《【完結】辛口バーテンダーの別の顔はワイルド曹司》38.新居へ

引っ越し當日、白いVネックのカットソーに黒のスキニーパンツ姿の道香は、見積もりに來てくれたスタッフと、もう二人の作業員を家に迎えれる。

作業前に算を済ませて作業を開始して貰う。ばかりのスタッフだが、大きな家はせいぜいデスクトップ用の機とドレッサーくらいだ。

段ボールを次々と外に運び出すのを確認しつつ、ベランダやトイレ、風呂場などに忘れはないか最終確認をする。

運び出す作業を見守っていると、恵が家にやってきた。

「おー。もうほぼ終わりなじ?」

「わざわざすみません。はい、もうあらかた終わりました。あとはポストをガムテープで塞ぐくらいです。鍵の返卻はあとで高政さんと役所に手続きに行くついでに済ませる予定です」

道香は恵に斷ってロフトに上がって忘れがないか確認する。そのあとクローゼットを開けて上の棚や取り忘れたハンガーなどが無いかチェックする。

「いやあ、本當あのバカにはもったいないわ」

道香を見ながら恵は本當にアレで良いのと真剣な顔をする。

「殘念ながらアレじゃないとダメなんです」

道香が戯けて言うと恵は笑して、それでこそよねと道香の肩をバシバシ叩いた。

業者に退去の清掃を任せる兼ね合いでスペアの鍵を渡す。

恵と一緒に部屋を出るとポストをガムテープで塞ぎ、転送手続き済みと書き込んだ。

「じゃあ行こうか」

「よろしくお願いします」

マサのクルマだと言う黒のSUVの助手席に乗り込むとシートベルトを締める。

恵は予め登録していたマサと道香の新居のデータを呼び出すと、ナビを設定して車を発進させた。

途中んな話で盛り上がり、他人への関心が薄い裕隆が、道香に興味を持っているので家に遊びにおいでとわれる。恐れ多いが、ありがたい話なので是非と返事をすると、恵の娘たちの話になった。

し見覚えのある風景に気が付いた頃にはもう新居の駐車場前に到著していた。

「待ってね。高政から駐車場用のキーを預かってて……あ、あった」

ピッとスイッチを押すとシャッターが開いて中にれるようになる。恵はそのまま車を進めると、脇にバイクが停められたスペースでハンドルを切り、用にバックさせて車を停める。

「道香ちゃん、高政に電話してくれる?アイツの荷後ろに積んでるから」

「あ、はい」

車を降りてマサに電話をすると、すぐに降りると言って電話は切れた。

地下のガレージまで繋がっているエレベーターでマサが降りてきて、三人で分擔して段ボールを抱えると、そのままエレベーターに乗り込み6階まで上がる。

マサがカードキーで扉を開けて、玄関先に段ボールを積んでいく。

「姉貴、悪いけどこの後すぐ車使うからタクシー呼ぶわ」

「いや、良いよ。買い行きたいから自分でどうにかするから」

駅からの道も覚えたいしねと悪戯っぽく笑うと、荷ほどき手伝おうか?と恵は申し出る。

「いえ、大丈夫です。送ってくださってありがとうございます」

「良いのよ。今度お茶でも行こうね」

恵は道香の手をギュッと握ると、じゃあ退散しまーすと手を振って帰っていく。

エレベーターホールまで見送ると、最後まで明るい笑顔で手を振って去っていった。

「姉貴帰ったのか?」

「うん。優しいね」

「面倒見は良い方だと思う」

「分かる!姉ってじがする」

道香は部屋にると、自分の荷はどこにれてもらうのか、マサに確認する。

とりあえずは手前の二部屋をお互いの個室にすることにして、道香は左手の部屋に荷を運びれることになった。

程なくして引っ越し業者から連絡があり、事前に伝えたとおりコンシェルジュにも改めて引っ越し作業が始まる旨を伝えて、荷けを開始する。

間取りはし違うが、広さは以前の件と同じなので、が溢れかえってしまう心配はない。

玄関先からすぐ左手の部屋とキッチンに仕分けしながら段ボールを運びれて貰うと、退去の清掃を終えたスタッフが合流し、スマホで清掃後の部屋の狀態を見せてくれ、渡していたスペアキーを返卻してくれた。

昨日買っておいた小分けの焼き菓子を作業員に渡すと、最初は斷られたが、お禮としてけ取ってくれた。

引っ越し業者を送り出して、コンシェルジュに作業の完了を伝えると、こちらも居の挨拶として小分けの焼き菓子を配った。

部屋に戻ると、マサはすでに段ボールの解をしていた。

「え?もう終わり?」

「いや、俺は服だけだしな」

殘っている段ボールはチェストにれる分だと言う。

「じゃあ荷ほどきは後にして、役所と郵便局に行こうか。あ!鍵返卻も行かないと」

「役所は分証が有れば良いんだろ」

「うん。免許証で大丈夫なはず」

道香は區が変わったので、以前の區役所で転出屆を出し、マサは同じ區なので転居屆、道香は転屆を提出し、會社への手続き用に住民票を取った。

郵便局で転居屆と転送依頼を済ませると、道香の鍵を返卻するため、管理會社に顔を出して手土産のお菓子を置いて來た。

そのあとは、すぐに使うであろう家を手配するため、まずは大型家店に向かった。

ベッドとソファー、リビングに設置するローテーブル。カーテンはサイズを測っていたようで、お互いの好みに寄せて選び、使い勝手が良さそうなダイニングテーブルも購した。

道香は自室に置きたい本棚やチェスト、テレビやコンポを設置するラックなどをその場で選び、同じシリーズで統一して、こちらは自分のなので自分のカードで購する。

今日の夜だが七時ごろに屆けてくれると言うので配送手配を済ませて、次は家電量販店に向かう。

テレビや冷蔵庫に洗濯機、掃除機や電子レンジに炊飯、部屋に取り付けるエアコンなど、マサは事前にメモに書き出したキッチン周りの家電なども含めて、次々と道香の好みでと選ばせ、各部屋の照明や電球類もマサのメモを見ながらまとめて購する。

エアコンを含めて明日の午前中に設置が可能とのことなので手配を済ませ、持ち帰れるはカートに積んで車に乗せる。

「怒濤の勢いで買いしたね……」

「まあ、必要経費だからな」

「私も払うから」

「それは追々しいが出た時に自分で買ってくれ」

俺も今日気になったやつは後でネットで頼むからとマサはこともなげに言う。

ご飯を済ませていなかったので、ドライブスルーでファストフードを大量に買い込み、帰宅すると17時半になっていた。

「あっという間に時間が過ぎるね」

「買いは時間使うよな」

れやすいように、持ち帰った家電などはとりあえずマサの私室にれて保管することにした。

マサが照明を取り付け、部屋に電気が燈る。取り急ぎ持ち帰ったカーテンを取り付けると、道香がトランクケースから取り出してきた薄手のラグを敷いて、その上でファストフードを食べる。

「本當にバタバタしたね」

ふうと息を吐き出すと、道香は明日は家電も屆くし本格的に片付けだねと呟いてから、ご近所への挨拶がまだだったことを思い出して慌てる。

挨拶の手土産は用意してあるので隣と真下の家は直接赴き、たまたま在宅だったので二人で直接挨拶をし、同じフロアの家や、斜め下の家にはドアノブに挨拶狀をれた紙袋を下げておく。

「なまじそんな世帯數多くないからどこまで挨拶すべきか分からない」

「今日回った範囲で充分だろ。あとは顔合わせて訝しまれたら挨拶する程度で良くね?」

マサはチキンにかぶりついてペットボトルで頼んだコーラを飲んでいる。

「週明けのスケジュールは?」

「俺はとりあえず仕事に顔出すけど、道香は戸熊さんの連絡待ち」

「あー。いつまで休めば良いの」

「こればっかりは、捜査次第だから我慢してくれ。俺も午後は警察署に行く」

マサは仕事用なのかノートパソコンを使って何かをし始める。

    人が読んでいる<【完結】辛口バーテンダーの別の顔はワイルド御曹司>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください