《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》5:道中
木々の隙間からこぼれるが俺の瞼に直撃した。
「眩しっ」
そして俺は前に向かって手をばした。
ふよん
ん?なんだこれ。
むにむに
なんだこのらかいものは。このとき俺はうすうす気づいていた。そして
「あっ、んっ……」
ティナの艶めかしい聲を聞き、一気に意識が覚醒した。
そーっと目を開けるとそこには案の定ティナがいた。
背中にいたはずのティナがなぜか目の前に。
俺の手を見るとティナのかなそれをしっかりんでいた。
「んーあっユウ様おはようご……」
きっと何かの刺激で目を覚ましただろうティナは固まった。
目の前に俺の顔があったのにも驚いたのだろう。だがそれ以上に俺の手が置かれている場所に驚いているのだろう。
そして、狀況を確認したティナは顔を真っ赤にして俺にこういった。
「いっいつまでっているおつもりで?」
俺はその言葉を聞きすぐに手をどかし謝った。
「ご、ごめん」
ティナはよっぽど恥ずかしかったのか、すぐに起き上がり荷の整理を始めた。
《ますたーはえっちですね》
(うるさい!)
俺はエルに冷やかされながらも町へ向かう準備をした。
「さて、じゃあとりあえず町に向かうってことでいいか?」
「はい、それでいいと思います。私もあいさつしなければいけないところがありますし」
朝の出來事のせいか、若干まだティナの顔は赤いが気にしない。
そして俺は疑問を口にした。
「あいさつ?」
「はい、もともと私はオルディナの町にて伯爵のもとにお世話になる予定だったのです。なので今の狀況を説明しにいかなければならないので」
まぁ理由もなく盜賊の出る道なんか通らないか。
「わかったよ、ちなみにオルディナの町まではどのくらいかかるの?」
「今からですと、もう結構近いので歩いても夜には著けるかと」
(エル、俺がティナを擔いで走った場合、オルディナの町にはどのくらいで著きそう?)
《ますたーが走って向かった場合、晝過ぎには著けます》
(じゃあそうしようかな)
《マスターの速さはこの世界では異質なので、人に見られるのはし危険だと思います。ですので人目には注意してください》
(ん、りょーかい)
「どうかしたのですか?」
エルとの會話が聞こえていないティナが聲をかけてくる。
「いやちょっと考え事をね?」
訳も分からず、首をかしげているティナ。
「ティナ、今ある荷を抱えてくれる?」
「え?あっはい、持ちはないので大丈夫ですが」
そう言って鞄などを集めだす。
集めた荷を両手に抱える。俺に荷はないから全部ティナのものだ。
「これで全部だと思います」
「じゃあちょっとこっちに來てくれる?」
俺が手招きするとすぐにティナがよってきてくれた。俺はティナの橫に陣取ると、聲をかけた。
「今から急いで町に向かうんだけど、怖がらないでね?」
意味をよく分かっていないティナはまた、首をかしげる。そんな様子をお構いなしに俺はティナをお姫様抱っこした。
「えっえ?あ、あの」
狀況を理解できていないティナをよそに森から歩いて道に出る。
「町ってどっちだっけ?」
「えっとあっちです」
ティナはお姫様抱っこの狀態から右手を町のある方向へと指さした。
(じゃあエル、周りの警戒をお願い)
《了解です。ますたー》
俺は町の方へ向き走り始める。
「危ないからつかまっててね」
俺は徐々にスピードを上げていく。ティナを助けにるときよりかは遅いがそれでも十分早かった。
ティナはというとあまりの速さに驚いているのか、俺の首に腕を回ししっかりくっついている。
ティナのいろいろな部分が當たってやわらかいなんて思っていると……
《ますたー、周りに魔の気配、數4です》
とっさに地面を思いっきり踏み込み、急ブレーキをかける。
「ど、どうしたのです?」
急に止まったことに驚いたのか慌てているティナを地面へと降ろす。
「ちょっと待っててね」
ティナに手を向け靜止させる。
俺はそっと右手を刀の柄へ添える。すこし腰を落とし目をつむる。
すると、目の前の草が揺れ、2匹の魔が出てきた。それは狼型の魔だった。
鋭い爪をこちらに向け、飛びかかってきた。だがしかし狼型の魔はいつの間にか2匹とも真っ二つに両斷され地面に橫たわっていた。
俺の手には抜刀した刀、その刀は黒く紅いが付著していた。俺が行ったのは、盜賊戦でも使った居合切りだ。鞘に納めてある刀を高速で抜刀、その軌道上にあるものを斬る技だ。
確か4匹って言っててよな、エルの言葉を思い出し、抜刀した刀を構える。すると頭の中にエルの聲が聞こえた。
《ますたー、殘り2匹の魔の気配は遠ざかっていきます》
とりあえず、危険はなくなったみたいだ。俺は抜刀した刀を、を振り落としてから鞘へと収める。
昨日の夜ティナから話を聞き、魔を倒したあとは討伐部位と魔石を剝いでギルドに持っていくことでお金になることを知った。俺は魔の死がある場所へと向かい、討伐した証の耳と魔石を2個回収した。もちろん、そこまでの大きさはなかった。
今の一連の行を見たティナは、驚いた表をしていたが、すぐに我に返った。
「さ、さすがです」
と言い、笑顔を向けてくれた。
「それじゃあ、行こうか」
俺はし照れながらティナへと近づき、回収した魔石をティナに預け、そしてティナをまたお姫様抱っこした。すると、今度は最初からしっかりと腕を首へとばしつかまってきた。
ティナに視線を向けると、ちょっと顔が赤くなっていた。俺がティナを見ているのに気が付くと、より一層、顔を赤くしそっぽを向いた。それでも腕にはしっかり力が込められていた。
俺はまた町へ向かい走り出した。
俺たちがオルディナの町に著いたのは、本當に晝過ぎぐらいだった。
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