《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》日本ダンジョン探索者協會(6)
佐々木が慌てた様子で部屋から出ていく。
その際に、ようやく佐々木の服裝に気がついた。
前回會った時は、パーカー一枚だったくせにずいぶんとの子らしい服裝になっていた。
黒いタイツに、白のスカートに白いニットワンピースを著こなしていて、さらには長い髪を後ろで三つ編みで纏めているとか……、まるでそのものにしか見えない。
何か心境の変化があったとしか説明がつかないな。
まぁ、佐々木には佐々木の考えがあるのだろう。
俺には一切! 関係のないことだがな!
しばらくすると、佐々木は、山2等陸尉を伴だって室にってきた。
「山岸さん、目を覚まされましたか」
「山2等陸尉――」
「山で結構です」
「それでは、山さん。いったい、どうなったのか説明してもらえますか?」
「はい。掻い摘んでお話ししますと、もう山岸さんが狙われることは無くなりました」
「どういうことですか?」
「山岸さんが意識不明の重だった間――、一週間の間に一般市民を撃ち殺すことを承諾命令した県議會議員の西貝當夜は事故に遭い死亡。西貝二郎に関しては獄中で死亡が確認されました。あと、山岸さんの家を襲った暴漢については、ダンジョンで死んでいるのが確認されたそうです」
「確認された?」
「はい。不幸な事故と言ったところでしょう」
「…………」
まっすぐに山を見るが男は笑みを絶やさない。
――だが、その瞳は笑ってはいない。
「なるほどな……」
つまりトカゲの尾切りというやつか。
「それで、他に加擔していた刑事や警察や婦警の処遇はどうなりましたか?」
「懲戒解雇及び、國會招致をかけられています。それにしても山岸さんもすごいことを考えましたね? まさか……、ここまで大事になるとは私どもも思ってもいませんでした」
「それは……?」
「山岸さんの畫を見た何者か――、いえ――、この際ハッキリと言いましょう。ウィザードと呼ばれるハッキング組織により軍事衛星がハッキングされ全ての映像と音聲が世界中に流されたのです。それにより警察の威信は地に落ち他國からの糾弾の嵐となりました。何せ、警察組織の存続のために民間人を殺すという暴挙に出たのですから、警察上層部も隠しきれず――」
――ウィザードね。
本當は、スキル「大賢者」がやったことなんだが……。
「山岸さんのおかげで日本ダンジョン探索者協會と、その上層組織である陸上自衛隊はずいぶんと世間から評価されました。こちらの自衛隊中央病院で、ゆっくりと靜養してください。それでは、これで暇でも潰してください」
山が、佐々木にタブレットをわたすと室から出ていく。
それにしても……、自衛隊中央病院なんてものが存在するのか……。
俺はてっきり【みつわ臺病院】にでも院したと思ったんだがな……。
「山岸さん……」
「どうした?」
「わ、私……、山岸先輩が生死の境を彷徨っていた時に何もできなくて――、私が迷をかけたのが理由なのに……」
「気にすることはない」
――そう。何も気にすることはない。
俺は牛丼の仇をとった。
それだけのこと。
しかし一週間も意識が無かったとは……、どうりでステータスを見た時に7キロも重が減っていたわけだ。
「そんな! 私……、先輩しか頼れる人がいなくて……、大學でも、誰にも言えなくて……、西貝議員の圧力で誰も避けていたから……」
「…………もう過ぎたことだ」
そう、犠牲になった特盛り牛丼はもう帰ってこない。
「先輩……」
何故か、涙を流している佐々木。
こいつは緒不安定なのだろうか?
まぁ大學で友達を頼れなかったのは、心に大きな傷を負った可能もあるからな。
それで、神的に々と問題を抱えたのかも知れないな。
「佐々木、しタブレットで調べたいことがあるんだが……」
――そう。
今気になっていることは、俺のことが世間一般で何と言われているかだ。
いまにして思えば、スキル「バーサクLV10」の影響で、々とはっちゃけたがあるからな。
叩かれていなければいいんだが……。
あまり叩かれると就職にモロに影響をけそうだからな。
必死に震える指先でタブレットの畫面をなぞる。
そして、俺が自分が叩かれていたまとめサイトを開く。
「えーと、何々……。【千葉東警察署暗殺未遂事件】華麗なる手のひら返し?」
また酷いタイトルだな……。
名無しさん:無職のビザデブの山岸は、まとめサイトで犯罪者呼ばわりされて叩かれていた。
はたして彼は、一般人のを救うため単、拳銃を構えていた警察の前に躍り出て銃弾に撃たれ帰らぬ人に――。
「いや、俺は生きているからな……」
相変わらず適當な容だな。
さすがは、まとめサイトと言ったところか。
名無しさん:誰もが犯罪者だと思っていた山岸だが、俺は信じていた山岸は何かをする男だと!
名無しさん:いや、お前。また無職の犯罪かよって書き込んでただろ。
名無しさん:何を言うんだ! 山岸は人妻とを救った英雄! つまり、俺たちのヒーローだ! イコールジャスティス!
名無しさん:それよりビザデブが、すごい跳躍していたの誰か気が付いたか?
名無しさん:見た見た、どう考えてもあんなの人じゃ無理だろ。
名無しさん:畫加工とか?
名無しさん:畫編集技革新キター。
名無しさん:それにしても本當死んだのか?
名無しさん:あれだけを流していたら生きている訳がないだろ。
名無しさん:俺達のヒーローが……。
名無しさん:ヒーローって……、お前は山岸のことを、すげーデブだわって書き込んでただろ
名無しさん:何を言うっすか。山岸は、無職の星っす。
名無しさん:まぁ最後に良いことをして死ねたんだから草場ので満足して仏しているんじゃないのか?
「……ロクな書き込みがないな……」
「どうかしましたか?」
「いや――、なんでもない。それよりも口調を変えたのか? 以前は、俺と言っていたよな?」
「はい……、山さんの話だと別転換薬を使った人は、その別に合った話し方や思考や趣味嗜好になるそうです」
「ふむ……」
それは、それで面倒な薬だな。
だから醫師の許可と裁判所の許可が必要だったのか。
重罪とかも言っていたからな。
俺は、さらに別のニュースサイトを見る。
すると、そこには山2等陸尉が言っていたように西貝當夜の乗っていた車が首都高速道路でダンプカーと接、車は橫転後に炎上し死亡したと書かれていた。
そして千葉東警察署の不祥事については、警察庁長の辭任と32人いる管理の半分が役職を追われたと書かれている。
役職を追われただけで懲戒解雇とは書かれていないことから後で復帰するのだろう。
西貝次郎は、取り調べ中に自殺を図ったと書かれている。
西貝一郎については、19歳の未年をダンジョンに連れていったあげくモンスターに食い殺されたと書かれていた。
「神田はと……、國會証人喚問をけているのか……」
まあ民間人を撃ち殺そうとしたのだから、民主主義の國家としては大問題だろうからな。
まぁ、問題は西貝當夜が関西の生コンクリートと裏で繋がっていて、その獻金の流れを摑もうと検察がいているというところくらいか。
「警察も、今回のことでずいぶんと民間人からの信頼は下がっただろうから必死だな」
「そういえば、山岸先輩」
「――ん?」
窓際の花瓶に花を活けていた佐々木が話しかけてきた。
「どうした?」
「さっき、警察の方から、あとで警察庁の方が見舞いにくると伝えてくれって……」
「警察庁か……」
正直、警察とは敵対してしまったが、やはり警察をそのまま敵に回しておくリスクは大きい。
それに警察も俺と和解しておきたいのは分かることだ。
「斷っておきますか?」
「いや――」
とりあえず會うだけ會ってみるか。
俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
ハクスラ異世界×ソロ冒険×ハーレム禁止×変態パラダイス×脫線大暴走ストーリー=前代未聞の地味な中毒性。 ⬛前書き⬛ この作品は、以前エブリスタのファンタジーカテゴリーで一年間ベスト10以內をうろちょろしていた完結作品を再投稿した作品です。 當時は一日一話以上を投稿するのが目標だったがために、ストーリーや設定に矛盾點が多かったので、それらを改変や改編して書き直した作品です。 完結した後に読者の方々から編集し直して新しく書き直してくれって聲や、続編を希望される聲が多かったので、もう一度新たに取り組もうと考えたわけです。 また、修整だけでは一度お読みになられた方々には詰まらないだろうからと思いまして、改変的な追加シナリオも入れています。 前作では完結するまで合計約166萬文字で601話ありましたが、今回は切りが良いところで區切り直して、単行本サイズの約10萬文字前後で第1章分と區切って編成しております。 そうなりますと、すべてを書き直しまして第17章分の改変改編となりますね。 まあ、それらの関係でだいぶ追筆が増えると考えられます。 おそらく改変改編が終わるころには166萬文字を遙かに越える更に長い作品になることでしょう。 あと、前作の完結部も改編を考えておりますし、もしかしたら更にアスランの冒険を続行させるかも知れません。 前回だとアスランのレベルが50で物語が終わりましたが、當初の目標であるレベル100まで私も目指して見たいと思っております。 とりあえず何故急に完結したかと言いますと、ご存知の方々も居ると思いますが、私が目を病んでしまったのが原因だったのです。 とりあえずは両目の手術も終わって、一年ぐらいの治療の末にだいぶ落ち著いたので、今回の企畫に取り掛かろうと思った次第です。 まあ、治療している間も、【ゴレてん】とか【箱庭の魔王様】などの作品をスローペースで書いては居たのですがねw なので、まだハクスラ異世界を読まれていない読者から、既に一度お読みになられた読者にも楽しんで頂けるように書き直して行きたいと思っております。 ですので是非にほど、再びハクスラ異世界をよろしくお願いいたします。 by、ヒィッツカラルド。
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