《才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『長』チート~》第百五十八話

一時間後

四人の巫候補者はそれぞれの控室から繋がっている通路のり口にいる。

「エミリ、大丈夫か?」

ハルが肩に手をおいて聲をかける。

「頑張って下さい!」

反対の肩にルナリアが手を置いている。

「うん、大丈夫だし、頑張る」

淡々とした返事をしたが、二人の気持ちはエミリに十分伝わっており、エミリの気持ちをい立たせていた。

「それじゃ、行ってくるの」

係員が場の合図をしたため、エミリは一人通路を進んでいき會場へと向かって行った。

ハルとルナリアはそんな背中をしばらく見送っていたが、完全に見えなくなる前に観客席へと移していく。

ここからは、エミリの戦いである。

『さあ、最終試練に殘った巫候補の四人の場だああああ!』

司會の男が、音聲拡大魔道を使って會場中に聲を屆けていく。

『まずは今大會最年、しかし第一試練を最初に突破した実力者。小柄な見た目に騙されるな。彼の真の力をしかと見よ! 候補者名、エミリーーーー!』

第一試練を突破した順に紹介されるらしく、エミリの名前が會場に響き渡る。

當のエミリはぺこりと頭を下げるが、それ以上の反応は示さない。

『お、おっと、これはシンプルな対応だ。張しているのか? 気を取り直して次の候補の紹介だ!』

エミリの反応が薄いことに司會が一瞬言葉に詰まるが、それでもすぐに次の紹介へと移っていく。

二人目の巫候補の名前はエレン。魔法が得意な西方のエルフ。金髪で縦ロールのお嬢様といった風貌で、どこか気取った様子が見られる。

三人目はミレーユ、弓の名手で北方のエルフ。

ショートカットで活発な印象をける彼は、背中に弓を背負っている。

四人目はミスネリア。ハルたちが宿泊していた街のエルフで四種のギフトを持っている最有力候補。エルフには珍しく青い髪をしており、舞臺に上がってから目を瞑って集中していた。

この三人、全員が宿で聞いた候補者だった、

もちろんエミリは全員の報が頭にっており、彼たちを見てその力を探っていた。

『さあ、全員を紹介したところで今回の大會のルールを説明しよう! 例年であれば一対一の対戦を繰り返して最終的な優勝者を決定する。しかし、今回は當代の巫であるシルフェウス様の提案で四人で同時に戦うバトルロイヤルとなったああ!』

この報を知らない観客も多かったらしく、會場にどよめきが走る。

走るが、すぐにそれは歓聲へと変わった。

「いつもと違うなんておもしれえじゃねえか!」

「組み合わせに左右されるんじゃねえかって思ってたんだよなあ!」

「楽しみだぞ!」

そんな聲があがり、概ね今回のルールは好意的にれられる。

この歓聲はVIP観覧席にいるシルフェウスへと向けられていた。

「やあ、どーもどーも。楽しんでもらえているようでよかったよ」

この反応はシルフェウスの予想以上であったらしく、稱えられていることに笑顔になっていた。

『さあさあ、シルフェウス様の笑顔を見ることができたぞ! 戦いの詳細なルールに関しては舞臺上にいる審判を務める神から説明がある。みんな靜粛にして耳を傾けろ!』

この聲かけによって、會場が靜まりかった。審判も司會と同様に聲を大きくする魔道に著けている。

『ごほん、それではルールを説明する。今回は四人による総當たりのバトルロイヤルとなる。武を使ってもいい、魔法を使ってもいい、逃げ回ってもいい。最後に立っていたものが勝者となる。ただし、相手の命を奪った場合は失格となる。舞臺から落ちた場合は場外負けとなり落、気絶してそれが審判によって確認されれば落。落したものの復帰はない。以上! 何か質問はあるか?』

審判が説明を終え、候補者四人に質問の有無を確認する。

すると金髪縦ロールのエレンが手を挙げる。

「なんだ?」

「気絶か場外が落ということでしたが、例えば參った、負けました、敗北です。など自ら負けを認めた場合はどうなさいます?」

気絶するまで攻撃を続けるというのはなかなに困難であり、場外に出すとなれば時によっては隙を見せてしまうこともある。

『ふむ、それも落とする。説明がれてしまったな。質問助かった』

は自分のれを補助してくれたことに頭を下げた。

「先ほど言ったルール以外で、戦いが止まったりすることはあるのでしょうか?」

それは最有力候補のミスネリアからの質問だった。

『ふむ、それもある。想定外の事態が起こった場合や、あまりに凄慘な戦いになってしまった場合はこちらの判斷で止めることがある。他にあるか?』

質問に答えてもらったことで、エレンもミスネリアも満足しており、エミリは気になることはなく、もう一人のミレーユは早く戦いたいという気持ちでいっぱいであり、質問タイムの終わりをソワソワして待っていた。

『質問がこれ以上ないのであれば、そろそろ戦いを開始しよう。それぞれ舞臺の端に立ってくれ』

その指示に従って、四人は自分たちがやってきた通路側へと異していく。

『それでは、司會……合図を頼む。』

『あいよう! みんな準備はいいな? それでは……レディ、ファイト!』

こうして戦いの幕があがる。

*****************

名前:ハル

別:男

レベル:4

ギフト:

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)4、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、

竜鱗5、鉄壁4、剛腕3、統率1

耐炎4、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

化、腕力強化6、筋力強化6、敏捷強化5、自己再生

火魔法4、発魔法3、水魔法3、回復魔法1、解呪、

骨強化5、魔力吸収3、

5、斧3、槍1、弓1、短剣1

開錠1、盜み1、霊契約

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:ルナリア

別:

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法4、氷魔法4、風魔法4、土魔法5、雷魔法4、

水魔法3、魔法4、闇魔法3

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:エミリ

別:

レベル:-

ギフト:2、格闘2、魔闘1、先読みの魔眼

加護:武神ガイン

*****************

お読みいただきありがとうございます。

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