《妹と兄、ぷらすあるふぁ》大人

「あーにぃ、ねぇね」

ある日あたしはこんな風に二人に尋ねます。ねぇねには敬語を使わないといけないと思うと、しどうやって話せばいいのかわからないのですが、それならいっそのこと敬語で話してしまえと思い口を開きます。

「二人はいつ自分が大人だなって思いましたか?」

あたしの言葉に二人は意識をあたしの方に向けて、お兄ちゃんは見た目適當に、ねぇねはオーバーアクションで考え始めます。

「また、子供だって馬鹿にされたのか?」

お兄ちゃんが質問の答えとは違うことを聞いてきてあたしは思わず「う……」と言葉を詰まらせてしまいます。

確かにこれを聞いたのは今日もまた友達に小さいからと子ども扱いされたからですが、わざわざそれを聞かなくてもいいと思うのです。でも、聞かれたからには何かしら返さないといけないので仕方なくうなずきます。

「妹ちゃんは小さくてかわいいだけじゃなくて、しっかりしてて素直でかわいいってのに」

あたしが頷くとなぜかし殘念そうな聲で首を振りながらねぇねがそういいます。その言葉が子ども扱いされているような気もするのですが気のせいでしょうか。

「それで、どんな時なんですか?」

話が逸れ始めたと思いもう一度たずねます。

「私は普通の歯磨きを使い始めたときかな」

「歯磨き……」

ねぇねの答えにあたしが思わず言葉を失うとお兄ちゃんが「それじゃあ、今までどうしてたんだよ」と尋ねます。

ねぇねはどこか無邪気に、でも楽しそうに口を開きます。

「使わなかったか、イチゴ味とかメロン味とか使ってたかな」

「それをしてたのは何歳までなんだ?」

「この間。初めて使ったときは涙が出るくらい辛かったんだけど、最近はようやく慣れてきて、これが大人ってやつかな~って」

そういってねぇねがいい笑顔を見せるので、お兄ちゃんが何も反応しなくなってしまいました。

あたしとしても予想外すぎて、反応することができなかったので「あ、あーにぃはどうなの?」とお兄ちゃんに話を振ります。

「俺はそんなこと考えたこともないな」

「うー……」

お兄ちゃんからの答えも全く參考にならず思わず拗ねたように唸ってしまいました。

でも、お兄ちゃんはそんなあたしの頭の上に手を置いて

「まぁ、妹が子供なのは間違いないしな。それに子供のうちに子供らしいことをやっておかないと大人になって後悔するぞ」

「妹ちゃんはそういうことが聞きたいんじゃないと思うんだけどね」

ねぇねがコロコロと笑いながら言った言葉はまさにその通りなのですが、それならばもっと參考になるような話を聞きたかったというのが正直なところでした。

気が付いた時には大人とカテゴライズされていました。

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