《才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『長』チート~》第百四十九話

登録を終えた三人は街を散策することにする。

食事は教えてもらったレストランに行くことにして、それ以外にこの街について々見てみたいというのが三人の共通の意見だった。

「……といって街に出てきたが、改めて見るとすごいな。都市と自然が共存している街というのもそうそう見られるものじゃないぞ」

ぐるりと街を見渡しながらハルは心したようにそう言った。

最初は巫登録のために神殿に向かっていた。

その時はエミリの様子をずっと気にしていたが、登録を終えた今は周囲を気にする余裕がでてきていた。

「本當にすごいですね。それぞれのおうちの近くにも木が多く生えていますし、綺麗ですね」

それらの木には様々なとりどりの花も咲いており、街を著飾っていた。

ルナリアはそれらが風に小さく揺れて生き生きとした姿を見せているのにらかな表で目を細めた。

「これがエルフの生きる街なの。うちの村も規模は小さいけど、自然とともにあった。大きな木の上に家を建てる集落もあるって聞いたことあるの」

ハルとルナリアのことを互に見上げたエミリは故郷を思い出しながら話すが、村に未練があるわけではなかった。

「なるほどね、だからこの街もその例にれずにこういう街の作りになっているんだな」

相槌を打つように頷きながら再度街を見渡したハル。

「どうしましょう、こうやって街を眺めて歩いているのも楽しいですが……目的地はどこにしましょう?」

目的の無い散策も悪くないが、いたずらに時間を浪費してしまうのもどうかと考えたルナリアが質問する。

「そうだなあ、エミリはどこか行きたい場所はあるか?」

質問されたハルは、優しい表でエミリに話を振る。

どこに何があるのかもわからないため、エルフのエミリに質問するのが一番だと判斷していた。

「特にこれという場所はないけど、報集めのために酒場やレストランに行くのはいいと思うの。今の私たちは他の巫候補の報も全くないし」

特に地方の、小さな村からやってきたエミリにはその手の報がなかった。

「よし、じゃあレストランに行くには時間がまだ早いから、まずは報集めだな。神殿は……報をくれなそうだし、酒場に行くのはもっと時間が早いか。となると……」

どこに行けばいいのか、頭を悩ますハル。

「それなら、一旦宿に戻るのはどうでしょうか? あの宿の方は街の報もたくさん知っていますから、今回の巫報に関しても何か報が聞けるかもしれませんよ!」

にっこりと笑うルナリアの提案にエミリもコクコクと頷いている。

「そうだな、街の中はざっと見られたし一旦戻るっていうのも悪くないか」

ハルもルナリアの提案に頷いて、宿に戻ることにした。

宿に戻ると、宿の職員が一禮をしてハルたちを迎えれてくれる。

そして、すぐにハルたちの擔當のリカがやってきた。

「お帰りなさいませ。お早いお戻りでしたね」

笑顔で挨拶をするリカだったが、思っていたよりも早く戻ったハルたちに疑問を持っているようでもあった。

「あぁ、神殿に登録に行ってきたあと街を見て回っていたんだけど、今回の巫の選出に関して報が手にらないかと思ってね」

ハルの説明を聞いてリカは何かを思いついた表になる。

「……では、ここでは人が多いので、移しましょう」

「わかった。俺たちの部屋に行こう。あそこなら外に會話もれないし落ち著いて話せる」

リカは笑顔で頷き、一行は最上階にある部屋へと向かって行った。

部屋にり、一番奧の部屋に移してリカがお茶を用意したところで、落ち著いて話に移る。

「それで、みなさんが知りたいことはどういったことでしょうか?」

的な質問容についてリカが尋ねてくる。

これについて知りたい、それがわかれば詳細な報を出しやすいためである。

「先に一つ言っておくが、俺はこの巫選出についてほとんど知らないと思っていてくれ。だから変な質問をするかもしれない」

「承知しました」

ハルの言葉にリカは靜かに頷く。

「それじゃあ、まず一つ目の質問。今回の巫選出の儀式だけど、エミリ以外の候補の報を知らないか?」

「そうですね……全てを知っているわけではありませんが、何人かの報は仕れてあります」

そう言うと真剣な表をしたリカは懐から用紙とペンを取り出す。

「まず一人目――エレンさん。魔法が得意な方だと聞いています。西のエルフの街の出だとか」

その言葉にエミリがピクリと反応する。

魔法が得意と聞いて、自分との差をじているようだった。ルナリアがそっと彼の手を握って安心させようとしている。

「次に二人目、ミレーユさん。魔法はエレンさんほどではありませんが、弓の名手だと聞いています。彼は北の出ですね」

シンプルな報だったが、知っているといないとでは全く違う。

その後も何人かの報を教えてくれたリカだったが、ついに最後の一人になる。

「私が知っている最後の一人ですが、この街の出のミスネリアさん。攻撃魔法、回復魔法、霊魔法、そして弓と四つものギフトを持っている方で、今回の巫の最有力候補と聞いています」

リカのその言葉はエミリの表を引き締める。

「エミリさん……」

勵ますように笑みを見せたルナリアがエミリの名を優しく呼びながら肩に手を置く。

「――で、す、が! 私が知っている報は今言った方々だけで、エミリさんの報はありません。ハルさん、ルナリアさん、お二人はどう思われますか?」

ここまでの説明を聞いてハルとルナリアがどう考えるか、リカはあえて強引に話を振った。

「そうだな……単純な戦闘になれば、エミリにも十分勝ち目はあると思う。仮に闘技大會のようなトーナメント戦の一対一の戦いであれば、エミリが勝ち抜く可能は高い。だが、今回の巫選出がどんなルールになっているかわからないから、その報もしい」

腕組みをしてし考えたハルはエミリの力量の話をしつつ、次の質問にうつっていく。

「ですね。今回の選出方法がどういうものかはわかりませんが、前回までのお話ならできるので、そちらを説明しますね」

ハルの言葉で表が変わったエミリを見たリカは、力強いきりっとした表で説明を続ける。

それはハルたちのお腹が空腹を訴えるまで行われた……。

*****************

名前:ハル

別:男

レベル:4

ギフト:

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)3、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、

竜鱗4、鉄壁4、剛腕3、統率1

耐炎3、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

化、腕力強化6、筋力強化6、敏捷強化5、自己再生

火魔法4、発魔法3、水魔法3、回復魔法1、解呪、

骨強化5、魔力吸収3、

5、斧3、槍1、弓1、短剣1

開錠1、盜み1、霊契約

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:ルナリア

別:

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法4、氷魔法4、風魔法4、土魔法5、雷魔法4、

水魔法3、魔法4、闇魔法3

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:エミリ

別:

レベル:-

ギフト:2、格闘2、魔闘1、先読みの魔眼

加護:武神ガイン

*****************

お読みいただきありがとうございます。

ブクマ・評価ポイントありがとうございます。

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出版社:ホビージャパン

レーベル:HJノベルス

著者:かたなかじ

イラストレーター:teffishさん

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