《ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―》第89話 発信送信
「それではこちらの案通りに恒星の番號、星か準星か衛星か、星の番號、座標、宛名をご記の上、本文を記してください。基本料金は距離によって変わりますが、本文が四百文字まで固定で二百シスからです。それ以上は共通で百文字ごとに五十シスです」
「分かりました」
「打ち込みはあちらの機械をお使いください。もし分からないことがあったら仰ってくださいね」
「はい、ありがとうございます」
ニジノタビビトは付で貰った打ち込み畫面のスクリーンショットに指示が書き込まれた説明書をじっとみながら踵を返した。
ニジノタビビトとキラは無事、予定通りに第六五二系の第四星シスカルに著陸した。この星で行わなければいけないことは酸素と水の補給、それから食料調達と、ラゴウとケイトにメッセージを送信することだった。
酸素は空気中から宇宙船が自で回収してくれるので問題ない。水に関しては宇宙船著陸許可地で出來る星も多く、幸いにもこの星でもそうだったので問題なし。
そうすると殘りは食料調達とメッセージの送信だが、宇宙船まで荷を持っていくことを考えるのならば、先に発信をしておくべきだという結論にいたるのに時間はかからなかった。
さて、そういうわけで両替をしてこの星の通貨シスを手にれた上で、ニジノタビビトとキラは座標を元に他の星々に発信できるという施設に來たわけである。
「どうぞこちらの椅子もお使いください」
「あっ、すみません。ありがとうございます」
付で説明をけて、機械の前の椅子にニジノタビビトが座ってキラがその後ろで前かがみになってモニターを覗き込んでいた。それに気づいた職員が空いている橫のスペースから椅子を持ってきて渡してくれた。
ニジノタビビトはまず第六二四系第七星と力し、続けてラゴウとケイトに貰った座標と二人の名前を打ち込んだ。
その時點で距離を元にした四百文字までの基本料金が出されたが、最低価格プラス百シスかかるようだった。ニジノタビビトはまあこれくらいかと納得して、予めキラと一緒に考えておいた文章を書いたメモを見ながら本文を打ち込み始めた。
キラは恒星の番號や座標があっているかのチェックぐらいは一緒にできたが、打ち込みはさすがに一人でやるものなので、手持ち無沙汰に後ろから見ているだけになった。
「キラ・ラズハルト、ニジノタビビトっと」
「……なあ、文字數どんくらい?」
「えっ?」
ニジノタビビトが全文を打ち込んで、最後に署名を書き込んだところでキラが聞いた。突飛な質問だったのでニジノタビビトはよく分からずに一度聞き返したがその後すぐに五百八十文字くらいだと言った。
「じゃあさ、ニジノタビビトの後にレインって書かない?」
ニジノタビビトはびっくりした顔をしてそれから口をもにょもにょさせながらキラにその顔を見せないようにモニターの方に向き直してから小さく、うんと言った。
ニジノタビビトは嬉しくて恥ずかしくてちょっとそうな顔をした。
「えっと、第六二四系の、第七星、座標と二人の名前……。キラもチェックして」
全て打ち込み終わったニジノタビビトはもう一度座標と本文の誤字字を確認すると立ち上がってキラと場所を変わった。
キラはニジノタビビトと座る椅子を代して畫面に向き合うと上から順に確認した。
「ん、大丈夫」
「よし、それじゃあ送信っと」
キラが全部確認できたのを合図にニジノタビビトは後ろから手をばしてマウスを作して送信のボタンを押した。すると確認畫面と合計金額が表示されたので、モニター橫の機械の投口にお金をれてもう一度送信ボタンをクリックした。
「できた!」
「よし、一度お晝ご飯にしようか」
送信完了の表示が出たのを確認して、お釣りを取ると二人は席を立って、ランチが食べられるお店を探しに施設を出た。
ここまで読んでいただきありがとうございます! 次回更新は明日を予定しております。
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