《三分間で世界を救え!「えっ!ヒーローライセンスD級の僕がですか!」 就職したくないからヒーローになった男は世界で唯一のタイムリープ持ち。負け知らずと言われた、世界一のヒーローは世界で一番負け続けていた》夜空の涙

「ねぇボス、いつアイツら殺しに行くの?」

い聲のが聲高に話している。

「あぁ、いつが良いかな」

どこかやる気のない聲で適當に返す。

「早く行こうよ!今日でも良いんだよ?」

椅子に座っているはジタバタと手足をかしていた。

「分かったよ、じゃあ明日」

「本當だよ!絶対だからね!」

「あぁ、もう分かったからし黙ってろ」

「あとボス?そろそろ止めないと、その人(ブタ)死んじゃうよ?」

「そうか?そりゃぁありがとうな、杏(あん)(び)」

を使った犯罪は世界中で確認されている、元々、裏の世界に住む人間からすれば、手段が1つ増えただけだが、裏に屬さず、暗い闇を抱えた人間からすれば、余りにも大きなで力だった。

「新屋!アンタまた1人で怪倒したの!」

ヒーロー事務所「BBB」いつもと変わらない風景が流れている。

「だって、先に向かったっていう他のヒーローが、まさか通事故に遭うなんて思っても無かったから、もう終わったかな?って思って著いたら、始まっても無かったんだぞ!」

「だったらアンタは撤収しなさいよ!」

「ヒーローが逃げるなんて出來るかよ」

「アンタはヒーロー以前に貧乏神なんだから、逃げるのは事務所の為でしょ!」

「貧乏神ってふざけるなよ!」

「貧乏神でしょが!アンタが倒したせいで、また8,400円しか事務所にらないのよ」

「良いだろ!民間人は助かったんだから」

「良くないわよ!民間人助ける前に、事務所の懐を助けなさいよ」

「ヒーローが金金言うなよ!」

「言うわよ!ボランティアで人は助けられないのよ」

熱くなった二人を丸めた新聞紙で大鐘が叩いた。

「いい加減にしろお前ら、いつまでも子供みたいな喧嘩をするな」

「だって大鐘さん」

「はぁ、私は悪くないから」

また睨み合う二人。

「いい加減にしろ!」

今までに聞いた事のない程の迫力で怒鳴った。

「まず、春木!お前は赤波(コイツ)が現場に向かっている時、何をしていた」

普段、奈々ちゃん呼びなのに今は違う。そして二人の間に立った大鐘が質問をして來た。

「えっと・・・その時は予約していた容院に向かってた」

し答え難そうに言葉を返す。

「なんでヒーローの要請があったのに向かわないんだ?」

靜かに聞いて來る事が逆にをあたえ、場の空気を凍らせる。

「だって容院が・・・・」

それ以上は言葉が出なかった。いや、出せなかった。

「赤波、お前はなんで一人で向かった?」

「先に向かっている他のヒーローがいるって、聞いていたので」

初めは大鐘の目を見て返していたが、最後は目線を反らした。

「事務所にも連絡はれないのか?」

「いやっ!」

「なんだ?急いでいたのか?急いでいたら連絡はしなくても良いのか?」

言葉が出ない、自分の甘さが原因だと分かってしまったからだ。

「春木、お前は勘違いをしている、俺達ヒーローが飯を食えているのは、數多くの人が協賛してくれているからだ。小さな子が自分のお菓子を買うよりも、ヒーローが頑張れるようにっと寄付をしてくれているんだ。確かにお前が稼いだ金だ、お前が自由に使えば良い。だけどな、ヒーローはオシャレをするのが仕事じゃないんだ!

人に希を與えるのが、「ヒーロー」なんだ!」

一人の資産家が自分の全財産を投げ出して、作られたヒーロー組織

組織を支えるには資産家一人の財産は余りにもなく、多くの助けの上に存在していた。

「私は別にそんな軽い気持ちでヒーローやってないし」

春木にも、まだ人には言えない理由があってヒーロー活をしていた。

「赤波、お前にも言えるぞ!」

「俺ですか?聞いていて平気そうでしたけど?」

「じゃあ、お前先月幾ら稼いだ?」

「25,200円です」

極小の小聲で答える。ボソボソ何を言っているのか、聞き取れない程に。

「お前、その金で人助けしたいか?」

「出來るなら・・・」

まだボソボソと答える。

「一日840円、三食食うなら280円だぞ?」

「問題ないと思います」

不貞腐れた様にボソボソ。

「お前舐めてるのか?腹が減ってる奴が人を助けられるかよ」

「俺なら行けます」

「その狀態でお前が行くのはあの世だよ。赤波、俺達には金が必要なんだよ」

「でもさっき、ヒーローは金じゃないって」

し聲が出始めたボソボソ。

「俺は言って無いだろ?オシャレをする仕事じゃない。希を與えるのがヒーローだって言ったんだ」

「でも意味的には変わらないんじゃ・・・」

ボソボソ。

「俺は金が大事だと思っている、それはヒーローとしてのはもちろん、訓練の為には場所を借りないとダメだ、そして、ヒーロー事務所を構えるには費用が掛かる」

「じゃあ事務所といらないんじゃ」

「事務所は絶対に必要だ、市民に安心してもらうには、目に留まる。目立つことが大事なんだ。そうすれば、犯罪者達もうかつには手を出せない。事務所は街の平和には欠かせない。

そうなると、俺達ヒーローには金が必要なんだ」

「分かりましたよ、俺が悪かったです」

「俺に謝ってどうする?奈々ちゃんに謝れ」

奈々ちゃん呼びに戻っていた。

「なんで春木に?」

「もう良いです!」

春木が強い口調で止めた。

春木は手を強く握り絞め、赤波を見る事も無く事務所を飛び出していった。

「春木の奴、急にどうしたんだ」

「赤波、アイツなお前の給料分稼いでたんだよ。お前には言うなって言われてたけど、お前が余りにもバカだから」

大鐘はすこし疲れて様に頭を掻いている。

「追わねぇのか?泣かせたんだ、責任取って來いよ」

鋭い眼で見つめる。

「いっ行って來ます」

「春木!さっきはごめん、何も知らなかったのに偉そうなこと言って」

「あぁ、あのモジャモジャから聞いたんだ?」

「いや!その・・・・」

「もう良いよ別に・・・」

靜かな時がしばらく続いた。空の雲も形を変える程に。

「私ね昔凄い貧乏だったの」

春木が突然話し出した。

「えっ?」

「まぁ聞いてよ、両親は働いていたけど、散財癖が酷くて、熱費なんて払えないから止まるのが當たり前、ご飯も普通のなんて食べれない。カビが生えてなければ良いか?そんなじだったの。學校の給食を食べたいけど、お風呂にもれていないから行けない。けどお腹が空くから危なくても食べる。そんな生活が続いた。

ある時、川で溺れてる子供がいて、個を使って助けたの。

そしたら、近くを通りかかった本部の人が私を見つけてくれて、事を知ったその人はウチの両親に、本部で預からせてくれって言ってくれて・・・・そしたら両親がなんて言ったと思う?」

「・・・・・わからない」

「今すぐ5萬くれるなら良いって・・・その人はすぐに渡すと、私の手を取って家から出してくれたの、そのあと、一緒に牛丼屋さんに行って「安心して食べな」って大盛りの牛丼を頼んでくれたの」

赤波は何も言えず聞く事しか出來なかった。

「でもね、良かった。ヒーローになって人を助けて、自分はここに居ても良いんだって思えたから」

「なんで・・・」

「なんで大鐘さんにこの話をして言い返さなかったんだ!」

「だって、私を見つけてくれたのが「大鐘さん」だから、だから自分の行が悔しくて、頑張れたのに、皆と笑って居たいのに」

「一緒に戻ろう!戻って謝って、一緒にこれから頑張ろう!俺もどんな仕事でもけて、頑張るから!」

春木は大粒の涙を流して、流して、流して、その日の夜空に心の重しを置いて來た。

良いって思ったらポイントよろしくお願いいたします。

ではまた明日!

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