《【完結】「お前の嫉妬に耐えられない」と婚約破棄された令嬢の醫療革命〜宮廷醫療魔師に推薦されて、何故か王國の次期騎士団長様に守られる生活が始まりました〜【書籍化】》45.バラバラになった原因

「コーム先生とエリカ先生はここで待機してこれから運ばれてくるであろう、患者さんの処置に當たってください」

「分かりました!」

「了解」

私の指示に二人は頷いた。

「ステファさんとローズさんがフォローに付いてください」

「「了解しました」」

「サクラ先生たちはどうされるんですか?」

エリカさんが私に尋ねて來た。

「もちろん、私とジン先生で森にります。ネネさんはサポートをお願いします。行方不明者が見つかり次第そこで処置します」

ジンは元々帝國騎士団の軍醫をしていた。

この手の森なら余裕で付いてこれるだろう。

ネネもジンと同じく帝國騎士団の最前線で醫療行為に參加してきた。

私は適任だと考えていた。

「止めても無駄ですからね」

私は視線をじたライムントさんの方を向いて言った。

「知ってますよ。あなたはそういう人だ。サクラ先生ならそう言うと思ってました」

ライムントは半ば呆れたような表を浮かべて言った。

「私も同行します。絶対に私から離れないでください」

腰に刺した剣に手を掛け、真剣な表にライムントは変わった。

その姿には思わずドキッとさせられてしまう。

「分かりました。頼りにしてますよ」

初等教育生とはいえ、それなりに戦闘技と知識を學んできた冒険者の卵である。

その冒険者の卵がバラバラになってしまうほどの不測の事態なのである。

醫者の力だけではどうにもならないこともあるだろう。

「では、行きましょう。ジン先生たちも準備は大丈夫ですか?」

「問題ありませんいつでも行けます」

私たちはライムントと共に森の中へとっていく。

「ここから、まだ捜索されてないエリアです。遊歩道も整備されていませんので足元気をつけてください」

前を歩くライムントが言った。

「分かりました」

私たちは捜索をしながら進んでいく。

「サクラ先生、ライムントさん、これ見てください!」

その時、ジンが聲を上げた。

「これは……」

ジンが指差した先には足跡のようなものがあった。

「ブラックウルフの足跡ですね」

ライムントがそう斷言した。

「やっぱりそうですか」

「ジン先生、よく気づきましたね」

「軍醫時代にはよく見ていたので」

ブラックウルフ自は小柄で兇暴もそこまで強くはない。

しかし、厄介なのはブラックウルフの牙には神経毒があるのだ。

噛まれたりでもしたら本當に厄介だ。

「見えてきましたね」

私は呟いた。

「おそらく、このブラックウルフから逃れるためにバラバラになったんでしょう。ブラックウルフの神経毒にやられているなら治療を急がなくてはいけません」

神経毒にやられると20分から3時間以に手や足の痺れ、頭痛腹痛、歩行困難という様々な癥狀に襲われる。

さらにひどくなると、呼吸困難に陥り死の危険があるものだ。

「それにしてもサクラ先生はどんな癥狀にも詳しいですね」

ライムントが心した様子で口にした。

「このくらい大したことではありませんし、これくらいじゃないと特醫救命の室長は務まりません」

「そうですね」

そこからしばらく歩いた時、し開けた場所に出た。

そこには今回行方不明になったと思われる生徒が複數人倒れていた。

私たちはその生徒たちに駆け寄った。

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