私の見立ては凍死だった。

この所見はまず間違いない。

「ここを見てください」

「これは……」

「センター長もお分かりでしょう。一酸化炭素中毒ではまずこうはなりません」

「しかし、狀況的には間違いなく……」

だれだって、あの狀況を見れば凍死なんて疑わないだろう。

「狀況は一酸化炭素中毒の自殺に見せかけたかったんでしょうね」

「ではこのごは……」

「他殺です」

私はセンター長の前で斷言した。

解剖を終えると、私はごを綺麗に合する。

ごを綺麗にご族に返すのも、解剖醫の務めであると私は思う。

解剖室を出ると、私は室の一酸化炭素濃度の計算をする。

「やっぱり、おかしい……」

その結果からもおかしな點は出てきた。

それを私はセンター長に報告をする。

「一酸化炭素濃度の計算が終わりました」

「今度は何がわかったんですか？」

「あの部屋は一度、開けられています」

「は？」

「私、計算してみたんです」

部屋の広さ、練炭を炊いていた時間。

それを計算した結果、あの広さの部屋ではもっと高濃度な一酸化炭素濃度になるはずだ。

部屋を完全に閉していたのならなおさらである。

「この一酸化炭素濃度は低すぎるんです」

そこから考えられる可能は一つ。

誰かが、一度あの部屋を開けたということだ。

一酸化炭素濃度は通常、ってすぐに測られる。

つまり、測った時に下がったのではなく、最初から低かったのである。

これらの狀況を全て総合して考えた結果。

「このごは他殺です。間違いありません。これ、鑑定書です」

私は作した鑑定書をセンター長の前には置いた。

「こんなに早く鑑定書を作ってしまうとは。ぜひ、うちにしいですね。今回だけなのが悔やまれる」

センター長は先ほどからの態度を一変していた。

「あなたのような優秀な醫師を持っている王立病院が羨ましいですね」

「また、必要になったら呼んでください。院長に言ってもらえたら、私の耳にはるので」

「わかりました。また、機會があればお願いします」

「はい、では、あとはよろしくお願いします」

醫師として介できるのはここまでだ。

ここからは捜査機関の仕事である。

これだけ、他殺という証拠を出したのだから、きちんといてくれるだろう。

「あ、最後に。犯人は凍死のを一酸化炭素中毒に偽裝しています。これは、凍死のの特徴が一酸化炭素中毒のと酷似するという知識がある者です。醫療関係者かもしれませんね」

凍死と一酸化炭素中毒のが酷似することなど、一般的に知られていることではない。

なからず、醫療知識がある者の犯行であることが予想される。

「わかりました。私の方から伝えておきます」

「ありがとうございます。では、また何かあれば」

そう言って、私は死因究明センターを後にした。

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執筆の勵みになりますので、何卒！