《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》佐々木の決意

「何も知らずに? どういうことですか!」

「そのままの通りだ。佐々木、それが……それこそが俺のんだたった一つのことだからな。だから――、元の世界に戻ったのなら、俺からは距離を取れ」

「だから、何の事なのですか!」

私はぶ。

どうして、目の前に立っている山岸先輩は何も教えてくれないのか。

説明してくれたのなら、歩み寄り解決策を見つけることもできるかも知れないのに。

――だから!

「私は、絶対に離れません!」

山岸先輩は、私を救ってくれた人で大切な人。

そして、先輩は何か想像もつかない事に巻き込まれている。

だから、私は離れたりしない。

「貴方が山岸先輩本人だと言うのなら、私は私の気持ちを誰かに否定されるような事には抗います! もう二度と、誰かに私の運命を――、思いを蔑ろにされるようなことはしたくないです! だから、私は、私の思うように行します! どんなに他人に攻められても! どんなに言われても――、それが例え……先輩本人からであっても! 私は、私の思いを貫くために行します!」

「……」

私の宣言に、山岸先輩は何も言わずに手を振るう。

それと同時に、足元の湖に、巨大なが生まれ――、そのに、私は落ちていく。

そして――。

軽い衝撃が、すぐにに走ったかと思うと、土の匂いが鼻孔を擽ってきた。

いつの間にか瞼を閉じていたのか、私は瞼を開ける。

すると、私は空中に浮いていた。

は、ゆっくりと地下へと落ちていく。

「これは……」

明だったは、しずつを取りもどしていく。

そして、私が殺された場所に降り立った時には、は完全に修復されていた。

「ガアアアアアア」

お腹の底が震えるかのような聲が聞こえてくる。

視線を向ければ、そこには漆黒の巨大な狼が存在していて――。

「あれが先輩……」

巨大な獣――、それと地下には相応しくない建のようなモノが視界にった。

は、々に砕け散ると共に、日本刀を持つの姿が視界にる。

「相沢さん!? 貴、ここで何をしているの? ここが危険な場所だって分からないの?」

「分かっています!」

「それよりも、どうしてさんがここにいるんですか?」

「山岸さんに、夫を探す手伝いをしてもらっていたんです」

「先輩に?」

「はい。でも――、あの化けは……一!?」

「相沢さん。まずは、此処から離れてもらえるかしら?」

「え? で、でも、山岸さんを探さないと――」

周囲を見渡す相沢さん。

山岸先輩が、黒の獣ということは知らないみたい。

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