《才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『長』チート~》第七十八話

「――というわけで、これで依頼は達ということでいいか?」

ハルの問いかけに頭に疑問符を浮かべながらも、この世界では神がギフトという能力を授けてくれると信じられているため、湖にもまた神がいるのだろうと納得したギルドマスターは頷くしかなかった。

「ま、まぁ、実際に島は沈んだようですし、何もなかったけど調査後に崩壊……といったところが妥當な結論でしょうか」

ハルの報告をそのまま報告書に記すわけにはいかないので、困ったように笑いながらもランはそのあたりで収めようと考えていた。

「まあ、そうだね。ちょっと面倒かもしれないけど、うまくやっておくれ。しっかし……あんたたちは本當にとんでもないやつらだねえ。ランクがDの頃にあれだけの大きな結果を殘して、Cランクに上がったと思ったら今度は神様と會ってきたとか……將來あんたらはデカくなるかもしれないね」

ギルドマスターはやや呆れつつも、二人に対する期待を持っているようだった。

「そうなれるようにがんばるよ」

「はい! ハルさんと一緒に頑張ります!」

やや気が抜けた様子のハルに、力がり過ぎているルナリア。

「ふははっ、あんたたちは丁度いいコンビなのかもしれないね。いつか有名になった時は、スイフィールの冒険者ギルドマスターはいち早く才能に気づいていた――とでも言っておいとくれ」

噴き出すように大きく笑いながら言うギルドマスターだったが、目の奧は真剣だった。

「わかったよ。それじゃあ報告は終わりということで、もう行ってもいいよな?」

「あぁ――あんたたちの旅路に幸有らんことを」

まるで祈るようにギルドマスターが手を組んでそう告げた。

「それでは失禮します」

「お二人とも、下で手続きをしますので行きましょう」

ルナリアもギルドマスターに挨拶をして、ランの導で一階に戻っていく。

既に報告は終わっているので、カードを渡して簡単な手続きするだけですぐに完了する。

「はい、お二人ともありがとうございました。きっとお二人でなければ解決しなかった問題だと思います。神様だけに、島にやってくるのが誰なのかわかっていたのかもしれませんね」

ランはハルとルナリアの話を信じており、神様がいたということも信じているようだった。

「ありがとう……そういえば、北の森ってどうなってるんだ? 前にレストランで報を集めた時は、あんまりいい話を聞かなかったけど」

ハルの質問にランが何か思い出したようで、待っているように手で合図してからごそごそと書類の山から何かを探し始める。

「えっと、あれってどこだっけ?」

「あー、あれでしょ。確かこっちに……はい、これ」

他の付嬢からファイルを取ると、禮を言いながらそれを持ってハルたちのもとへと戻ってくる。

「これです、うちでも報がってきまして、それをざっくりとではありますがまとめてみました」

「えっと、見てもいいのかな?」

報は重要であるため、何もなしに見ても良いのかと念のためハルは確認をとる。

「もちろんです! ……と言いたいのですが、念のため奧の部屋で見てもらえると助かります」

最初は自信満々だったが、こっそりと緒話をするようにそう言うと、再びハルとルナリアをカウンターの中に招きれて、奧の部屋へと案していく。

この段階にまでなると、二人の顔を知らない者のほうがないため、誰も疑問に思う者はいなかった。

「それじゃ、ここを借りてっと。ルナリアも見てくれ」

二人は隣り合って座りながら、ファイルの中を確認していく。

「……なになに? 魔が強くなっている――的にどれほどと言うのは難しいが、今まで現れたことのない魔の姿が多くみられる」

「魔の數が以前よりもかなり多い――倍は言い過ぎかもしれないが、それに近いほどにはいる……ですか」

このあたりはレストランでも聞いた報だったが、その裏付けがとれる形となった。

ギルドでまとめている報告書は裏を取った上で集められた報であるため、レストランで聞いた噂話とは報の正確が異なる。

「それでも、変化があった最初の頃は冒険者に護衛を依頼することで無事に通過することができた。しかし、ここ最近はそれも難しくなってきている……つまり、変化の兆しがあった頃から今でも魔が強くなっているのか?」

「あ、でも、ここ見て下さい。ある一定までは強くなったみたいですけど、そこで止まってるみたいです。えーっと……それでもBランクパーティ以上の護衛が必要と予想されるってありますね――これは結構強いです」

最初の頃はCランク以下でも、とりあえず冒険者がいればなんとかなることが多かった。

だがいまではBランク以上のパーティ護衛が必要なほど魔が強くなっているということらしい。

「ふーむ、とにもかくにも魔が強くなっている。危険がいっぱいというじか……でも、その原因については誰も解明していない、と」

「そうなんです!」

ハルが話を締めくくろうとしたところで、ひょっこりとランが現れる。

「うおっ、來てたのか」

「きゃっ! お、驚きました」

ハルもルナリアも完全に油斷していたところへのランの登場だったため、虛をつかれてしまう。

「す、すいません。ついつい……でも、そうなんです! 森の魔が強くなったのは多くの報告がこちらにも上がってきています。ですが、なんで魔が強くなったのか? なんで魔が増えたのか? それについての報が全然あがってこないんですよ! 唯一あった報は、魔力が多く充満しているという話くらいで……」

それを聞いてハルとルナリアは、この間の湖解放戦の時を思い出していた。

「もしかして、あれか?」

「可能はありますね……」

「……えっ? な、なんですか? もしかして、心當たりでも?」

ハルとルナリアの反応を見て、ランが食いついてくる。

「いや、可能という話であって、真実かどうかはわからないからやめておこう」

「そうですね、むやみやたらに広めても違ったら困りますからね」

二人は確信めいたものを持っていたが、それでも確証がないため、ランには話すのをやめることにする。誤った報が出回り、危険な事態になっても困るからだ。

「えっ? ちょ、ちょっと、教えて下さいよー!」

「いや、報が確定したら持ってくるよ。それより、森の調査の依頼はないのか?」

「うぅ、ありますよぅ……」

教えてくれないことに不満を持ちつつも、それでも業務はしっかりと行うランはハルが求めてる依頼を用意しにカウンターへと戻っていった。

*****************

名前:ハル

別:男

レベル:3

ギフト:

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)3、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、竜鱗3、

耐炎3、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

化、腕力強化4、筋力強化4、敏捷強化2、自己再生

火魔法3、発魔法3、水魔法2、回復魔法1、解呪、

骨強化3、魔力吸収3、

4、斧2、槍

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:ルナリア

別:

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法2、氷魔法2、風魔法2、土魔法2、雷魔法2、

水魔法1、魔法2、闇魔法1

加護:神セア、神ディオナ

*****************

お読みいただきありがとうございます。

ブクマ・評価ポイントありがとうございます。

    人が読んでいる<才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『成長』チート~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください