……スキル「威圧LV１」……？

俺はすかさず視界に表示されているスキルの項目を開く。

スキル

▽「ロリ王LV1」(+)（ON/●OFF）

▽「JK際LV1」(+)（ON/●OFF）

▽「隠蔽LV10」（●ON/OFF）

▽「ポーカーフェイスLV1」(+)（ON/●OFF）

▽「#JWOR」

▽「ZH)N」

▽「大賢者」（●ON/OFF）

▽「アルコール耐LV10」（●ON/OFF）

▽「救急救命LV10」（●ON/OFF）

▽「限界突破LV10」（ON/●OFF）

▽「バーサクモードLV10」（ON/●OFF）

▽「威圧LV1」(+)（ON/●OFF）

▽所有ポイント　932

▼「威圧LV1」(+)

渉の際に、有利にことを運ぶことが出來る。

敵対する者の戦意を減させることが出來る。

効果はレベルに依存する。

なるほど……、「威圧LV1」か――、これは使えそうだな。

所有ポイントをスキル「威圧LV1」に振る。

さらに狀態をアクティブモードへと切り替える。

スキル

▽「ロリ王LV1」(+)（ON/●OFF）

▽「JK際LV1」(+)（ON/●OFF）

▽「隠蔽LV10」（●ON/OFF）

▽「ポーカーフェイスLV1」(+)（ON/●OFF）

▽「#JWOR」

▽「ZH)N」

▽「大賢者」（●ON/OFF）

▽「アルコール耐LV10」（●ON/OFF）

▽「救急救命LV10」（●ON/OFF）

▽「限界突破LV10」（ON/●OFF）

▽「バーサクモードLV10」（ON/●OFF）

▽「威圧LV10」（●ON/OFF）

▽所有ポイント　923

切り替えると同時に、拳銃の銃口を向けていた山の手が震えだす。

「……な！？　い、いったい…………、何が――」

山は何が起きたか分からないと言った表をしたまま額から多量の汗をダラダラと流しながら両手で拳銃を持ったままを震わせている。

――ドサッ

重くも軽い音が山の後方から聞こえてくる。

「――っ！？　白鷺1等陸士！？」

山が名前を呼んだ。

それはコピー用紙を手に部屋にってきた自衛。

俺のスキル「威圧LV10」に當てられた自衛は、何の抵抗も出來ず気絶すると膝から床に崩れ落ちていた。

靜かでいて、それでいて張り詰めた空気が室に漂う。

「問題ない。気絶しているだけだ」

「――っ！？　ま、まさか……、これも……、貴方がしたことなのですか？」

「そうだ。山、お前が俺に銃口を向けてきたばかりか撃ってきたからな、しだけ殺気を放った」

「――さ、殺気！？　こ、これが……」

全を震わせながら、歯を鳴らし俺の答えに答えてきた山の俺を見る目は――、まるで化けを見るような眼差しだ。

「お、おのれ！」

震える両手で拳銃――、銃口を向けてトリガーを引いてくるが――。

「くそっ！　くそっ！」

全ての銃弾は、俺の服を掠めるだけで當たらない。

――カチッカチッ

弾倉が空になるまで打ち盡くしたのが音から分かる。

さて――。

「山。別に俺はお前と戦うつもりはないんだが？」

俺は、テーブルの上に足を乗せるとスキル「威圧LV10」をアクティブにしたまま山を睨みつける。

そもそも、山一人を倒しても俺にはまったくメリットがない。

それに、LV288という習志野駐屯地でもTOPレベルの山が俺に手も足も出ないのなら、一応はの安全は保障されたのも同じだ。

「戦う……つもりが……ない？　それだけの殺気を私に向けてきておいて？　世迷言も……」

「やれやれ――」

どうやら、俺が戦う意志がないという言葉は信じてはもらえないようだ。

いくら強くても國を相手にすれば々と面倒事になる。

仕方ないな……。

ここは多、俺の力がバレてもいいから力を振るっておくとするか。

「山、貴様に俺の力の一部を見せてやろう」

「――！？」

俺は椅子から立ち上がる。

山も生まれた小鹿のように両足を震わせながら立ち上がると、必死に俺を睨みつけてくるが無視する。

いまは格の違いを魅せることが最優先だからな。

「見ておけよ？　まずは10％だ！」

ステータス

名前　山岸(やまぎし)　直人(なおと)

年齢　41歳

長　162センチ

重　66キログラム

レベル1(レベル1100)

HP　10/10（11000/11000）

HP　10/10（11000/11000）

力17(+)

敏捷15(+)

腕力16(+）

魔力　0(+)

幸運　0(+)

魅力　3(+)

▽所有ポイント　923

――所有ポイントを全部、腕力に振る。

ステータス

名前　山岸(やまぎし)　直人(なおと)

年齢　41歳

長　162センチ

重　66キログラム

レベル1(レベル1100)

HP　10/10（11000/11000）

HP　10/10（11000/11000）

力17(+)

敏捷15(+)

腕力939(+）

魔力　0(+)

幸運　0(+)

魅力　3(+)

▽所有ポイント　0

もちろん10％など真っ赤な噓だ。

やるからには全力でやらせてもらう。

渉にはハッタリも重要だからな。

俺は溜息をつきながら全力で！　人差し指と中指を――、壁に向けてクンッと勢いよく上げた。

そして――、それと同時に防音の役割も擔っていた分厚いコンクリート製の壁が指を上げた風圧で々に吹き飛び部屋の中に風が吹き込む。

そして、風が止んだあとは景が一変していた。

――なんということでしょう。

あれほど狹苦しく防音対策されていた部屋が、コンクリートの壁が消えただけで解放のある室に生まれ変わったではありませんか！

しかも外には陸上自衛隊のグラウンドと鉄塔がよく見える。

「なかなかのリフォームっぷりだな。そう思わないか？」

「……う、うそだ……、こんな……、どうして……、……どうしてこれだけの力を隠して……、隠し通せるものなのか？　これだけの力があれば普通は……」

――まったく、俺がせっかく話しかけたというのに無視か！

いきなりのことに驚くのは仕方ないとはしても、渉相手の話を無視するのは社會人としてはどうかと思うがな。

――仕方ない。

オハナシするしかないか……。

一歩、山に近づく。と、小さな悲鳴を上げて山は俺から距離を取る。

「ヒイッ！？　――い、いったい、お前は何者なんだ！？」

冷靜さを失いを震わせながら質問してくる山に俺はため息をつく。

「俺は、無職でニートな一般人らしい」

「うそをつくな！　指で！　指先を折り曲げただけで！　コンクリートの壁を破壊するような人間が普通なわけあるか！」

山が的確な突っ込みをれてくる。

その言葉には俺も賛同しよう。

ただし、俺の力のは教えないがな。

さて、どうやって話をもっていくとするか。

正直、ここまで怯えて警戒心をわにされるとは思ってもみなかった。

これでは、相手と渉すらできない。

「これでは、渉もできないな」

「――いや、渉は日本國政府が行う」

廊下につながる室の扉が開くと同時に一人の男が姿を現す。

すかさずステータスを確認する。

ステータス

名前　竹杉(たけすぎ)　俊作(しゅんさく)

職業　軍人　※陸上自衛隊・陸上幕僚長、閣報調査室所屬、日本ダンジョン探索者協會責任者

年齢　58歳

長　188センチ

重　76キログラム

レベル637

HP6370/HP6370

MP6370/MP6370

力42(+)

敏捷37(+)

腕力39(+)

魔力　0(+)

幸運　9(+)

魅力21(+)

所有ポイント636

俺が貝塚ダンジョンで戦ったレムリア帝國の兵士のレベルに近い。

山の倍以上――。

「あなたは？」

「私は、そこに居る山2等陸尉の上司になる。一応は、陸上自衛隊の頭を張っている」

男の言葉と同時に、視界の半明なプレートに陸上自衛隊の階級一覧が表示される。

――ということは、目の前に立っている男は、陸上自衛隊のトップであり、その男が俺の前に現れたということは……。

俺は戦闘態勢を整える。

「待たれよ。私は、山岸直人殿と一戦をえるつもりはない。――それに山岸殿と戦っても意味がない」

「どういうことだ？　山は俺を危険だからと殺そうとしたぞ？」

山は、俺に拳銃を向けて発砲してきたのだ。

そんな輩のトップに居る人間の言葉を信用出來るわけがない。

「ぜひ信用してもらいたい。現在、日本國政府は――、首相邸はK.Kという人からのメール対応に苦慮している。そのことも含めて首相邸まできてもらいたい」

「首相邸まで？」

「そうなる。君と會いたいと言っているお方は、第99代　閣総理大臣　夏目(なつめ)　一元(かずもと)だ」

「総理大臣が？」

まさか……、K.Kって……。

――主、山岸直人。上手く、こちらの餌に食いついたようです。

――三下と渉をしても時間の無駄と判明したため、日本國政府の首相とのアポイントを優先しました。

なるほど……。

だが、一言言わせてほしい。

俺に相談をしてから実行してほしかった。

竹杉俊作に案され建から出る。

外には、30人以上の自衛隊が小銃を手にもって俺の方を見てきていた。

どうして、こんなに人數がいるのか……。

――主、山岸直人。室での會話は盜聴されており、遮斷をする意味がないと判斷したため、そのままにしておきました。

――そのため、こちらの力の一端を見て急遽警備制を引き上げたようです。

「なるほど……」

疑問に思っているとスキル「大賢者」が答えてきた。

まぁ、俺が指を曲げただけでコンクリート製の壁が壊れたのだ。

幕僚長と一緒に歩いている俺に脅威をじて警備制が引きあがるのは仕方ないと言えるだろうな。

――それにしても、彼らは小銃ごときで主のに傷をつけられると、いまだに思っている事が不服です。

視界に表示されている半明なプレートに黒い霞が一瞬だけ浮かびあがる。

スキル「大賢者」が言いたいことは分からなくはないが、俺も自分のがどれくらいの強度を持っているのか正確には知らないのだから、第三者が分かるわけがないと心の中で突っ込みをれておく。

――スキル「大賢者」が回答します。現在、主――、山岸直人の防力はステータスを全て、敏捷に振った場合――、最新の戦車からの砲撃が直撃しても無効化することが可能です。

最新の……、戦車の砲撃？　にも耐えられるのか……。

――と、言うか普通の人間に徹甲弾を打ち込んでくるような頭おかしいやつはいないだろ。

それよりいまのステータスでは、どのくらいまで耐えられるんだ？

――小銃程度なら普通に耐えられます。

……そうか。

それならよかった。

ステータス振り直しは、300秒のタイムラグがあるからな。

習志野駐屯地のゲート前に到著すると、停まっていたのは――。

「ハマーじゃないよな？」

「高機車になります。ハマーは基本的に日本ダンジョン探索者協會で利用しています　こちらの車は陸上自衛隊で使用している車です」

「そうですか」

竹杉が車の後部座席に乗ったあと俺も高機車に乗り込むと車は走り出した。

「これから一般道を通り花インターチェンジから京葉道路へと乗り換えます。そのあとは首都高に乗り換えた後、首相邸へ向かうことになります」

「そうですか。ですが――、この時間帯は混んでいるのでは？」

「首相邸までは1時間半程でしょう」

隣に座っている竹杉の説明に、俺は「そうですね。もうすぐサラリーマンは帰宅時間ですからね」と言葉を返す。

「ところで――、山岸直人殿は、何か武の心得でもあるのですかな？」

「特にないですね」

俺は肩を竦めながら言葉を返す。

「そうなのですか。山岸直人殿は、歩く時に重心がブレておりませんので何か武をしていたのかと思ったのですが――」

「気のせいです」

いままで生きてきた中で武など一度も習ったことがない。

「そうでしたか。それでは、何か質問があればけ付けます。なんでも聞いてください」

「そういうのは向こうで聞きますので」

「そうですか、わかりました」

ようやく、話が一段落ついた。

俺は、先ほどから視界に表示されている「――総理大臣に會う前に、現在の日本が置かれている立場を説明します」と言うログを再度確認しながら、「大賢者、話はひと段落ついたぞ」と心の中で呟く。

それと同時に、視界に半明なプレートが表示されログが流れる。

――主、山岸直人。現在、日本國政府が置かれている狀況と世界の正確な狀況が確認できました。

正確な狀況？

――現在の、世界地図を展開します。

視界の半明なプレートに世界地図が表示されていく。

その世界地図は夜中に――衛星か宇宙ステーションから撮られたものなのだろう。

日本列島は、煌々と明るい。

――日本國政府のデータをハッキングしたところ、レムリア帝國半島とは國斷絶狀態なのはご存知かと思いますが、非常に興味深い報を得ることができました。

興味深い報？

――肯定です。衛星からの地図を視界に投影しましたのは、一目瞭然と思い反映させました。

ふむ……。

視界に表示されている世界地図の夜景を見ていくが特に変わった様子は見けられないが……。

――主は、世界の夜景を見たことは無いのですか？

スキル「大賢者」の問いかけに――。

そういえば……、世界の夜景は日本くらいしか見たことがない。

そもそも夜景にあまり興味がないからな。

強いて言えば、レムリア帝國半島の南にまったく明りが見當たらないくらいだろう。

――肯定です。レムリア帝國が建國される際に、半島に存在していた國では民族浄化が行われたようです。

國連はかなかったのか？

――國連は、同時期に世界規模で出現したダンジョンと、ダンジョンからあふれ出たモンスターの対応に終始しており自國のダンジョンの対応で手いっぱいだったようです。

――それと日本を含む國連では、助けても逆恨みされるだけと靜観の構えを取った國が多かったようです。

な、なるほど……。

しかし日本の畫サイトをチェックしていたが、民族浄化などという騒なフレーズは存在していなかったが。

――肯定です。

――日本國政府からの指示に従わない場合には、放送権の剝奪を行いました。