《TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―》湖月ちゃんとレッツダンス!
家から車で三十分。この街で一番大きなショッピングモールへとやってきました。
メンバーは私とお父さん、そして湖月ちゃんの三人で、お晝ご飯のときから湖月ちゃんのテンションは高く、それだけ楽しみにしててくれたんだなと親友として嬉しく思います。
「相変わらずでかいな~」
「服屋さんから映畫館、それにスポーツジムまでってるからね。それじゃあ何を観るか決めに行こう」
「せやな! 楽しみや~」
ショッピングモールのエレベーターで六階へ、ガラス張りのエレベーターの中で湖月ちゃんと私たちの學校やいつも遊んでいる公園を探しては指をさす。
そうして遊んでいると直ぐに到著し、扉が開くと同時にまるで遊園地に來たかのような気分へと陥る。
甘いポップコーンの匂いや、設置された大きなモニターから流れる映畫の予告、そして薄暗く設定された照明と黒を基調とした壁や床が特別を醸し出している。
早速本日上映のスケジュールを眺めて、三人で何を観るか相談する。
お父さんは私と湖月ちゃんの見たいものでいいと言ってくれたので、まず私は湖月ちゃんの意見を聞くことにした。
「湖月ちゃんはどれが見たい?」
「うーん、これとかええんちゃう?」
湖月ちゃんが指さしたのは今話題のラブロマンス映畫。
いや、これはちょっと子供には早いんじゃないかな。
お母さんが仕事で留守が多い湖月ちゃんはテレビをよく観るらしいから、もしかするとこういうドラマも観ているのかもしれない。
「あ、こっちもええな~」
次に指さしたのは海外で収録されたゾンビ映畫。
待って湖月ちゃん、ホラーいける口だったの?
ちゃんは絶対いけない口だとは思ってるけど、まさか湖月ちゃんがいける口だったとは。
私はって?
……いやいやいける口だよ?
いや、いけるけど別に見ないだけだし!
こ、怖くないもん!
「いやー、あの、湖月ちゃん、……ほら! ここに十五歳未満は観れませんって書いてあるよ! 別のにしようよ!」
「そっか~、ほなこれや!」
「よくやってるヒーロー映畫だね、うん! これにしよう」
「決まりや~」
「えっと、次の上映時間は三時十分か。まだ一時間くらいあるから、何か見に行こうよ」
「せやな!」
そうしてチケットを発行した後、ショッピングモールを見て回りますが小學生で楽しめるお店はそう多くはありません。
なのでお父さんの懐が更に寂しくなってしまいますが、ショッピングモールの中にっているゲームセンターへとやってきました。
「何がやりたい?」
「おっ! なんかダンスできるゲームやって! 一緒にやろ千佳ちゃん!」
「うん、じゃあお父さんは見ててね!」
既にスマートフォンでカメラを起しているお父さんに二人で手を振って、二百円を筐にれる。
手をかざして作するらしく、二人プレイを選択するとチュートリアルが始まりました。
「何々、畫面のキャラクターに合わせてポーズを取ってください?」
「こんなじやな! ほっと! よっと!」
「おお、湖月ちゃん上手いね! アイドルみたい!」
「ふっふっ、せやろ~? ほら! 千佳ちゃんも一緒に!」
「うん、よっと、せい、おりゃ!」
「千佳ちゃん、なんや拳法みたいになっとるで?」
「そ、そんな馬鹿な」
「千佳ちゃんでも苦手なことあるんやな~! 新発見や!」
「ぐぬぬ。あ、チュートリアルも終わったし曲選択だよ」
「何かやりたい曲あるか~?」
「うーんそれじゃあ魔法ティアラのオープニングとかどうかな?」
「ええな! よし、じゃあいくでー!」
「おー!」
以前花ちゃんがステッキを買ってもらっていたあのアニメだけど、現在は二年目で魔法ティアラとサルシャという題名になっている。
まだ新作の方は曲がっていなかったので、無印のオープニングを選択したのだ。
難易度はイージーなので、ポーズの數も多くないようで私も何とかついていく。
「ほいっ!」
「やっ!」
「ええじやろ~!」
「よっと! そうだね!」
しかし意外にも難しく私は所々ミスを出してしまうのに、湖月ちゃんは持ち前のセンスでパーフェクトなタイミングで功させていき、コンボを増やしていく。
いつの間にか私と湖月ちゃんは競い合うように二曲目、三曲目と続けていく。
「む! ちょっと難しいな!」
「うわっ、ミスっちゃった」
「まだまだやな千佳ちゃん! ダンスやったら負けへんで!」
「うぐ、まだまだ!」
全ての曲が終わって績発表、スコアは湖月ちゃんが大幅に勝っていた。
どうやら私、ダンスが苦手らしい。
変ポーズは上手いんだけどなぁ……。
ゲームを終えてお父さんに時計を確認してもらうと丁度いい時間になっていた。
「よし、それじゃ映畫館に戻ろっか」
「せやな! メインディッシュや! って何か腹減ってきたなぁ」
「お父さんお願い! 不思議とお腹が空いたからポップコーンを!」
ごめんよ、お父さん。
いつか親孝行で返すよ。
そうして私たちはドリンクとポップコーンだけで二枚の札が飛んでいったあと、チケットに書いてあるシアターへと向かうのでした。
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