《妹と兄、ぷらすあるふぁ》家庭環境
あたしは今お兄ちゃんと二人で暮らしています。心ついたときからそうで、昔はお兄ちゃんが家事をやってくれていましたが、今はあたしの仕事です。
「ねぇ、あーにぃ」
フライパンを回しつつお兄ちゃんに問いかけます。
「どうした妹よ」
し遠くからお兄ちゃんの聲が帰ってきます。リビングでのんびりしているのかもしれません。
「どうして、うちにはお父さんもお母さんもいないの?」
ガタンとリビングの方から音がしました。やはり聞いては駄目だったでしょうか。お兄ちゃんがリビングからやってきました。
「妹よ。お兄ちゃんと二人は嫌か?」
「そんなことないよ? でもねどうしてかなって」
お兄ちゃんは右手を顎に持って行き何か考えると「そこまでいうなら……」と話し始めます。
「あれはまだ妹が一歳位の時か……仕事から帰ってきた父さんがな……」
お兄ちゃんの聲が震えているように聞こえます。お父さんがどうしたんだろう……と考えていると、ピンポーンとチャイムが鳴りました。お兄ちゃんが「行ってくる」と言って玄関に向かいます。
あのお兄ちゃんが聲を震わせていたのは驚きです。きっと何かあったのだろうと、考えていると一つの考えが浮かびました。だからお兄ちゃんは泣きそうだったのかもしれません。
戻ってきたお兄ちゃんに「さっきの話やっぱり大丈夫だよ」と言おうとするとお兄ちゃんが「ほい」と何かを手渡してきました。
「手紙?」
「ちょうどよかったな」
會話がかみ合いませんが、封を切ります。みたことない封筒です。中には仲が良さそうにならんでピースしている男の人との人の寫真と便箋。便箋を見ると初めに『我が息子達へ』と書いてある。
「あーにぃこれって……」
「知りたがってたろ? 父さんと母さん」
「あーにぃっ!」
あたしは怒りましたがお兄ちゃんは何故怒られているか分かっていないようでした。
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