《【完結】「お前の嫉妬に耐えられない」と婚約破棄された令嬢の醫療革命〜宮廷醫療魔師に推薦されて、何故か王國の次期騎士団長様に守られる生活が始まりました〜【書籍化】》36.師匠
私は、を処置室に運ぶ。
そのまま、処置を始めた。
「ふう、何とか急帝王切開は防ぐことができましたね」
おそらく、彼の呼吸困難の原因は妊娠高圧癥だろう。
妊娠高圧癥とは、その名の通り妊娠以前は正常な圧だった人が、妊娠をきっかけに高圧となってしまう病気のことである。
処置を終えた私は処置室から出る。
するとそこに一人のが顔を青ざめて座っていた。
「先生、エリはエリは大丈夫なんでしょうか!!!!」
そう言って、私の元に駆け寄ってくる。
「お母様ですか?」
「はい、エリの母です」
必死の表を浮かべて私に尋ねてくる。
「娘さんは妊娠高圧癥による、呼吸困難を起こしていました。適切な処置をしましたので、もう大丈夫ですよ」
「そうですか。二人とも無事なんですね」
「ええ、母子ともに無事です。早く処置ができたのが不幸中の幸いでした」
「本當に、ありがとうございました!」
母親は私に何度も頭を下げる。
「私は醫師として當然のことをしたに過ぎません。お気になさらず」
近くにいた看護師さんに母親をエリさんの元へ案するように伝えると、私はその場を離れた。
「助けられてよかったな」
病院の屋上、けれを許可した院長は言った。
「院長になられたんですね、師匠は」
「り行きでな。サクラ、お前は本當に変わらんな」
「師匠の教えを守っているだけですよ」
「私は強行突破しろと教えた覚えはないがな」
師匠は自嘲するように笑った。
「彼、経過観察をお願いします。たまには様子を見に來たいとは思いますが」
「分かった。伝えておく。サクラは、今は何をやっているんだ?」
隣に座る師匠は私に尋ねた。
「今は宮廷魔師として王宮に仕えているのと、醫師として活しています」
「そうか。俺の弟子は隨分と出世したようだな」
「師匠も、院長なんですから、出世したじゃないですか」
「なりたくてなったわけじゃないがな」
師匠は苦笑いする。
「じゃあ、私はこれで。また、今度ゆっくりお話しましょう」
そう言うと、私は屋上を後にする。
病院のロビーまで降りると、そこにはライムントさんが待ってくれていた。
「サクラさん、お疲れさまです」
「ありがとうございます。今日は本當にすみませんでした」
私は軽く頭を下げる。
「サクラさんのせいでは無いので、謝らないでください。私は、誰かの為に戦うあなたが好きですから」
「ありがとうございます」
私は微笑んだ。
「あ、あ、好きって言うのは、そう意味じゃなくて、なんていうかこう、人間として尊敬できるというか……」
「分かってますよ。この埋め合わせは必ずしますから」
外はもう暗くなり始めている。
これは、日を改めた方がいいだろう。
「そうですね。今日は帰りましょうか。お送りします」
「はい、ありがとうございます」
私は、ライムントさんと並んで王宮までの道のりを歩き始めた。
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