《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》ステータス初期化。

臺風やし強い橫風が発生するだけですぐに停まる千葉県を代表する京葉線。

世界的に有名かどうかは知らないが日本で高い集客率を誇るテーマパークと言えば千葉マッキーランドというのは定番である。

もちろん舞浜駅は京葉線の路線だ。

地理をよく知らない人間は東京マッキーランドと勘違いした呼び方をするらしいが、千葉にあるのだから東京ではなく千葉マッキーランドと呼んでほしいものだ。

現在、俺は京葉線の駅の一つ千葉港駅から歩くこと10分弱の場所にあるハローワーク千葉に來ている。

「11番の番號札をお持ちの方!」

ハローワーク相談窓口から聲が聞こえてくる。

天井からぶら下がっている機械にも「11」という文字が書かれている。

もちろん俺が持っているクリアファイルにっている待ちけ番號も「11」だ。

「はい」

俺は、相談窓口に向かい指定された番號の前の椅子に座る。

「こんにちは」

し年配の50過ぎを超えた男が話しかけてきた。

「よろしくお願いします」

軽く挨拶をわす。

別に挨拶をする必要はないかも知れないが、こういうことも社會人として円にやっていくためには必要なのだ。

まずは自分に利がありそうな人間には想良く接する。

そうすることで、気持ちよく仕事をしてもらう。

そして良い結果に繋げてもらうという処世だ。

「それでは拝見いたします」

俺が仕事機の上に差し出したクリアファイルを男が見ていく。

しばらく見たあと、「照會します」と言いパソコンを打ち始めると、突然、眉間に皺を寄せた。

「何かありましたか?」

仕事の容に関して問題でもあったのかと思い話しかける。

「――い、いえ。し、お待ちください」

ハローワークの相談窓口の男は奧まったところで座っている偉そうな男に話しかけにいってしまった。

俺からは、ハローワークの職員が見れる企業の詳細畫面を見ることができない。

ただ一つ言えることは、おそらくだが企業報に関して良くない容が書かれていたくらいだろう。

「お待たせしました」

「いえ。それで、どうですか?」

「それが――、お持ちいただいた全ての企業は全員がを募集しているらしく……」

「そんなこと書かれていませんでしたが?」

「いえ、男雇用均等法で男のみやのみといった募集は駄目になっているのです」

「――そ、そうですか……」

5枚提出した企業の求人募集用紙が全て駄目だとは……。

これでは面接で魅力のステータスを検証することすらできない。

「――で、ですが!」

「はい?」

いきなり俺の手を男職員、プレートに「山田」と書かれていた50代後半の男が握ってくる。

「山岸さんは、扶養されている方がいないとか……」

「え、ええ……、まあ……」

俺は、若干引き気味になりながらも何度も頷く。

――と、言うよりさっさと手を離せ!

「うちの娘など嫁にどうですか?」

「いえ、要りません」

――即答する。

「そこを何とか! うちの娘は27歳です」

「いえ、いいので! それでは、失禮します」

俺は腕を振りほどき、「山岸さーん」と背中に掛けられてくる聲を無視し千葉ハローワークを出てり口脇のベンチに腰を下ろす。

「はぁ……、いったい何なんだ。俺のプライベートにまで足を突っ込みすぎだろ」

普通に考えてありえない。

あんな事をすれば懲戒免職されても文句は言えないはず。

「――ん? 普通に考えて……?」

そこで俺は気がつく。

母親と手を繋いだ5歳くらいのの子が俺をジッと見つめてきていることに。

俺と目が合うと、クリッとした大きな瞳を見開くと顔を赤くして自分の母親から手を離し俺に近寄ってくる。

「おじしゃん……、しゅき!」

いきなり俺に抱き著いてくる

そして、うちの娘に「何してるのよー!」と、絶する20代後半の

突然の事態に固まる俺。

道を歩いていた人々は、俺へと一斉に視線を向けてくる。

ある者は好奇心で――。

ある者は犯罪者が! という目で――。

「ママっ! 私、おじしゃんと結婚しゅる!」

「アナタ! 娘になんてことをしてくれるのよ!」

「何もしていない。そもそも俺は座っていただけだ」

まったく言いがかりもいいところだ。

「なら娘を返しなさいよ!」

ヒステリックにんでくる母親に俺は溜息をつきながら

「君、俺と君とでは年の差が離れすぎている。このままだと俺は壁の中にることになるからママのところに行ってくれないかな?」

「……結婚しゅれば問題ないの!」

問題大ありだ。

俺が社會的に死んでしまう。

俺は立ち上がりを無理やりに母親のもとへと渡すと千葉南駅に向かって走る。

10秒も走れば息がれてくるが頑張って走った。

差點に近づくころには、「おじしゃーん!」と言う聲も聞こえなくなり俺は安堵する。

いったい何なんだ……。

おかしなことばかり起きている。

「ま、まさか……」

下りてくる天啓。

これは魅力を上げたことによる作用なのでは?

そうとしか考えられない。

俺は千葉港駅まで小走りで走り改札口を抜けてから、人がほとんど乗っていない千葉都市モノレールに乗りこむ。

「まったく……」

額に手を當てながら、いつもなら心ので吐する言葉を呟く。

その理由は、俺の視界に現れた半明のウィンドウに表示されている文字に関係する。

――スキル「ロリ王LV1」を手にれました。

なんだよ……、ロリ王って……。

俺はそんな目で、小さなの子を見たことなんて一度も無い。

なくとも、子供を守るのが大人の役目だということくらいは理解している。

濡れもいいところだ。

「はぁ――」

ため息しかでない。

俺の憂鬱な気持ちを乗せて千葉都市モノレールは、靜かに走り続ける。

そして停車。

大勢の人間が乗りこんでくる気配をじた。

頭を上げると、駅のプラットホームには千葉駅モノレールと表示されている。

どうやら、千葉でも一番大きな駅に到著してしまったようだ。

そりゃ大勢の人間が乗りこんでくるのは當たり前だな。

「ねえ、あの人……」

一人事に耽っていると聲が聞こえてくる。

「うんうん、すごくイケてない?」

「えー小太りだけどイケてるよね!」

「むしろお腹のところが好みかも!」

聲がした方へと視線を向ける。

そこには高校生だろうか? 子たちが俺の方を見て何やら話しているように思えるが、俺が視線を向けた途端に顔を背けられた。

――いや、気のせいか……。

さすがに俺がイケているというのは……。

「いや――、待てよ……」

もしかしたら、魅力のステータスを上げたことで異からイケメンに見られている可能があるのか?

――つまり……、魅力のステータスを上げ続ければ金持ちのを手にれて利用することもできることになるのではないのか?

そして「理想の紐生活」も夢ではないということだ。

――下らないな……。

まったくもって下らない。

ステータスを上げて誰かに好かれても、それは本ではないだろうに……。

そんなのは俺がもっとも忌み嫌うものだ。

そんなは本じゃない。

そんな噓はいらない。

そんなものは必要ない。

――ステータスで好意を弄ぶ悪質さに嫌悪に吐きそうになる。

すると突然、ピロリンという音と共に視界に半明なプレートが表示さた。

そこには文字が書かれている。

――ステータスを初期化しますか?(y/n)

俺は迷わずステータス初期化のyのイエスを選ぶ。

ピロリンという音が鳴り響く。

電車の誰も気がついていないようだ。

もしかしたら俺にしか聞こえないのかもしれない。

俺は、すかさずステータスを確認した。

名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)

年齢 41歳

長 162センチ

重 102キログラム

レベル64

HP640/640

MP640/640

力17(+)

敏捷11(+)

腕力16(+)

魔力 0(+)

幸運 0(+)

魅力 0(+)

▽所有ポイント 23

どうやら、初期ステータスに戻ったようだ。

ステータスが初期化されたのを実証するように俺を見てきていた子高生たちも、先ほどまで俺を噂してきたのが噓のように子高生だけで會話をしている。

その様子を見て俺はしだけ安堵した。

……それにしても、所有ポイントの左側に▽印がついているが……、いったい何だ? 以前にはこんなのなったよな?

俺は▽印を押すように考える。

すると▽ボタンが黒く合いが変わった。

名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)

年齢 41歳

長 162センチ

重 102キログラム

レベル64

HP640/640

MP640/640

力17(+)

敏捷11(+)

腕力16(+)

魔力 0(+)

幸運 0(+)

魅力 0(+)

▼所有ポイント 23

リセット所有ポイント 40 制限解除まで300秒

……なるほど。

ポイントがリセットされるのではなく、待機狀態になるのか……。

それが300秒ということか。

つまり300秒――、5分経てばスキルポイントが振り直せるということだな。

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