《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》世界の岐路(9)
ようやく會えた……。
萬の思いを抱きつつも、自然と言った様子で立っている彼に向けて一歩歩きだす。
すると、山岸直人さんの視線は、私ではなく天照さんや月読さんに向けられた。
「二人とも、契約とは違う行を行うことはずると言っていたはずだが?」
その言葉に、私の歩みは止まってしまう。
何故なら、その口から出た言葉には、およそ人を構していれば、かならず存在しているであろう気持ちが――、心が篭って無かったから……。
「せん……輩……?」
思わず、驚いて、いつも彼を呼んでいた名前が零れ落ちる。
「申し訳ありません」
「今回は……」
「分かっているが……、これは俺の問題であって、お前達には関係の無いことだ」
まったくが篭っていない聲が、月読さんと天照さんにかけられる。
どうやら、山岸先輩に會わせたくないと思っていたのは二人の意思のようで、山岸直人さんは関係がないみたいだけど……。
「――さて……」
そこで話が一段落ついたのか、視線が私に向けられてくる。
「――ッ!」
思わず聲に出しそうになった。
まるでが欠落しているかのような瞳の。
それは、私が知っている山岸直人さんにはありえない。
「どうして、ここに古代の神と現である佐々木希の半がいるのか……」
まるで、今までの私達の行を知らないような様子で、彼は言葉を綴る。
それに――。
「先輩……」
「……その言いようは懐かしくもある」
まるで言い回しが山岸直人さんである、その人とは別人のよう。
まったくの別人と話していると言えば分かりやすいのかも知れない。
「山岸直人さんで良いんですよね?」
心の中の蟠りを口にする。
そうすることで、彼が――、目の前の男が、山岸直人さんだと確認したいから。
「一応は、そうなる」
「一応は?」
「うむ。まぁ……いい。それよりも何故、この地にまで……いや――、どのようにして、この場所に足を踏みれることが出來た?」
「それは――」
山岸鏡花さんに連れてきてもらったからと伝えようとしたところで、彼は何かに気が付いたかのように、鏡花さんの肩で鎮座している狂の神霊樹へと視線を向けた。
「なるほど、古代の神とパスが繋がっていたからか。そして、汝ともパスが繋がっているのが確認できる。つまり、そのパスを通ってアクセスしてきたということか」
半分は當たっている。
それよりも問題なのは、山岸鏡花さんの姿に、山岸直人さんはまるで気が付いていないかのような……。
「あの……」
「何だ?」
「山岸鏡花さんに連れてきてもらったのですけど……」
「質の悪い冗談か?」
そこで、始めて苛立ちを募らせた様子を、山岸直人さんは私に向けてきた。
「無駄よ」
そうじゃない! と、山岸直人さんに事を話そうとした所で、山岸鏡花さんが頭を左右に振りながら答えてくる。
「お兄ちゃんを、私は視認することは出來るし確認することもできる。……だけど、お兄ちゃんが、私の存在を確認することは出來ないわ」
「――え?」
「何と話をしている?」
「いえ……」
私が一人事を言っていたと思ったのか、山岸直人さんは不機嫌そうな表を見せた。
「――して、何故、この地に來た?」
「山岸直人さんを救う為です」
「俺を? どういうことだ? 月読」
「それは……」
「無意味な隠し事はするな。契約と盟約は絶対遵守だろう?」
「……デコイが、暴走しています」
「ふむ……。なるほど……。それは、契約ではありえない事態だな。――なら、初期化を行うか」
「初期化……?」
不穏な言葉に、私は顔を上げる。
「――ですが、それは……」
戸う表の月読さん。
「態々、記憶を全て渡さずに構築したのだ。それを、再構築した場と共に壊されては契約を全う出來なくなる可能がある」
「どういうことですか?」
そこでようやく私は口をはさむ。
「簡単なことだ。バグは取り除く必要がある。ただ、それだけだ」
私の問いかけに冷たく彼は――、山岸直人さんは言い放った。
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