《俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。》1-20【バランスブレイカー】
時間は晝をだいぶ過ぎていた。
夕暮れまでは、まだ二時間ぐらいはありそうだった。
日差しの角度から、なんとなくそう思っただけである。
俺には太の角度だけでは時間帯が分からない。
何せどこにでも時計があるような文化的な世界の育ちだからな。
しかし、日が落ちる前には、コボルトたちとの決著をつけたかった。
コボルトは夜行のモンスターだからだ。
要するに、今はコボルトからして早朝の時間帯に近いはずだ。
もしかしたら真夜中かも知れない。
だから起きているコボルトもなかろう。
起きていても眠たさが殘るころだろうさ。
なので俺は行を急いだ。
有利な時間帯を有効的に活かしたいからだ。
そしてまず俺は、コソコソと廃鉱の中を覗き込む。
軽い偵察だ。
そして、見張りは居ない。
片手に持った木の枝の先に燈したマジックトーチの明かりで中を照す。
元鉱山と言うが、古くなりすぎて、見た目はもうただの窟だ。
にしか見えない。
り口の広さは3×3メートルほどとし広かった。
しかし、その奧は10メートル先ぐらいから縦2メートル橫1.5ほどに細く狹まっている。
更にその奧は暗くて見えなかった。
地面を見れば巖場から出た土の部分が、かなり踏み固められている。
ここにコボルトたちが巣くってるのは、間違いないだろう。
ここまで來る間に、案役の村人にいろいろと話を訊いた。
冒険の前に目的地が分かっているならば、報を収集するのは當然の仕事である。
ましてや敵が何者だか分かっていて、場所が何処かも分かってるのに、敵と立地の報を集めないのは舐めすぎだ。
無策は愚策である。
故に報収集は冒険者の基本中の基本なのだ。
そんでもって──。
場所は廃鉱。
敵はコボルト。
殘りの數は、おそらく15匹以上だろう。
多くて20匹ちょっと、流石に30匹は殘っていないだろうさ。
コボルトってヤツは、一匹一匹がかなり弱いモンスターだ。
ちょっと狂暴な農民ぐらいだと思う。
んん、なんか表現が可笑しいかな?
まあ、それは置いといて……。
だが、まだまだ數が多いよな。
流石の俺でも広い場所で四方八方から囲まれて、一斉に飛び掛かられたら一溜りもないだろう。
だから廃鉱で個別撃破を狙うのが得策だ。
そして、気付かれる前に不意打ちで出來るだけ數を減らしたい。
しかも、今回は俺が攻める側だ。
巖山で戦った時にも述べたが、『守は攻めるより容易い』だ。
なのでキツイ戦いを予想する。
こちらが有利なのは、まだコボルトが寢ているだろう時間帯に不意打ちを仕掛けられることである。
だが、燈りを持って廃鉱にっていけば、近付いただけで気付かれるだろうから、不意打ちは出來ないかも知れない。
數の差で不利なのに不意打ちや待ち伏せが失敗するのは気に食わない。
逆に待ち伏せされるかもしれない狀況なのは、更に気に食わない。
ここは意地でも不意打ちを功させたいところである。
どうするかなぁ~。
村を出るまでは格好つけて、上等なことばかり言ってたけれど、やっぱりほっといて逃げようかなぁ~。
絶対に、廃鉱にって行ったら不利だよなぁ~。
だからって、外で待ち伏せしても數で囲まれたら終わりだしなぁ~。
面倒臭いなぁ~。
よし、やめた!
コボルト退治は中止だ!
帰ろっと!
帰って寢よっと。
なぁ~んて、言うのは噓だょ~~ん。
ちゃんとやりますよ。
だって不利どころか、俺のほうが有利だもんねぇ~。
その理由と言えば、すべては報量から來る勝算であった。
とにかく今回の戦いは報が揃いすぎているのだ。
案の村人から仕れた報だと──。
この廃鉱は昔からモンスターたちには人気の件で、コボルトの前はゴブリンの群れが住んでいたらしい。
その前にもオークとかリザードマンとかも住んでた時期があるらしいのだ。
昔から、れ替わり立ち替わりで、モンスターたちが居して來るらしい。
ここは群れのモンスターにとっては一等地の人気件なのである。
しかも、しばらくすると初心者の冒険者がパーティーを組んで、勝手に退治してくれていたらしいのだ。
初心者の冒険者からしてみれば、初冒険に丁度良い初級者コースなのだろう。
そして、冒険者によって、前の住民が排除されても、ししたら新しい住人が、直ぐに居してくるのだ。
だが、また初心者の冒険者がパーティーを組んでやって來る───。
あとは無限ループのリピートだ。
そうして何年も何年も時代は繰り返されていたらしい。
だから、廃鉱のマップも作られている。
初心者の冒険者が中継地點代わりに村へ寄ったときに、村人たちがお小遣い稼ぎに廃鉱マップを売り付けているのだ。
そのマップを俺も一枚貰ってきている。
だから廃鉱の間取りは、完全にバレバレだ。
毎回モンスターがれ替わっても、一番奧の大部屋を住居スペースに使うことも分かっているし、そこまで行くまでの迷路狀の通路も、進みかたが分かっている。
待ち伏せしそうな場所も、トラップを仕掛けやすい場所までもが、マップには詳細に書かれていた。
今までの冒険者が蓄積した報が詰まった完璧なマップである。
もう、ここまで完度が高いと、マップと呼ぶよりも、アトラクションのガイドブックであった。
これでたったの50Gだと言うのだから、お得な買いであると思う。
俺は買ってないけれどね。
貰っちゃった♡
なので、モンスター側は廃鉱の間取りがバレていることを知らない。
待ち伏せしてても無駄なのだ。
まさに、ざまあない狀況だ。
格安で素晴らしい件だと思ったら、かなりの訳有り件なので、もしも真実を知ったのなら、モンスターたちは大泣きであるだろう。
俺なら不産屋を訴えるな。
でも案してくれた村人は、首を傾げながら言っていた。
ここに巣くったモンスターが、今まで村にまで來て、悪さを働いたことがなかったらしい。
それが今回は何故に? 
と、不思議がっていた。
実のところ、村にモンスターたちが悪さをしない理由もちゃんとあった。
ここからし南に下ると大きな森林があるらしくて、餌となるも木の実も富に取れるらしいのだ。
その森林で餌がたっぷり取れるために、わざわざ村や人を襲う必要がないらしい。
だから廃鉱に住みついたモンスターが、村の住人とめるトラブルは今まで起きたことがなかったらしいのだ。
なので廃鉱にモンスターが住みついても、近隣の村的には毎回放置しているそうな。
なのに今回は村が襲われた。
異例中の異例な事件である。
案してくれた村人も、コボルトの襲撃は、何が切っ掛けで強行されたのかが分からないと言っていた。
まあ、これは俺の詰まらない予想である。
だから當たっているかも分からない。
その予想とは、たぶんさ……。
人間の暮らしに興味を抱いたコボルト二匹が村を覗いていたら、自分たちよりもボロボロの格好をしたゾンビ見たいな服裝の人間が突如背後から現れたことにビックリして戦闘になってしまい、しかも二匹とも殺されて、そのコボルト二匹の仇討ちに燃えた仲間たちが逆上して村を大群で襲ったってじじゃあないかなぁ~って、俺は思うんだがね……。
たぶん俺の予想は寸分狂いなく當たっていると思うんだけれど……。
そう、一番悪いのは、きっと俺!
世界の均衡を崩したのは、俺!
俺がバランスブレーカー!
要するに、今回コボルトが村を襲撃したすべての原因は俺にあるのではないだろうか!?
ないだろうか、ではなく絶対そうである。
てへぺろ♡。
さて、この罪は償わなくてはならないだろうな。
だから俺一人で、コボルトたちをぶっ殺す!
それでチャラ!
すべてチャラだ!!
勝手にチャラにするぞ!!!
 
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