《TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―》莉里ちゃんと空腹とテレパシー
無口というものは、限りなく報を削りきった狀態なのではないか。
相手に伝える言葉から不必要なものを抜き、最もエコな言語方式なのではないか。
つまり何が言いたいかと言うと、気の合う仲間ならば言葉を発しなくともコミュニケーションが出來るんじゃないだろうか!
「……」
「……」
非常に分かりにくいですが上から順に私、莉里ちゃんです。
現在は學校から歩いて十分の図書館へと向かっている最中、二人で手を繋いで歩いています。
教室を出るときに気付くと莉里ちゃんが私の手を取っていて、莉里ちゃんのクラスメイトからの暖かい視線が集中していました。
居たたまれなくなって急いで昇降口へと莉里ちゃんを連れて行きましたが、その先々でも同じような視線をけたので多分クラスの人以外には私が年上に見えたかもしれません。
莉里ちゃん小さいからね。
そして校門を出て道すがら、私はさっきの結論に辿りついたのです。
ああ伝わる。伝わるよ莉里ちゃん! きっと今はお菓子のことを考えているんだね!
ただ諦めてほしい。
莉里ちゃんの視線の先にあるお店はケーキ屋さんだ。
一つ五百円はお小遣いが吹っ飛ぶよ!
おねだりされたら買っちゃう自信はあるけどね!
「……」
「……」
「……」
「……あの」
「……」
「……莉里ちゃん」
「……」
「……い、行くよ莉里ちゃん!」
「……うん」
そんな悲しそうに返事しないでください。
思わず鞄からお小遣いのった小さいがま口を出してしまいそうに……いかんいかん!
ちゃんと貯金するんだから自制しないと!
「……」
「……」
あぁ分かるよ莉里ちゃん。
莉里ちゃんの考えていることが手に取るように伝わってくる。
いや、実際に手は取ってるんだけど。
君は今、あの屋のコロッケが味しそうだと考えているんだろう。
確かにそれは百円以で買える品だ。
しかし莉里ちゃん、あなたお腹が空いたのは分かるけどいつも食でしょう?
ここで食べてしまっては夕食が食べれなくなってしまうぞ!
お母さんに怒られてしまうぞ、我慢するんだ莉里ちゃん!
「……」
「……」
「……?」
「……」
「……千佳、どうしたの?」
「伝われこの気持ちっ!」
「……壊れた?」
「あ、ごめん。何でもないよ」
話しを聞くとどうやら屋ではなくその一軒隣りにある中華飯店を見ていたらしい。
いや、どっちにしろ食べなんかい!
「……味しそう」
「そ、そうだね」
「……行こ?」
「駄目だよ!」
「……図書館、行かないの?」
「そっちか! 行きます、行きましょう!」
そっちだったかぁ!
さすが莉里ちゃん、マイペースさは私たちの中でも隨一だね。
こりゃ桃ちゃんはきっと苦労してるんだろうなぁ。
クラスでもメグちゃんと花ちゃんの面倒を見てくれているらしいから、今度菓子折りでも持っていこうかしら。
ついでに莉里ちゃんを貰えないか渉したい所である。
いやそうなったら桃ちゃんもいただきたいけど。
「……千佳?」
「ん? どうしたの莉里ちゃん」
「……著いたよ?」
「あ、本當だ。じゃあ中にろっか」
「……うん」
というわけで私の研究テーマはあえなく失敗に終わりました。
やはり無言ではしっかりとしたコミュニケーションを取るのは難しいね。
全部莉里ちゃんの視線を追っていただけの気もするけど、きっと気のせいだよね!
いやこれも全て莉里ちゃんが食いしん坊なのが悪いんだ、私は悪くねぇ!
「……本、いっぱい」
「そうだねー莉里ちゃんは何を借りるの?」
「……図鑑」
「へぇ、?」
「……昆蟲」
「こ、昆蟲か。なるほど」
「……嫌い?」
「うーん、どっちかというと苦手かなぁ?」
「……そっか」
この子、蟲大丈夫な子だ。
今度一緒にいるときに蟲が出たら対処してもらおう。
そして棚から持ってきた図鑑を見ていた莉里ちゃんはこう言った。
「……味しそう?」
「ちょっと待って莉里ちゃん、待って。ほんとに待って、一回落ち著こう」
それから司書さんに図書館ではお靜かにとお叱りをけるまで、私は莉里ちゃんを説得するのでした。
……あ、最後にはちゃんと分かってくれましたよ?
蟲、食べちゃ、駄目。
食べれるやつもいるらしいけど、お願いしますやめてください。
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