《【電子書籍化】殿下、婚約破棄は分かりましたが、それより來賓の「皇太子」の橫で地味眼鏡のふりをしている本に気づいてくださいっ!》第1話 婚約破棄は突然に
「アイリーン・セラーズ公爵令嬢! 私は、お前との婚約を破棄し、このエリザと婚約する!」
「はいわかりました! すみません退出してよろしいですか!?」
今は婚約破棄どころではないのだ。もっと大変な、災厄の塊のようなものが、來賓席で胡散臭い笑顔をり付けてこちらを見ているのだから。
「な……っお前は! 平民でありながら極めて優秀な績を収めているエリザに嫉妬し! その」
そんなのどうでもいい!
まさかそうぶわけにもいかないけれど、本當にどうでもいい。どうせ噓だろうし、それでもこの國の王太子がそうだといえばまかり通ってしまうのだ。
それより今すぐ黙ってほしい。そして振り返って來賓席の方を見てほしい。
そうしたら、驚いたようにこちらを見ている、今日訪れた帝國の「皇太子」の顔が、どこからどう見ても本の皇太子ではないことに気づくだろうから。
「その醜いから、エリザに散々な嫌がらせを」
そのままつらつらと、私のやった嫌がらせとやらの容を語る殿下。その橫で腕にしがみ付く平民の。
けれどその言葉はほぼ全て通り抜け、視線は遙か後方、「皇太子」の一歩後ろに下がったところにいる、地味なくすんだ合いの髪をして、その顔に不釣り合いな大きさの眼鏡をかけた1人の男に注がれていた。
何やってんですかヴィクター殿下!
その気持ちを込めて睨みつけると、その薄いが楽しげに上がったのが遠目でも分かった。
その視線を誤解したのか、今はもう元婚約者となった王太子殿下の勢いが増す。
「分かったか! したがって私はそなたとの婚約を破棄する!」
「わかりました! 後日両家をえてお話させていただければと存じます! 失禮します!」
ぶように言って、ホールを飛び出した。あの男に、外に出るように目線で促すことも忘れない。
數年ぶりの再會。最初に抱いたは間違いなく、何をやってくれたんだという殺意だった。
DREAM RIDE
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「お前は勇者に相応しくない」 勇者として異世界に召喚された俺は、即行で処刑されることになった。 理由は、俺が「死霊術師/ネクロマンサー」だから…… 冗談じゃない!この能力を使って、誰にも負けない第三勢力を作ってやる!! ==================== 主人公『桜下』は十四歳。突如として異世界に召喚されてしまった、ごく普通の少年だ。いや、”だった”。 彼が目を覚ました時、そこには見知らぬ國、見知らぬ人、見知らぬ大地が広がっていた。 人々は、彼をこう呼んだ。”勇者様”と。 狀況を受け入れられない彼をよそに、人々はにわかに騒ぎ始める。 「こやつは、ネクロマンサーだ!」 次の瞬間、彼の肩書は”勇者”から”罪人”へと書き換わった。 牢獄にぶち込まれ、死を待つだけの存在となった桜下。 何もかもが彼を蚊帳の外に放置したまま、刻一刻と死が迫る。絶望する桜下。 そんな彼に、聲が掛けられる。「このまま死を待つおつもりか?」……だが牢獄には、彼以外は誰もいないはずだった。 そこに立っていたのは、一體の骸骨。かつて桜下と同じように死を遂げた、過去の勇者の成れの果てだった。 「そなたが望むのならば、手を貸そう」 桜下は悩んだ末に、骨だけとなった手を取った。 そして桜下は、決意する。復讐?否。報復?否、否。 勇者として戦いに身を投じる気も、魔王に寢返って人類を殺戮して回る気も、彼には無かった。 若干十四歳の少年には、復讐の蜜の味も、血を見て興奮する性癖も分からないのだ。 故に彼が望むのは、ただ一つ。 「俺はこの世界で、自由に生きてやる!」 ==================== そして彼は出會うことになる。 呪いの森をさ迷い続ける、ゾンビの少女に。 自らの葬儀で涙を流す、幽霊のシスターに。 主なき城を守り続ける、首なし騎士に。 そして彼は知ることになる。 この世界の文化と人々の暮らし、獨自の生態系と環境を。 この世界において、『勇者』がどのような役割を持つのかを。 『勇者』とは何か?そして、『魔王』とはどんな存在なのか?……その、答えを。 これは、十四歳の少年が、誰にも負けない第三勢力を作るまでの物語。 ==================== ※毎週月~土曜日の、0時更新です。 ※時々挿絵がつきます(筆者ツイッターで見ていただく形になります)。 ※アンデッドが登場する都合、死亡などの殘酷な描寫を含みます。ご了承ください。
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