《TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―》さよなら湖月ちゃんの……

ある日の公園で、私は地面に膝を著いていた。

別に誰かに決闘で負けたわけでもないし、我らが天使たちに嫌われたとかでもない。

このダメージを喰らわせたのは私の前に立っている、関西弁の湖月ちゃんである。

が待ち合わせ場所の公園に來たときに発した言葉がこれである。

「えへへ。髪切ったんやけど、どない?」

「なっ……!?」

「わぁ、湖月ちゃんはショートでも可いんだね!」

褒めるちゃんに照れる湖月ちゃん。

大変眼福な景ですが、今の私はそれどころではなくなっていた。

何故なら。

「せ、セミロングぅぅぅ……」

「ちょ!? なんで千佳ちゃん泣いとるん!?」

「千佳ちゃん!? 何かあったの?」

「湖月ちゃんがぁ」

「湖月ちゃん! 千佳ちゃんに何したの!?」

「え、うちなん!?」

それからややあって、ショックから立ち直った私と二人は公園のベンチに座って休憩中。

そして私は泣いた原因を二人へ伝えるのだった。

「ごめんね、湖月ちゃんの髪型好きだったからさ」

「ほんまか~それやったら切らん方がよかったかな~?」

「ううん、ショートの湖月ちゃんも可いよ」

「やたっ! 千佳ちゃんに褒められるのは格別やでっ!」

「あいもちょっと切ってもらおうかなぁ?」

「駄目!」

「そ、即答やなぁ」

ちゃんの髪は私が守る!」

「あい自も、守ってしいなぁ……」

髪を褒めてもらって嬉しいのか、湖月ちゃんは座っていたベンチから立ってその場で回りだす。

あぁ、以前はこうやって湖月ちゃんがはしゃぐと長い髪が泳ぐように舞っていたのに……。

いや駄目だ、私の我がままで湖月ちゃんを困らせてはいけない!

「これからはばじてくだじゃいお願いじまず!!」

「お、おお、そんなに言うんやったらばすで? 特に拘り無いし」

「あいは? あいもばした方がいい?」

「ううん、ちゃんは今の髪型が可くてピッタリだから! このままで! このままでいてくださいお願いしますッ!!」

「か、可い? てへへ、嬉しいなぁ……」

湖月ちゃんのイメチェン事件、私の涙を持って閉幕。

周りで遊んでいた子供たちは私たち、いや私の姿を見て遠くへと離れていったのであった……。

そうして一段落ついた後、私は自分のやるべきことを思い出した。

「あ、そうだ二人とも。明日の休日は予定ある?」

「なんかあるん?」

「明日はお母さんとメグちゃん、あと花ちゃんと花ちゃんママはお買いに行ってるんだ。だからお父さんと映畫を観に行くんだけど、お友達を呼んでもいいよって言われてるの」

「ごめんね、あいは家族でお出掛けだから行けないよ……」

「いや、いいよいいよ。ちゃんにも予定があるからね!」

「せやったらうち行ってもええか? 明日はママ仕事やねん」

「勿論! 湖月ちゃんママの仕事は朝からかな?」

「うん。朝の十時から夕方までやねん」

「そっか。それじゃあお晝前に私の家に來て、お晝食べてから観に行こっか?」

「わかったで!」

お父さんの懐が寂しくなるけどお仕事で忙しい湖月ちゃんママと、お仕事の邪魔をしないようにと寂しさを考えれば安いものだよね!

――そうして次の日、湖月ちゃんが家へとやってきた。

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