《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》世界の岐路(3)

月読さんの周辺に発生する無數の一メートルほどの球――、それは漆黒の模したモノ。

それらを見ながら、私は視界に表示された半明のプレートへと視線を向ける。

そこには文字が書かれており――、

「重力球……」

そう、書かれていた。

「本來であるなら、このようなモノを使うなど考えてはいなかったが……、主を現実という地獄へ連れていくのなら!」

「それは違うわ!」

互いの言葉が鍔迫り合いをすると同時に、私目掛けて放たれてくる無數の重力球。

――敵の神格魔法を解析します……、解析完了……、対抗魔法を展開……発をします。佐々木、指示通りの魔法展開を……。

視界のプレートに表示される文字に頷きながら、私は狂の神霊樹と共に選んだ魔法を視界で選ぶ。

「火と水の魔法を同時展開!」

「何!?」

高らかにんだ言葉に驚愕の表を浮かべる月読さん。

たしかに、普通は一度に仕える魔法は一屬のみ。

今までは攻撃魔法は同時併用することはできなかった。

だけど……先ほどは、ウィンドバーストという、風と火の魔法を合した融合魔法を発出來た。

それは山岸鏡花さんに力を借りて発した魔法だから。

右手から水屬魔法。

左手から火屬魔法。

「融合魔法! 水蒸気発(スチーム・エクスプロージョン)」

莫大な私の魔法力に裏付けられた魔法が発し轟音と共に巨大な衝撃波が周囲に放たれる。

それは煙幕の役割を果たす。

私は視界のテンプレートに表示されている指示どおり、強化魔法でを強化し跳躍すると共に、私へと放たれた全ての重力球を避ける。

「やっぱり」

大賢者が、月読さんは戦闘には不慣れとログに流れていた。

それは、私と神霊樹さんが會話していた時に攻撃してきたパターンがない事から分かっていたことだけど、実際に戦えば分かる。

「――実戦経験はない。――なら!」

――調子に乗らないように。

「分かっているわよ!」

天井まで跳躍したところで、天蓋を足場にして月読さんの頭上へ向けて跳躍する。

重力加速度が、私の落下速度を一気に引き上げ――。

「なっ!?」

相手が、私の接近に気が付いたときには眼前。

私は手に作り出していた氷の大剣を彼の頭上に振り下ろしていたけど――、

「なるほど……」

「――くっ」

ギリギリで相手が作り出した漆黒の刃に弾かれ、私は床の上を転げた。

「さすがは、當代の巫の力を借りたと言ったところかのう」

「……」

「黙っていては、分からんが?」

「答える意味はあるの?」

私は立ち上がりながら右手に炎の剣を作り出す。

「ふむ。それで攻撃を仕掛けてくるというのか?」

の言葉に私は無言のまま地面を蹴りつけ――、薄したところで炎の刃を振り下ろす。

「――なっ!?」

「愚かな! 當代の巫は言わなかったか? 無形では、この月読には勝てないと」

一瞬で、炎が――、月読さんが作り出した重力球に喰われ盡くした。

それと同時に、私は腹に蹴りをれられ吹き飛ぶ。

「たしかに、この月読……戦いは不得手と言ってよかろう。だが! それでも、神である! 人間が、神に勝てる道理などなかろう?」

「……」

私は無言のまま、何も答えずに立ち上がる。

正直、強いというか強すぎる。

今現在の私の強化レベルは、車が正面から衝突しても傷一つ負わない――、そんな反則じみた狀態だけど……。

立ち上がったがふらつく。

一発……、たった一発攻撃をけただけで臓にも――、腹部にも激痛が走る。

「汝とは、能が」

「分かっているわ」

そこで、私は口を開く。

もちろん、口からはが零れ垂れることは言うまでもない。

「――なら! 大人しく消えるとよい!」

「それは……聞けないわ!」

迫りくる重力球。

それに合わせるように私も無數の水の玉を放つ。

「無駄だと言うのに……」

の言う通り、全ての魔法は重力に囚われ喰われていく。

私は、大賢者である鏡花さんが指示する通りに、月読さんと距離を取りながら魔法を放ち続ける。

「無駄だと言うたろうに!」

「それは、どうかしら?」

月読さんの言葉に応じながらも、私は氷の魔法を放つ。

もちろん、それすら――、無數の重力球に圧され吸収されていくけど……、私は吸収される瞬間に帯電するのを確認していた。

「負け惜しみを――」

――全ての魔法配置を確認。原子構を確認。理運エネルギーを算出……、電荷を確認した上で、魔法発を推奨します。

「――その減らず口を、今すぎ閉じて」

月読さんの言葉を聞きながら、私は両手を月読さんへと向ける。

「全屬融合魔法!」

「全屬だと?」

「超新星発! スーパーノヴァ!」

月読さんが作り出した高重力である重力球。

それを利用した上での魔法発

一種の掛けだったけど――、魔法は無事発したようで周囲が暗闇に閉ざされる。

それと同時にりが重力球を砕きれ出す。

「馬鹿な……」

その言葉を皮切りに月読さんを囲うように展開していた重力球は次々と崩壊すると同時に大発を引き起こした。

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