《才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『長』チート~》第百六十三話

「さあて、みんなに言った手前。しは格好いいところを見せないとね」

ハルたちが見ていることをじながらドラゴンに対峙したシルフェウスはふっと笑う。

はこの大森林を統べる巫

大森林だけでなくすべてのエルフの頂點といっても過言ではない、クイーンオブエルフのような存在である。

そんな彼は普段自らの力を見せることはない。

見せるとしてもギフト『賛』によって、周りを鼓舞し長させることくらいである。

――その巫し本気を見せる。

「……いくよ」

その言葉と共に、シルフェウスはに魔力を貯めていく。

その瞬間ぶわっと大気が震えるのをハルたちはじ取っていた。

魔力に呼応するように周囲の自然がざわざわと揺れき、彼に力を分けるように生命力を示す。

「こ、これすごいな」

「は、はい!」

「うん!」

すっかりシルフェウスの挙に見るハルの言葉に興気味のルナリアとエミリも同意する。

ハルとルナリアはこれに近い覚を覚えていた。

ハルの師匠であるゼンライン――世界で一人の最強の冒険者。

彼がベヒーモスとの戦いの際に見せた力の一端。

それとシルフェウスがこれから行おうとしていることには、種類が近い強者のソレであることがわかる。

「せい!」

その言葉と共にシルフェウスがとんっと地面を蹴る。

の行は単純な跳躍だった。

しかし、その軽さとは裏腹に彼の足の形に地面が陥沒しており、大地が震えたのがハルたちのもとへ屆いていた。

「ドラゴン君、悪いけど……落ちてもらうよ」

「GARU!?」

先の三人とは異なり、一瞬のうちに上空まであがってきたシルフェウス。その行にドラゴンは驚き、虛を突かれてしまう。

シルフェウスが次に何をするのかと考えた時には既に、翼に手がかけられていた。

し上品とは言い難いけど、まあ仕方ないよね。せやああああああああああ!」

力強い聲とともに手をばし、攻撃をするシルフェウス。

「……は?」

「え……?」

「すごいの」

「えええええぇ!?」

それぞれハル、ルナリア、エミリ、ミスネリアの反応だった。

シルフェウスの攻撃は、攻撃というには力任せの、それでいてドラゴンを落とすには酷く効果的な一手である。

”ドラゴンの翼をむしりとる”。

「GYAAAAAAAAAA!」

翼をむしり取られたドラゴンは痛みにもがきながら悲鳴のような聲を上げ、地上に落下する。

「よっと、はいこれでいいかな? あとは任せてもいいよね?」

軽い足取りで著地したシルフェウスの質問にハルをはじめ、全員が困する。

あれだけの力を持っているのであれば、シルフェウスが一人で戦ったほうが早いのではないか? そんな思いがに渦巻いている。

「あはは、君たちの気持ちはわかるよ。そうだよね、一人で戦えよって言いたくなるよね。でもさ、どうやらここまでみたいだ。し、魔力が……ふう、きつい……」

全員がシルフェウスのから急激に魔力が失われていることに気づく。

「シルフェウス様!」

ミスネリアが慌ててかけよるが、シルフェウスが大丈夫だと軽く手をあげる。

「これが新しい巫を選出しようとしている理由さ。最大出力自はそこそこあるんだけど、どうにも持続力に欠けるになってしまってね。これでは、大森林を守り続けることに支障が出てきているんだよ。……だから、あとは頼んだよ」

し息切れをしつつもシルフェウスは笑顔でそこに座り、休憩モードにる。

「ははっ……巫様とやらにあそこまでやってもらって、俺たちが頑張らないわけにはいかないか――いくぞ!」

ハルは彼の意思を汲み取って第一にき出す。

ルナリアとエミリも、リーダーであるハルを追いかけるようにいている。

「ルナリア、いつものように援護を頼む。エミリ、分散して攻撃に移るぞ!」

「はい!」

「うん!」

ハルの指示に返事をする二人。自分がやるべきことをそれぞれが認識しており、自分の役目を果たすためにいていく。

「すごい……」

その瞬時の判斷力を見て、ミスネリアが思わず呟く。

「ミスネリアさん、彼らはきっとずっと一緒にいたから互いのことをわかってけるんだよ。あと、瞬間瞬間で判斷しないといけないような過酷な戦いをしてきたんだろうね。あなたと彼らの大きな違いは経験値だと思うよ」

「はい……」

経験値に差があることを理解し、ミスネリアは歯がゆい思いになってしまう。

「いやいや、そこは落ち込むところでも悔しがるところでもないよ。彼らのほうが経験値がしばかり多い。つまり、あなたも経験値を積むことで彼らと同じ、いやそれ以上の高みまでいけるということさ。さあ、三人だけに任せずあなたも自分の力を存分に振るっておいで」

「……っ! はい! いってきます!」

自らの心を見かされ、背中を押され、先の道まで示してもらった。

シルフェウスのギフト『賛』だけではなく、あこがれだった人の言葉は彼の心を大きく揺さぶった。

となれば、彼も現在の力を振り絞ってやれることを全力でやる。

その意識になったからには、表も大きく変わり、ミスネリアがき出すのも早かった。

*****************

名前:ハル

別:男

レベル:4

ギフト:

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)4、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、

竜鱗5、鉄壁4、剛腕3、統率1

耐炎4、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

化、腕力強化6、筋力強化6、敏捷強化5、自己再生

火魔法4、発魔法3、水魔法3、回復魔法1、解呪、

骨強化5、魔力吸収3、

5、斧3、槍1、弓1、短剣1

開錠1、盜み1、霊契約

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:ルナリア

別:

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法4、氷魔法4、風魔法4、土魔法5、雷魔法4、

水魔法3、魔法4、闇魔法3

加護:神セア、神ディオナ

*****************

*****************

名前:エミリ

別:

レベル:-

ギフト:2、格闘2、魔闘1、先読みの魔眼

加護:武神ガイン

*****************

お読みいただきありがとうございます。

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