《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》世界の岐路(11)
「……仮初?」
「そうだ」
「…………あなたは、本當に山岸直人さんでは」
彼は頭を左右に振る。
「人間が持つ個という存在である意味ならば、私は君が知っている山岸直人本人かと言えば違うのかも知れない。だが、それは話の本題ではないだろう?」
「――ッ!?」
「佐々木とやら、汝がしているのはデコイに何かしら問題が起きたことを解決したい――、そのために、この場――、神棟木(かみむなぎ)たる口に來たのだろう?」
「……本當に、山岸直人さんを元に戻せるんですか?」
「それは分からない」
「――え?」
「発生した理由、原因が修正不可能の場合、再度、世界を作り返る必要が出てくる」
「世界を作り返る?」
「そうだ」
こともなく言ってのける目の前の存在。
それは山岸直人さんとは、まるで違う存在に見えてしまう。
目的の為には手段を選ばない。
そんな在り方が、目の前にいる。
それは、思わずを強張らせてしまうほどの恐怖をじた。
「……まったく、相変わらずじゃな。星の監視者よ」
「古代の神が、今更、何故、作られた世界に存在している?」
「それは、此方のセリフじゃ」
何て説明していいのか迷っていた所で、狂の神霊樹が、山岸鏡花さんの肩から、私へと飛び移ってきた。
「貴様らは、何を考えておる? たった一人に重責と地獄を背負わせて、それで人の贖罪を賄うつもりか? それほど、消滅者(イレイザー)を恨んでいると言うのか? もはや誰も生きてはおらぬというのに」
「それは人間(オリジナル)の勝手。どう、とろうと関係のないこと。それに、意識はなくとも存在はしている」
「言葉は言いようであるな」
「それこそ人間の言い回し」
山岸直人さんの姿をした存在。
そして古代の神と言われた狂の神霊樹さん。
この二人は、面識があるの? と、思いつつも私は自分の考えを纏める。
「山岸直人さんを助けたいです。漆黒の狼に変化してしまった彼を――」
「ほう」
二人の會話に割ってったところで、山岸直人さんの姿をした彼は目を細めながら私を見てくる。
「月読」
「はい」
「貴様、封印を解除したな?」
「……そ、それは……」
「仮初の世界では、月読と天照の力は強すぎる故、封印していたはずだが?」
「――ですが!」
「言い訳はいい。新代の神よ、契約條項に違反することは避けてほしいのだが? そうで無ければ契約自が無効とされることは理解しているであろう?」
「分かりました……」
「――え? 先輩がああなったのって……」
「どうやら、月読が力を貸したからのようじゃの」
私の疑問に答えてきたのは、狂の神霊樹さん。
「なら、先輩はもう……」
「事はそうはいかぬ」
「――え?」
「仮初の世界で、月読の姿になったということは、世界構造の在り方が崩れるということだ。それは世界の崩壊を意味する。さて――、月読」
「はい」
「どうするつもりだ?」
「それは……、ですが! 私は封印を解除などはしておりません!」
「つまりデコイが封印を破ったとでも?」
「はい。何か強い思いれがあって起きたことかと……」
「なるほどな。つまり何度、世界を作り変えても、事態は変わってはいないという事か。――いや、それどころか早まっていると……」
「そうなります」
「ふむ……」
月読さんと、山岸直人さんの姿をした存在の話は続く。
そして、その會話の中の何度も世界を作り変えたという言葉に驚愕していた。
「――さて、どうしたものか」
どうするのかを思案している存在を目の前に、私は固唾を飲んで待つ。
すると――、「、方法は一つしかない」と、後ろから、私に鏡花さんが話しかけてくる。
「(どういう……)」
「簡単なことよ。貴の――、佐々木の死が引き金でお兄ちゃんは、月読の封印をで解いたの。本當に納得できないけどね」
「(つまり……)」
「そう。貴が生き返って本人に直接、聲で話すの。でも、そのためにはの構が必要不可欠」
「(なら、無理じゃ……)」
「だから、ここに連れてきたの。アレなら、貴一人だけならを作り出すことが出來るわ」
「(それって……)」
もしかして、私を生き返らせて直接、山岸直人さんを説得させる為だけに、この場に來たってこと?
「私じゃ、運命の禍に干渉することは出來ない。干渉できるのは、本來では存在しなかった時の環のみ。だから、貴を連れてきたの。だから――、お兄ちゃんを助けて……存在が不完全でも……壊れかけていても……」
掠れるような聲。
それは、まるで懇願するようなもので。
「分かった」
ハッキリと口にする。
どちらにしても、ここまで來て引き下がるという選択肢はない。
それに、目の前に居る存在が山岸直人さんだとは、私は認めたくないし、そんなのはんいない。
「あの、私を生き返らせてもらう事はできませんか?」
「ほう……、理由を聞こうか?」
「先輩を――、山岸直人さんを助けたいからです」
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