸収3、

4、斧2、槍

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:ルナリア

別:

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法2、氷魔法2、風魔法2、土魔法2、雷魔法2、

水魔法1、魔法2、闇魔法1

加護:神セア、神ディオナ

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