《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》35:フロンの事

いつの間にか全員いつもの定位置についていた。俺はベットの上、ティナは椅子に、ムラクモは俺の隣、ノワールは俺の頭の上。そしてフロンは俺の前に正座していた。

そして話す容は、もちろん吸種についてだ。なぜ絶滅したのか。。なぜ絶滅したはずの種族の元姫が隠蔽まで施して奴隷狀態でいるのか。そしてフロンはこれから、どうしたいか。俺が聴きたいのはこの4點だ。

「じゃあ、教えてもらえるか?」

俺は座っているフロンにそう言った。この姿はまるで、俺が叱っているように見える。4歳も差があるのだ。

「はい、それでは僭越ながら、話させていただきます」

妙に畏まった言い方から始まった。まずは吸種の絶滅した理由だ。

フロンが話した容を軽くまとめよう。

鬼は魔族に分類される種族だ。元々魔族は魔王に付き従う種族だった。だがある時を境に二つの派閥に分かれた。一つは魔王派。魔王に従い続けると決めた者たちだ。二つは溫厚派。魔族以外とも仲良くしていきたいと決めた者たちだ。

その中で吸鬼は、溫厚派に屬していた。これは、吸種の王族が決めたことだった。王族が決めたことだけあって、従う者が多かった。そして、王は吸種の中で一つ法を定めた。【多種族のを無斷で吸わないこと】當然、多種族と流を持とうと決めたのだから、殺傷の類も正當防衛以外は無しだ。

鬼にはは必要不可欠だ。溫厚派へ加わった吸種を気にらなかったのか、魔王派のものは、あらゆる手段を使って、吸鬼にが渡らないようにしていた。近くの多種族を殺したり、といった類のものだ。

鬼が求めるは、同族以外のものだ。同族とは魔族であり、同族のを取り込んでもしの延命にしかならない。が足りなくなっていくと、吸種は弱化していく。

魔王派の仕業で、善意でを分けてくれていた種族は死に絶え、ほかの場所に行くにも全員分のを回収するのは不可能に近い。しかもれてくれるかもわからないのだ。そしてそんな中、魔王は王族の姫つまり、フロンを求めた。フロンを引き渡すことを條件に、多種族のを分けようと。

だが王はそれを拒否した。それには他の吸鬼も同意した。こんな仕打ちをけ、言うとおりにしてたまるかと。

王とその民の願いでフロンは他の魔族を、欺くため、隠蔽のスキルと変化のスキルを併用し、人種へと姿を変え、國を出ることを余儀なくされた。そして數日後、魔王の意志に背いた國として、過激派の襲撃に合い、吸種は元姫のフロンを除いて、全滅した。

そして獨りで國を出たフロンが、そのまま生きていけるわけもなく、吸も出來ず弱っているところを、奴隷商につかまった。

というのが奴隷になった経緯だそうだ。ということは、吸鬼が全滅したのはつい最近ってことだ。

「そうか、辛かったな」

俺はそっとフロンの頭をでた。

いつもならほかのの子にこういうことをすれば、不機嫌になるムラクモとティナだが、さっき話を聞いて、流石に同しているようで何も言ってこない。

「俺はお前を買った。だがさっきも言った通り、俺はフロンを奴隷として扱うつもりはない。ティナたち同様一人の人として扱う。種族も関係ない。そして俺は仲間のしたいことは極力手伝うつもりだ。それらを踏まえてだ。フロンはどうしたい?」

俺はフロンの気持ちを知るために、そして決意を知るためにそう聞いた。

もちろん、どうしたいかとはその魔王派に復讐したいかとかそういうことだ。今の俺には無理だが、極力になるつもりだ。

フロンは俺の問いに答えるために決意を込めて口を開いた。

「確かに、あいつらは憎いです。復讐もしたいです。ですがそれはいまではありません。ですから、今は力をつけるために修行がしたいです。たぶん、魔王は私があの中にいなかったことに気が付いています。私のことを知れば、魔王派が襲ってきます。それでもご主人様は私を傍においてくださいますか?」

そこにはしっかりとフロンの決意が込められていた。迷になるなら私を手放してくれと、そう言っているのだ。だが俺は一度決めたことは曲げない。仲間になった以上、できる限りのことはする。それが俺の思いだ。だから俺は即答した。「いいぞ」と。

フロンは即答した俺を見ると「ありがとうございます」そう言って頭を下げた。

そして俺は見逃さなかった。頭を下げる前、フロンの目に涙がたまっていることを。

俺は「強くなりたい」そういったフロンの決意にこたえるために盡力しよう。

だから俺は黙示録を使う。まぁ、使うことは前から決めいていたけどな。

「じゃあ、今からコピペ作業と行きますか」

俺の言葉に首をかしげる一同を無視して、俺は準備を進めた。

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