《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》14:初めての魔法とイライラ
「わかったよ、それで登録しておくよ」
俺の話を聞き終わったギルマスは、誰かを呼ぶように手招きをする。
するとさっきの付嬢が後ろから現れた。そして俺たちに3枚のカードを渡してくる1枚はティナ、後の2枚は俺に渡される。
「それに一滴を垂らしてください」
左の親指を口で噛み傷をつける。そこから出てくるを2枚のカードに垂らした。ティナも俺に見習って指を切り、を垂らす。するとカードに文字が浮かび上がってきた。
『ユウ・ツキカゲ
別 :男
種族 :人種
ランク:F
屬 :闇
PT :UNKNOWN』
と簡潔に書かれていた。こっちがギルドカードみたいだ。もう一つの方にもを垂らす。するとこちらにも文字が浮かび上がる。
『UNKNOWN
ランク:F
所屬:ユウ・ツキカゲ ◎
ティナ・アカーシャ』
こちらも簡潔に書かれていた。俺が確認すると2枚とも消えていった。ステータスカードと同じように突然目の前から消えたのだ。
「2枚とも消えたが?」
「あとは頭の中でギルドカード、パーティでそれぞれ思い浮かべたら対応したものが出てくるはずだよ」
言われたとおりに頭の中にカードを思い浮かべる。するとカードが俺の右手の上に出てくる。
「消したかったらカードを握ればいいよ」
握ってみる。紙をくしゃくしゃにまとめるように、ぎゅっと。すると手のひらからカードは消えていた。
俺の確認が終わると、ティナの方はもう終わっていた。そして俺の腕を摑むと、こっちに來いと言わんばかりに引っ張ってくる。
「指を見せてください。すぐ直しますから」
「いやこれぐらい」
「み・せ・て・く・だ・さ・い!」
そう言ってもティナはまっすぐ俺を見る。これはどうやら折れなさそうだ。これぐらいの傷はどうってことないんだがな。素直に俺の方が折れることにしよう。
「わかったよ」
そう言って左手をティナへ差し出す。差し出した手を自分の方へと引き寄せるティナ、それは勿論俺自を引き寄せるのと同義なわけで、自然とが著してしまう。そんなことは気にしていないかのようにティナは詠唱を始めた。
『よ癒せ。ヒール』
詠唱が終わり、俺の左手が暖かいに包まれる。がなくなり、左手を見るとさっきまであった傷は殘っていなかった。
その一部始終を見ていたギルマスから、回復し終わったのを見て、笑いながら聲をかけられる。
「君たちは仲がいいね、人同士なのかい?」
「いや、違うな。なんていったって俺とティナが知り合ったのは2日前だぞ?」
「それにしてはずいぶんと仲がいいと思うけど、もしかして……」
いきなりギルマスは口ごもる。ティナはというと、ギルマスから人という単語を聞いてから再起不能狀態になっていた。
こいつらは、なんなんだ。
しばらくするとニヤニヤしながら、こんなことを言ってくるのだ。
「これは僕から言うべきことではなさそうだね。まぁ二人への要件はこれで終わりだよ」
この世界の男どもは、人のことを見てニヤニヤするのが好きなのか?やめてくれ、イライラする。俺の方ももう、ようはない。
「わかった」
そういってソファーから立ち上がり部屋を出ようとする。ティナも俺のあとに続く。
「僕の名前はヘイル。ヘイル・バーナーだ。君たちはこれから活躍しそうだ。何かあったら僕を頼ると言い、できる限りのことはしてあげるよ。これからよろしく」
「ああ、何かあったら頼む」
手短く返答し、応接部屋を出て行った。
部屋を出て向かった先はさっきの付だ。今日の目標は簡単なクエストをけることだ。とりあえず、明日のための肩慣らしだ。
俺は、クエストをけるために付嬢に話しかける。
「俺のランクでけれるクエストはあるか?。出來れば討伐系のクエストがいい」
そう言ってギルドカードをテーブルの上に置く。
「Fランクですね。けれるのはEランクまでのクエストで、今けれるのでおすすめはゴブリン討伐などはどうでしょう?」
「わかった。じゃあそれで頼む」
俺がクエストを決めると付嬢が詳しく説明をしてくれる。
「この町を出て森の方に生息しているゴブリンの討伐です。數は5、まぁ、ないとは思いますが10倒した場合はこのクエスト2回分の報酬になります。ちなみにこのクエストの報酬は大銅貨5枚です」
何かを作すると、俺にカードを返す。
返ってきたカードには、パーティの下にクエストの項目が追加されていた。
「クエスト:ゴブリンの討伐0/5」
倒せば換算されていくらしい。パーティの方のカードにもクエストの項目が追加されていた。もちろんティナの方のカードにもだ。
「まだり立てのようですし、とりあえず死なないようにだけ気を付けてください。モンスターの報はギルドの本棚に並べてありますのでご覧ください」
《ますたー、モンスターのある程度の報は私が解析しますので大丈夫です》
(わかったよ。助かる)
付を終えギルドを出ようとする。俺のあとにはティナがついてきている。周りが俺に視線を集める。やはり、黒髪というのは、この世界では人の目を引くようだ。
「おいおい、あいつらなりたてのくせにゴブリン討伐に行くらしいぞ」
「どうせ、強がってんだろ」
「おっあの可いじゃん」
「ねぇねぇ、君俺らとパーティ組まない?」
何やらめんどくさい4人の男たちが絡んできた。どうやらティナがほしいらしい。そいつらはティナに聲をかけるが、
「いえ、私はユウ様と組んでいるので、ご遠慮します」
「様付とかお前何様だ? いいからこいよ!」
そう言ってティナの手をつかもうとするが、そんな簡単に下賤な男をティナにれさせるわけがない、俺がティナと男の間に割ってる。俺が割り込むと、
「これは俺のだ。その下賤な手でティナにろうとするな」
そういうとリーダーっぽいのが前に出てくる。どうやら俺の発言が気に食わないらしい。
當人のティナはというと、後ろのほうが赤くなってるが無視だ無視。
「なめてんじゃねーぞ鬼が。俺がだれかわかってんのか」
「誰?」
素で聞いてあげた。この町に來たばっかりなのに知るわけがない。
だが男の顔は真っ赤に染まっていき。怒りが表に出る。
「俺はCランクのガイルだぞ! おい、鬼表出ろや」
俺に、そう言って先にギルドから出ていく4人組。周りはこの狀況に唖然としている。
「なんなんだ、あいつらは」
俺がそうため息じりつぶやくと野次馬から報があった。
「あいつらはここら辺で粋がってるやつらさ、だが強さは本。伊達にCランクじゃないってことさ、あんたも悪いことはいわないから謝っときな」
嫌だよ、なんであんなのに謝らなきゃいけない。俺がどれだけけるか、試したかったし丁度いいかな。
俺も男のあとに続き外に出る。ギルドの前は結構スペースもあり十分けそうだ。
俺が4人の男と対峙するといううわさが広まり、周りからも人がちらほら集まってきていた。
「はっ出てきたな俺様が直々に相手してやるよ」
「あーそういうのいいから4人で來なよ」
こんなのと一人一回。計四回とかめんどくさい。それなら一気に相手をした方が楽だ。生憎と。この世界に來てから、力が有り余ってる。ストレス発散にもなるしな。
俺の対応に4人ともキレたのか全員が武を取り出す。
斧に、剣と盾、杖に弓バランスは良さそうな構だった。
「お前を殺ってから、俺らがそこのもらっていってやるよ」
そう言いながら4人は汚い笑い聲をあげる。俺は、今イライラしている。あのニヤニヤしている奴らに思ったイライラとは違う。俺は敵意を見せるに容赦はしない。
(エル。サポートまかせた)
《了解です。ますたー》
いろいろスキル試したかったし、あいつらには実験臺になってもらおう。
ベルトに下げているムラクモの柄に手をかける。靜かにムラクモを抜刀する。抜刀されたムラクモは太のを反して黒い刀を輝かせた。
「なんだお前のところの剣は黒く塗るのが流行ってんのか?」
笑っている。俺のムラクモを笑った。俺はそんな奴らが許せない。ティナに手を出そうとした奴をぼこぼこにする。俺は、そう決めた。
「託はいいから來いよ」
そういうと剣を持った男が突進してきた。その突進に合わせて後ろの奴から矢も飛んでくる。
矢はまっすぐ俺のところへ、よけると周りが危ないのでムラクモでたたき切る。
ムラクモを逆手に持ち替え、刀の柄で剣を持った男の腹を抉るように突いた。
最初から殺したりする気はない。殺すと後々厄介だ。気絶程度で終わらせるつもりだ。
くそみたいなやつらだが、こいつらはまだ、盜賊みたいなやつら以外の人を殺していないだろうからな。
男たちは、今の狀況に納得できないのかしっかりそれぞれの武を構えなおした。弓の奴は次を打とうと矢を取り出す。
『焼き盡くせ。ファイアボール』
だが、次に俺に飛んできたのは矢ではなく火の玉だった。
サッカーボールぐらいのサイズの火の玉が俺めがけて一直線に飛んでくる。
こんな街中で平然と魔法を放つか、けが人が出たらどうするつもりだ。
《避けると後ろの人にあたります。斬ることを進めます》
(ちょっと待て、あれ、魔法って斬れるの?)
《魔法には大、核が存在しています。それを切れば魔法はれ、その狀態を維持できなくなります。ただしこれは飛んでくるものや小規模のものに限ります。その火の玉は切っても、発などはしないので大丈夫です》
(わかったやってみる)
まぁ、は試しだよな
まっすぐ飛んでくる火の玉に対し、俺は一度刀を鞘へしまう。深く腰を落として刀の柄に手をかける。
そしてまっすぐ飛んでくる火の玉の中心を居合で切る。火の玉は形狀を維持できず霧散し、火は俺のもとへ屆くことはなかった。
(魔法の使い方を教えてくれ)
《今使えるのは闇ですね。一番簡単なのはさっきと同じボールをイメージして闇を形するのです》
火を居合で切り裂いた後、エルに魔法に関することを聞き、目標を定めまっすぐ走る。まずは後衛の奴らからだ。
パクリでも何でもいいとりあえず魔法を使ってみたかった。
『闇に染まれ、ダークボール』
左手で闇の玉を生。弓を狙って投げる。あまり魔力というものを込めなかったせいか、闇の玉はそこまで大きくもなく野球ボールぐらいのサイズだった。それでも弓は折れ使いにならない狀況になっていた。
《ますたーは魔力制が得意のようですね》
そうなのか?イメージしやすい形を知っていたからだろうか。
イメージは魔法の源だそうだ。イメージと魔力があればいろいろなことができるらしい。ただいつもどちらかがかけてしまうようだ。
そして一気に俺に近づき、斧を振りかぶっているガイル、振り下ろされる斧をを橫にずらすだけで回避、今はガイルを無視して魔法使いのもとへ、剣の奴と同様、柄を腹にめり込ませると、魔法使いは意識を失った。
弓の奴は今の狀況を理解し、ガイルを見捨て逃亡。盜賊みたいに追いかけて殺す必要はないから無視だ。むしろ変な手間がかからなくて助かる。
勿論最後に殘ったのは、ガイル。いや殘しておいたが正しい。主犯はあいつだ、ただの気絶じゃ許さない。
(エル、スキルの妖はどうすれば使える?)
《基本魔法と一緒ですが、主に幻を見せたりする方法が多いです》
妖かイメージ、イメージ。
俺はイメージを定著させると刀を構え一気にガイルに向かい走り出す。
『蝶は火を纏い舞え!火蝶』
スキルや魔法を発させるための詠唱を行い、最後のキーワードを発する。ガイルのすぐそばに一匹の蝶が生まれる。そのあとに続くかのように數匹の蝶がガイルのあたりを舞った。ガイルはいまの狀況がわからず困する。そして一匹の蝶が斧を持ってる手にれるとその蝶は燃えた。
《スキル:火屬魔法を取得》
エルの聲が頭に響く、なぜかこのタイミングで、魔法を習得したらしい。
手が燃え、驚き斧を落とすガイル。1匹の蝶が燃えるとそのあとに続くように3匹の蝶がガイルに迫る。
それらを避けようとしたガイルにサッと近づき、ガイルが間合いにった瞬間、俺刀の柄にれた。
俺が行ったのはただそれだけだ。だが、ガイルは膝をつき口から泡を吹いている。きっと、本當に切られると、錯覚・・したのだろう。俺はそのちょうど良い高さにある頭を回し蹴りで吹っ飛ばした。
俺の圧勝だった。
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