《魔滅の戦士》消滅
「來央參上!」
來央は自分でシャキーンとか言いながら決めポーズを取った。
(いや、そういうの良いから)
殺伐とした空気が一瞬変わる。そしてすぐに元に戻る。
「油斷すんなよ。」
仮面の男の両腕が落ちる。
「椎名ちゃん!天音くん連れて逃げろ!街の口に救護班を呼んである!」
來央は親指を立てると、
「俺に任せな。」
そう言ってニッコリと笑った。
「はい!」
そう言って椎名は天音を抱えて逃げて行った。
「貴様、なかなかやるな。」
仮面の男の手は再生している。
「あんたわざとあの子ら逃がしたでしょ。まあその方がお互い好都合か。」
剣技-雷帝-
凄まじいスピードの剣技。現代で例えるなら新幹線程か、それ以上だろう。
「これ躱されちゃうか。勝てるかな?」
仮面の男はニッコリと不敵な笑みを浮かべて
「久しいな。これ程の戦士とやりあうのは!」
男は地面を毆る。周辺一帯の民家は崩れ、悲鳴が聞こえる。
「クソっ!ひでえことしやがんな!」
剣技...
(消えた...!?)
來央の視界から仮面の男が消える。
「油斷するなよ。」
來央の首は落ち、首から下が崩れ落ち、最後に頭部が地面に転げた。
「救護班の方ですか!治療をお願いします!」
椎名はなんとか救護班の元に辿り著いた。
救護班は何も言わずに天音をけ取り淡々と治療を始めようとする。
「まずいな...」
天音の腹部の損傷は救護班から見ても凄まじいだった。直徑10cm程のが空いている。生きているのが不思議だ。
なぜ、死なないんだ。
天音のがドクンと脈打つ。
が空いているのに、立ち上がる。
明らかに様子がおかしい。
椎名は剣を構える。
椎名の目の前に立っているのは、天音ではなく、悪魔だ。
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