《妹と兄、ぷらすあるふぁ》頑張り
この世には『病は気から』なる言葉があるそうです。
病気は気の持ち方で良くも悪くもなると言ったものですが、どこかお兄ちゃんが偶に言っている事と近い気がします。
ともかく、今日はお休み。掃除に洗濯、料理などやらなくてはいけないことが沢山です。
いつもに比べてしは重いですが、いつものように家事をします。病は気から、家事が終わったら何をしようかと考えながら食を洗います。
掃除機をかけながら、ちょっとフラついてしまい、流石に疲れているのかなと思ったので掃除機をかけ終えたらし休憩しようと決めました。
今日、お兄ちゃんは大學のレポートがあるからと部屋に引きこもっています。どうしてお兄ちゃんはレポートをやる場所を決めないのでしょう?
そんなことを考えている間に掃除機をかけ終えたので、ちょっとソファに腰掛けます。
座っていると、急に頭が重くなって、しだけと思いながらそのまま寢転がります。
それがいけなかったのでしょうか? だんだん頭が痛くなってきたと思ったら、とても眠たくなって目を閉じていつの間にか眠ってしまいました。
目が覚めてもが重くて、し熱があるかなと言ったところ。頭が痛かったのは大丈夫になっていたので、頑張ったらけそうです。
今何時かなと思い時計を探そうとを起こすとズキズキとまた頭が痛くなってきました。
「起きたか、妹よ」
急にそんなお兄ちゃんの聲が聞こえてきて、し驚きます。
「おはよう、あーにぃ……今何時?」
座ったままでいるとまた頭痛が治まってきて、お兄ちゃんに聲をかける余裕が生まれました。
「15時くらいだな」
何気なくいわれたそんな言葉に、あたしは驚いて慌てて立ち上がろうとします。
まだ掃除が終わった所なのです。もうお晝を過ぎてしまったと言うことは早く晝ご飯も作らないと。
「こら、まだ寢ときなさい」
あたしの気持ちとは裏腹にお兄ちゃんはそう言ってあたしの肩を摑みベッドに寢かせます。
あれ? ベッド? 確かソファで寢ていたような……
「あーにぃ、あたしソファで寢てたよね?」
がいたからか、また頭痛がしてきましたがし冷靜になれたので辺りを見渡すと、そこはリビングではなくあたしの部屋。
「そうだな」
お兄ちゃんはやはり何気なしに答えます。
つまりお兄ちゃんがあたしを此処まで連れてきてくれたのでしょうか。
「でも、あーにぃ洗濯とかしないと……」
なにが『でも』なのかは解りませんが、そんな言葉が口から出てきます。
「もう終わった」
お兄ちゃんにそう返されてしまい、なにも言えなくなってしまいます。
でも、今の狀況が落ち著かなくて何とか言葉を探します。
「もうあたし大丈夫だから」
実際頭は痛いですが、そんなに熱はないと思いますし、し調が悪いくらいです。
「じゃあ、とりあえず熱を計りなさい」
そう言ってお兄ちゃんが溫計を差し出してきます。微熱程度だと思いますが、それを見せたらたぶんお兄ちゃんもあたしを解放してくれるかもしれません。
ピピピ…と音が鳴って溫を計り終えたことがわかります。
溫計の晶畫面を見ると『38.5』という文字。「あーにぃ、溫計が壊れてる」と言いかけた所で溫計を盜られてしまいました。
お兄ちゃんは溫計をじっと見ると一つため息をついて
「どこが大丈夫なんだか」
と、呆れた聲を出します。と、言うことは溫計は壊れていなかったのでしょうか?
今度こそ言うことが無くなってしまい「あー…」とか「えー…」とか意味のない事が口かられます。
そんなとき、スッとスプーンがあたしの前に差し出されました。
「食べられるか?」
お兄ちゃんに言われコクンと頷くとスプーンを口にくわえます。
し塩気のあるお粥。し味覚が鈍くなっているのかする程味しい訳ではありませんが、考えてみれば久しぶりに食べる、お兄ちゃん手作り料理です。
そう思うと何処か嬉しく、味覚が鈍っているのが惜しくじてしまいます。
「ねぇ、あーにぃ……」
お粥を食べさせて貰いながらお兄ちゃんに聲をかけます。
「もう、いいか?」
お兄ちゃんの言葉に首を振って返すと口を開きます。
「レポートの邪魔してごめんね……」
あたしをここまで運んで、炊事洗濯までやったのでしょうから、お兄ちゃんは本來やっていたレポートはできていないでしょう。
急にそれが申し訳なくじられてしまいます。
お兄ちゃんは一度お粥を置くと、空いた手であたしの頭をでます。
「たまにはこういうのもいいさ」
「まぁ、でも、もう無理はするなよ」そう言って、もう一口あたしの前にスプーンを持ってきました。
人間無理すると熱がでます。
あと、割と自分の溫わからないです。
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