《【完結】辛口バーテンダーの別の顔はワイルド曹司》12.ぬくもりに溺れたくて
どれくらい眠ったのだろうか。窓の外はまだ明るい。
マサはいつの間にか髪をほどいていて、髪のが顔に掛かっている。隙間から覗く優しい顔に安堵の気持ちが広がって、道香をしっかりと抱きしめる腕に、それだけで心があたたかくなる。
「ありがとう」
眠るマサの顔を見上げ、頬に手を添えると、そっとでて髪を掻き上げてお禮を口にする。
「……あや、くすぐったいだろ」
寢ぼけたマサの口から再びあやの名前が出る。なんだか心が締め付けられるが、マサは純粋に優しいのだ。道香は心の中であやに謝りながらも、この腕にこのまま抱かれていることを許してほしいと思った。
マサの元に顔を埋めて、何度もれるだけの口付けをする。
抱きしめる腕が強まって、マサの手が道香の腰のあたりを弄る。
「んっ」
思わず甘い聲が溢れる。それでもマサの手は止まらず、大きな掌が道香の部をらかくでると、道香は頭にあやの名前がチラついて、ざらりとした気持ちになる。
「……マサさん、起きて」
「起きてる」
「じゃあやめて」
「お前が先に煽ったんだろ」
「キスしただけだよ」
「るくらいいいだろ」
聲を出して笑うと、マサは用に目をりながら時計を見て、これからどうするのか道香に尋ねる。
「どうしたらいいか分からないの」
「一人でいるのは怖いか」
「それもあるね」
「俺が記憶の上書きしようか?」
「……なんで」
なんて殘酷なことを言うんだろう。マサにはあやさんがいるのに。傷だから可哀想にじているんだろうか、記憶の上書きだなんて、彼がいるのにこれ以上好きになってしまったらもっと苦しくなる。
「俺じゃ嫌か。それともまだ怖いか」
「マサさんにはあやさんがいるでしょう?」
涙が溢れて、同時に腹が立ってマサのを拳で力なく叩く。
「あや?」
マサは驚いたように顔をしかめてその名前を呼ぶ。寢言で呼んでいた。人なのか、想い人なのか分からないが、その名を呼ぶ聲は優しくて、甘くおしげだった。
「無理にめてくれなくても大丈夫。あやさんに悪いから」
道香は改めてそう言うとマサに背中を向けるように寢返りを打つ。
「お前が思い込むのも仕方ないけど、生憎俺に付き合ってるやつはいないし勘違いだぞ」
「……じゃあ、あやさんって誰なの?」
「こっち向いたら教えてやる」
「やだ。涙止まらないもん」
「いいからこっち向け」
抱き寄せる腕に力を込めて向きを変えるように寢返りを打たされる。
「やだって言ったのに」
「お前が気になってるのはアヤメだよ」
「アヤメ、さん」
「もう60のばあちゃんだよ」
「え?」
「実家で飼ってる犬だよ。よく俺の布団に潛り込んで來る」
「……噓が下手ね」
「なんなら見るか、寫真」
道香に斷りをれるとマサはベッドから出てリビングに置いてあったスマホを手に戻ってくる。
畫像フォルダをスクロールしてアヤメの寫った寫真を數枚見せてくれる。マサが言うようにベッドで添い寢する艶の良いシェパードだ。
「11年くらいになるかな。前に飼ってたヤツが亡くなって、親父が仔犬のアヤメを買ってきたんだよ」
「アヤメちゃん……」
「そう。甘えん坊で俺に懐いてる。アヤ」
「噓だー。私を抱いて名前呼ぶなんて、犬と人間は違うじゃない」
「り寄ってくるじが似てるんだよ」
「だからって、犬って……」
「俺そんなに遊んでるやつに見えてんの」
マサに言われて道香は思い返す。雨宿りのあの時も、しようと思えば抱けたはずだ。けれどマサはそうしなかった。
「分かんない。私そういうの得意じゃない盲信型だから」
自的にそんな言葉が出る。するとおでこを指で弾かれる。
「痛っ!」
「変に自分を追い込むなよ」
「だって……」
言いかけてタクミの薄気味悪い笑顔を思い出す。突然様子が変わったことに気付いて、マサは優しく腕を回して道香を抱きしめる。
「怖いならしない。こうやって抱いとく」
「何が正解か分からないの」
「なら抱かれてみて考えればいい。忘れさせてやるよ」
マサはそう言うと道香に口付けた。あたたかいが何度かれる。その優しい熱に道香はを任せた。
もしも変わってしまうなら
第二の詩集です。
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