《TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―》桃ちゃんと職員室

職員室に呼び出された。

この言葉だけを見ると、こいつ何かやらかしたな? と思われるかもしれないけど、もしもそれが自他共に認める優秀な生徒だったら如何だろうか。

答えはこう。

「千佳ちゃん、また先生の手伝いか~?」

「千佳ちゃんって信頼されてるんだよ」

そしてクラス一同が先生たちに対して仕方ないなぁといった雰囲気を醸し出す。

確かに勉強で不安のことは何一つ無いし、何かやらかしたという自覚はない。

もしかしたら何かしたかもしれないけど。

そうしてクラスメイト、廊下ですれ違う同級生や先輩後輩からの尊敬の念に曬されながらも、私は職員室へと向かうのだった。

「あれ、桃ちゃん?」

「千佳先輩、こんにちはです」

「こんにちは。職員室の前で何してるの?」

し先生に話を聞きたいのですが、何やら會議中のようなので」

「會議中? 私呼ばれたんだけどな」

「さきほど放送で聞きました。私は後でも大丈夫なので、千佳先輩どうぞ」

「もしかして會議中の職員室にりづらいから私を生贄にしようとか考えてないよね?」

「うっ、か、考えてないです」

「本當に?」

「ほ、本當です」

「噓はいけないなぁ桃ちゃん。噓吐きだったなんて私悲しいよ」

「わっ、考えてました! すみません!」

「うんうん、そう言えばいいんだよ」

「千佳先輩、姉さんと同じ手段を……」

最後の呟きを華麗にスルーしながら、私は職員室の扉をノックする。

四回音が響いた後、扉の向こうからくぐもった聲で室許可を得たので、私は職員室へとっていった。

「失禮します、二年生の諸弓です。」

「あ、千佳ちゃん! 急に呼び出してすみません!」

「いえいえ。何かあったのでしょう、九重先生」

「はい、実はですね」

何やら先生たちが話し合っている中、扉の近くに席がある九重先生が事を話してくれた。

話を聞いたところ、どうやら來月に予定している一年生の遠足に、同伴する上級生が足りないそうで。

本來なら一年生の遠足には六年生が同伴するそうなのですが、六年生の數が一年生よりも十人ほどないらしいです。

そこで他の學年から生徒を引っ張っることになり、何故か二年生の私の名前が出たそうです。

「あの、私二年生ですよ?」

「分かってます、でも、下手をすると私より気配りが上手ですので……」

「そんなことないですよ。九重先生もいい先生です」

「うう、ありがとうございます」

涙するんじゃない。

出來れば卒業式の日とかにしてほしい。

「まぁ大丈夫ですよ。私でよければ同伴します」

「本當ですか!? 教頭先生、千佳ちゃん大丈夫です!」

もしかして教頭が推薦したの!? と思ったが先生一同が推薦したらしい。

有無を言わさぬ満場一致だそうだ。

これでメグちゃん花ちゃん桃ちゃんと一緒に遠足に行ける口実も出來たので、後は上手い合に擔當をかしてもらうことにしよう。

話が一段落した私は職員室の扉を開けて顔を出す。

「桃ちゃん、もう大丈夫だよ」

廊下の壁にもたれて育座りをしていた桃ちゃんに、會議が終わったことを告げる。

真面目な桃ちゃんだからきっと待ってると思ってたんだよ。

顔を上げた桃ちゃんはとても嬉しそうに笑っていた。

いつも真面目な顔かメグちゃんたちを怒っている顔しか見なかったので、中々新鮮だね。

やはりの子は笑っている方がいい、輝いてるよ!

「千佳先輩も遠足に來てくれるんですか?」

「おや聞こえてたか。うん、そういうことになったよ」

「よかったです。あの二人を私だけで抑えるのはちょっと……」

「いつもあの子たちがお世話になってます……あ、休み時間のもう終わっちゃうから先生に話聞きに行ったら?」

「あ、そうですね。ありがとうございます千佳先輩」

「これくらいならお安い用だよ。いつでも頼ってくれていいからね」

「分かりました。姉さんより心強いです」

「ふっふっふっ、これは桃ちゃんが私の妹になる時もそう遠くないね」

「ふふ、また姉さんが泣いちゃいますよ?」

「くそぅ。どうにか莉里ちゃんもハッピーエンドな結末を模索せねば」

「ハッピーエンドって、結ばれるんじゃないんですから」

私は結ばれてもいいよ、いや寧ろ結ばれたいよ。

そろそろ本當に時間が無いので、話を切り上げることにする。

お別れを言った私が桃ちゃんの橫を抜けて、クラスへ戻ろうとすると後ろから桃ちゃんの聲が。

「で、でも! ち、千佳姉さんも、私の、お姉さんみたいなもので、その」

「うふ、はははは! ありがとう桃ちゃん、元気出たよ!」

「はい。今日はありがとうございました! 千佳姉さん!」

「どーいたしまして!」

クラスに帰った私を見て、湖月ちゃんとちゃんはこう言った。

「なんや幸せそうな顔しとるな。あ、いつもか」

「そうだね、可い笑顔だよ。いつも通りで」

「えへ、えへへへへ」

「いや、壊れとるな。まぁいつもか」

「そうだね」

そしてその時刻のとある三年生の教室では。

「……ん。いやな予

一人の莉里ちゃんが新たな強敵千佳姉さんに武者震いをしているのだった。

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