《【書籍化・コミカライズ】さないといわれましても~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる》39 わたしもイーサンにならったらできるようになるかもしれません
卵から孵ったカガミニセドリはその時周囲にいる生きの擬態をします。そして上手いことそこにいた生きを食べることができれば、その子は親のところに帰って擬態を解くのです。あの別棟にいた子たちはにんげんのほかに馬や鶏がまざっていました。あの別棟にはほかの生きがいなかったからでしょう。あれはあそこで生まれて育った子たちです。
擬態を解くことももうわからなくなったのかもしれません。
「文を食べた子たちはどうしましたか」
旦那様は私を黙って抱きしめたままでいてくれています。元筆頭補佐は私の頭の上の方、旦那様を見て、ひぃっとをひくつかせながら第四王子へと視線を泳がせました。
「で、殿下っ、あれの言葉を聞いては」
「夫人が質問してるでしょ。僕も答えが聞きたいねぇ」
第四王子はずっと変わりなくらかい笑顔をしていますけど、だからといって優しい顔ではありません。元筆頭補佐たちに対しては最初からそうなのに、あの人たちは鈍いと思います。
助けてしそうな表が、今度は私の方に向けられました。振り返ろうとしましたけど、ぎゅっとされてるので無理です。旦那様のに當たる耳が震えるくらいに低い聲が響きました。これは!旦那様が!お怒りです!
「この領の者はどいつもこいつも図々しいな――聞かれたことにまずは答えろ」
「なっ何も知らぬ若造が!それは本來我々のためのもの!使い方もその「あ"あ"あ"!?」ひっ」
だんっと、元筆頭補佐の鼻先の床に細のナイフが突き立ちました。今どこから!?どこから出ましたか!?旦那様の腕を持ち上げて袖もめくりましたけどわかりませんでした。旦那様は私のつむじに口づけして頬ずりをしてくださいます。これは見なくてもわかります。いつもしてくれるですから。あ、持ち上げられたままの手にナイフが一本置かれました。ロドニーだった!ロドニーからナイフが出てた!
「男爵には俺の妻である子爵夫人の言葉が聞こえないようだ」
今度は床に転がったまま仰け反るすれすれにナイフが突き立ちます。さっと次のナイフがまた手に置かれました。……今ロドニーはどこから。
私も旦那様の手の橫に、手のひらを上にして並べます。ロドニーはちょっと固まった後に、サーモン・ジャーキーを載せてくれました。すごい!イーサンみたいです!言わなくてもしいものがいつの間にか!
「殿下」
「……なんだい」
「こいつらは聞かれたことにすら答えられない無能なようですけど、まだ要りますか」
「あー、そうだねぇ。役には立たないのかなぁ。文たちにも協力していなかったようだしねぇ」
旦那様はナイフの先でこつこつ、つー、こつこつと手すりを突いたりらせたりしています。サーモン・ジャーキーでそれをすると汚れちゃいますからちゃんと食べます。これはちょっと小さめです。寢る前ですし。
ぐるぐる巻きにされているにんげんたちはお互いのをぶつけ合いはじめました。足をばたばたさせてますけど全然後じさりはできていません。カガミニセドリたちだって寄り添いあっていたのに、隨分とへたっぴです。筆頭ではない元補佐の一人が押し出されて前に転がってきました。
「でっ殿下!おおお恐れながら、このっこの領を元、元通りにするには、わ、わたしどもが」
「えー、何それ、まさか僕と取引でもしようとしてる?君らわかってるの?今君らには王家から派遣された文たちの殺人容疑がかかってるんだけど?」
「ご、誤解ですっ」
「ほお?俺たちはこの目で、この屋敷の別棟にカガミニセドリの死が山とあるのを見てきたばかりだが。屆け出ることもなく、魔をわざわざ隠しておくことにどんな誤解があるというんだろうな」
「あ、あれは金瞳だったでしょう!金瞳の魔は」
「使い道があるのです!そう!使い道が!そんな、さ、殺人など」
サーモン・ジャーキーの端っこがしふやけたので齧ります。味しい。
次々とにんげんたちはわめきはじめます。
おびえながら、ふるえながら、ときにののしりながら、うそをまきちらします。
「アビー?」
旦那様がほっぺをつついたので見上げると、にっこりと微笑んでくれました。
「あいつらは全く話にならん。きっちり聞き出して答えはあとで教えてやるから、君は先に部屋で寢ていてくれるか」
ぜんぶ、うそなのはもうわかりましたから、べつにもういいです。
第四王子もうんざりした顔をして、ひらひらと手を振りました。
「使い道だかなんだか知らないけど、君らがいたところでこの領は持ち直せないでしょ。実際、伯爵がいた頃だって落ちるばかりだったんだしね」
「あれこそ無能だったのです!金瞳の使い方もわからん愚です!我らであれば――っあっぐああああっ」
痛い痛いとのたうち回りはじめたにんげんの肩からナイフの柄が生えました。
「いやいや先輩……、ちょっと夫人の前でそれは」
「妻の耳が腐るよりましです」
「旦那様、ほっとくのがいいです」
旦那様の開きかけた口に、サーモン・ジャーキーをれて差し上げます。
ご機嫌の悪い竜が來ますよってお知らせしたほうがいいと思うのですけど、お部屋に戻ってからじゃないといけません。こしょこしょの緒話をしたらいいでしょうか。
「……どうした?」
旦那様が気がついてくださいました!口にはいったサーモン・ジャーキーをひとかじりでちぎって飲み込んだ旦那様はかがんで耳を傾けてくれます。なので、第四王子に聞こえないように緒話です。
「あのにんげんたちはお外に転がしておけば、きっと竜が踏むか連れていくかすると思うので!」
「待て待て待て最初からちゃんと聞くから部屋に戻ろうな」
TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
【イエス百合、ノーしりあす!】 好きな人を守って死んだ男子高校生が、前世と同じ世界でカリスマ溢れる美少女として転生! 前世の記憶と神様からの恩恵を使って、彼女は前世では出來なかったことを送っていきます。 妹や親友たちに囲まれて幸せな日々を送る、ほんわかユルユル女の子たちのハートフルコメディです。 全編、女の子たち(主人公含めて)が楽しく日々を描いております。 男はほとんど登場しません(ここ大事)。 頭を空っぽにしても読める、楽しい百合を目指しています! 前書き後書きは最新話のみ表示しています。 ※現在一話から読みやすいよう修正中、修正後の話には『第〇〇話』と付けております。 ※小説家になろう様・カクヨム様・アルファポリス様にも投稿しています。
8 158學生騎士と戀物語《パンドラボックス》
入學式とゆう大事な日に堂々と居眠りをしたり、授業を真面目に受けないこの物語の主人公 月影亜紀斗(つきかげあきと) ただ力を求めるだけの少女 月野蛍(つきのほたる) 彼のいる世界は自分の持つ固有スキルが強いほど権力があり、弱い者は権力がない。全てが力で決まる世界。 そんな世界で二人が起こす物語とは⁉︎青春ドタバタSFコメディー
8 185名探偵の推理日記〜君が消えれば〜
あいつがここにいると面白くない。よし、じゃあ、あいつを殺そーー。 以上(異常)です。 〜登場人物〜 松本圭介 小林祐希 中島徹(被害者) 巖下修二(テストの順位2位) 有村健太(イケメン順位2位) 坂田奏多(テニス部內順位2位) 佐々木香奈美(噂好き)
8 50Astral Beat
ある梅雨明けの頃、家路を急いでいた少年は、巷を騒がせていた殺人鬼に遭遇し、殺されてしまう。 気が付いた時には、異能力が発現し、しかも、美少女になっていた!? 異能力によって日常が砕かれた彼(彼女)は、異能力による數々の事件に巻き込まれていく。偽りの平和と日常の瓦礫の中で何を見るのか。 そんな、現代風シリアス異能バトルコメディ、ここに爆誕。
8 97現人神の導べ
この物語は、複數の世界を巻き込んだお話である。 第4番世界:勇者と魔王が存在し、人と魔が爭う世界。 第6番世界:現地人が地球と呼ぶ惑星があり、魔法がなく科學が発展した世界。 第10番世界:勇者や魔王はいない、比較的平和なファンタジー世界。 全ては4番世界の勇者召喚から始まった。 6番世界と10番世界、2つの世界から召喚された勇者達。 6番世界の學生達と……10番世界の現人神の女神様。 だが、度重なる勇者召喚の影響で、各世界を隔てる次元の壁が綻び、対消滅の危機が迫っていた。 勇者達が死なない程度に手を貸しながら、裏で頑張る女神様のお話。 ※ この作品の更新は不定期とし、でき次第上げようと思います。 現人神シリーズとして処女作品である前作とセットにしています。
8 129チート過ぎる主人公は自由に生きる
夢見る主人公は突然クラスで異世界へ召喚された。戦爭?そんなの無視無視。俺は自由に生きていくぜ。(途中口調が変わります) 初めてなのでよろしくお願いします。 本編の感想は受け付けてません。 閑話の方の感想が少し欲しいです。 絵は描けません。
8 96