《最弱能力者の英雄譚 ~二丁拳銃使いのFランカー~》56話

このイベイバビルに監されていた人間は、日本の能力者機関の人間たちが手厚く保護されるのだった。

そしてイベイバ社長、そして側近たちは、無事に豚箱へとぶち込められた。

あと処理は日本側の人間がやると、いろいろ説明があり、本拠地へと僕らは移する。

「聞いたか? 特區熊本だって」

僕は一緒にこのビルを駆けているトウマとエマに、いうのだった。

「どこだ、熊本というのは?」

エマは熊本の場所がわからなかったようだ。

「ここから南に行けば、熊本なんだよ」

先ほど、ミライにいままでの會話を聞かせていたので、説明はなかった。

『さきに、日本の機関が向かっているわ。出遅れたわね』

まあしょうがない、作戦では、僕らが先に出する予定だったのだ。

この場所が本拠地ではなかった場合のプランGに移行しただけである。

「さきに終わらせてなきゃいいけどな」

僕がうなだれるように言って、トウマが返したのだった。

「まったくだ、あいつらめっさ強そうだし、ありえるかもしれねえ」

僕ら三人は、ビルから出て、ミライと合流。

僕らは車両後ろに、移用のバイクを搬しているのだった。

車種は、トライアンフのタイガー1250。

2015年では販売されない試作モデルであるが、ちょっといろいろと、いじらせてもらい、通常のタイガー1200とは一線を畫す代だ。

部に消火ぐらいのナイトロを搭載しているために、全長は2,530ミリメートル、そして全幅950ミリメートル、全高1,540ミリメートルだ。

重量、280キロと、軽いうえに強度があるアーマーがつけられており、裝甲、走行のどちらも頼りになる存在である。

軍用機として、登録されているため、この日本に搬することができた。

トウマと、エマはそれぞれ違う種類を所持している。

二人ともそれなりにカッコイイバイクを持っていた。

トウマがバイクやエンジン類のことは詳しく、彼なら、ここにあるバイクの種類を言い當てられるのかもしれない。

実際僕が自分の車種に詳しくなったのは、彼のおかげでもある。

この作戦では、僕と、エマ、そしてトウマが、出陣となっている。

ミライは、後方から、狀況説明をいろいろな機械類が詰め込んである荷臺付き大型ワゴン、それも室付きの特大サイズを所持している。

遠隔通信で、一応はこの九州という、小さな大陸の端から端まで通信がいきわたるような代だ。

こんな高価なものを所持しているのは、僕らのチームの績がそこそこだからだ。

個人の力は、僕とエマ以外はそこそこで統制は取れていないが、まあいいチームなのだ。

「えとー目標地點までは、135.8キロだっけな」

エマは、暑い日差しに目がくらんだのかヘルメットを太から逃げるようにしてかぶっている。

『正解よ、三機とも、ナイトロぶち込んであるから、舊國道の高速道路で使用することね』

わざわざ通信でミライはしゃべる。

「ミライなあ。ちょっとはよ、外に出てきたらどうなんだよ」

トウマは、汗だくになっていた。ほんとうに五月だとは思えない。

『いやよ、日差しにはあまり當たりたくはないわ』

そういえば、このミライさんは、狂の人間だったな。

トウマは、ふんっとなり、ミライはまたかよとガミガミ言っている。

まあ、ミライは百メートル後ろにいるわけだし……

って僕らのすぐ後ろにいるじゃないか。

まあ、しっかり合って話すというのはいいのかもしれないな。

……チームワークとか無縁だよなこのチーム。

「チームリーダーよぉ、俺様は、これからこのチームでやれるのか心配だぜ」

とほほとなっているトウマ。

「いままでは、これでもなんとかなってきたんだし…… 大丈夫だよ」

無理やりにそう返した。

こいつらと話をしていると疲れた。はやくバイクの風に當たりたい。

「俺なんてな、まあしはとかに興味はある…… だがいつでも半そで半ズボンだ」

エマが自信満々に言う。今回は戦闘もあるため、長そでのエマだ。

「エマさん…… こんなところで、ボケをかまさなくてもいいんですよ」

うんうんとみんなで憐れんでいるように、エマを見ているのだった。

「……はやくいこ」

シュンとなるエマ。あれかわいくね。

「それでは行きましょうか」

エンジンをすかせて、三機のバイクと、重裝ワゴンは出した。

県道を抜けて、そしてなんどかの差點があった。

差點はミライのハッキングスキルによって、一時的な僕らだけの一方通行となっている。別の任務にあたっていた、チームベータ、チームガンマ、チームデルタは(ちなみに僕らはチームアルファである)、一緒に進んでいった。

僕らとのチーム間の會話はあまりない。

だが、ほかの三チームはそれなりに仲がいい。

人格的にも、能力的にも、異端と言われる能力者を寄せ集めたのが、僕らのチームだった。僕らのチーム四人はどちらかといえば、どのグループにっても、浮いてしまうような落ちぶれている人間たちで構されている。

それらは、香江子さんによる指示でこうなってしまったのだが、仕方ない面もおおい。

今となっては、YSの二十二期生で一番強いチームとなってしまった。

チームガンマにはSランクの能力者がいる。

たいていのSランクは、単騎で突することが多い。まああっとうてきな能力でねじ伏せることができるからこその蕓當だ。

僕らのような、寄せ集め的な、半端者たちはチームを作る。そしてそのチームのポイントによって任務が任されるシステムだ。

ということで、僕らは、ミライを差し置いて、エンジンをふかせながら、進んでいく。

ちょうどいい直線が目の前に広がっているのだった。

ここでナイトロを噴させたのだった。

視界が歪んでしまうほどの加速があり、がひきつけられるような覚があった。

この、ぐぅうっと繰るじがバイクに乗っているとたまらない。

エンジンなどの詳しいことはわからないが、まるでこのバイクが生きているかのようでもある。最高速度を上げるためにリミッターを解除すれば、いいとかなんとか聞いた。

このバイクは、それなりの強度があるために、クラッシュする狀態にはならないらしい。

チームのランクに応じた費用をガン乗せしているために、配給品だけはとにかくなんでも選んでいいのである。しかし、いくらチームの使える費用が多くなったとしても、個人の生活水準があがるわけではない。

それが僕のFランクである、僕のなすぎる配給金額だ。

阿保みたいにすくない金額を思いだした僕は、その現実を置いてしまうかのように、速エンジンで高速を駆け抜けていった。

ミライがあらかじめ通をロックしているため、高速道路を通る車はいない。

後から、トウマとエマがついてくるのであった。

速でバイクをうならせていた。

高速道路のコンクリートと、バイクのゴムのによって獨特なにおいが後ろへと飛んでいく。

そして、視界が騒がしく変わっていく。

まるで僕が、運命にとらわれているような錯覚があった。

あくまでそれは錯覚だったと、すぐにわかるような、展開があったのだ。

もうすこしで特區境まで僕らは來ているのであった。

ここまで一時間で著いたのは、僕はすごいことであるなと風をじながらかみしめていた。

すると、一つのビルから、炎と雷が燃え上がったような

ん? と僕が疑問を持ちながら、いると、後方のほうで発があった。

「敵か!?」

僕はすぐさま、ミライに通信をして、ドリフトをするかのようにして、高速脇の壁へと隠れた。

的確な攻撃で、YSのガンマチームの車両が燃えていたのだった。

裝甲もしっかりしている裝甲車であるはずなのに……

なんだこの火力は!?

あきらかに、重火が放たれたような火力ではないと推測する。

『わからないわ!? すぐさま、あなたのエリアの生命反応を確認する』

ミライは報を洗っている。

トウマと、エマは、何があったのか理解ができていないようだ。

だが、しかし、僕と同じようにとっさの判斷で、すぐ橫の壁にエマ、トウマが隠れた。

隣にいるエマが、こちらにこういってくるのだった。

「通りかかったと同時に発なんて、地雷でも植えてたのか!?」

地雷!?

だがまて…… 先ほどのはなんだったんだ。

「わからない! 僕はあのビルからったようなものが見えた」

僕の壁の後ろには、高層ビルがあった。

そのビルから、不思議なが見えたことが、わかったのだ。

「なんだよそりゃあ、敵の“魔”というやつか!?」

か、だが僕らはそれなりの速さで走行していたはずだ。

よほどのスナイパーか、それとも本當に魔なのか。

攻撃されたガンマ部隊の狀態を確認する。

何人かにかなりのダメージがあり、一人が戦闘不能まで追い込まれていた。

ガンマ部隊は壊滅的なダメージでこれからの作戦には參戦することはできない。

となると、敵の攻撃は、範囲攻撃ということにもなる。

「みんな気をつけろ! 敵は範囲攻撃を仕掛けてくるぞ!!」

これで、狀況をすぐさま、算する。

敵は、ぼくらを殲滅するように行するだろう。

もしかすれば、僕らの足止めという可能も捨てきれなくはない。

隅一派…… なんという組織力だ。

あのイベイバビルで保護された人の中には、隅一派の人間もいるのかもしれない。

くそ爪が甘かった。

『本部に連絡をしたわ! ただちに戦闘を行うだなんて…… 敵の位置も把握できていないのに』

ミライは、愚癡をいうようにして、生命反応を照査している。

あまりにもこの場所は人が多すぎるようだ。

ここで攻撃をしている人を特定するのは、莫大な労力を必要としているのかもしれない。

「場所は僕がわかっている、ミライこの先に高速を降りる車線を探してくれ」

僕はミライにそう言うのだった。

「タスク、俺も行くよ」

エマが一緒に行くという決意を見せたのだった。

「しゃーねー、チームリーダーが行くならこの俺様もな」

トウマも一緒にいくと言っている。

『二百メートル先、そこから出られるわね。タスクの後方のビルは第二保険センターよ。高速を降りたら、県道三番線を通って、一つ目の信號を左、そして左手に第二保険センターはあるわ』

ミライは正確な道筋を僕らに教えたのだった。

しかし、一人は納得をしていないようだった。

「待ってくれ」

チームベータのチームリーダーが、僕らに話しかけたのだった。

彼らは、チームガンマたちとの仲がよかった。

「どうしたんだよぉ?」

トウマが、質問を投げかけている。

「あの敵はこのチームベータに任せてはくれないか?」

彼は言うのだった。彼もまた、なにかしらの責任をじているのかもしれない。

「どうするよチームリーダーさん」

エマが、今にでも行きたいような気持を抑えながら言っている。

それは、エマが武を強く握りしめているからだ。

僕はその力のっている手をやさしく抑えて、ガンマのリーダー言ったのだった。

長いようで一瞬の沈黙のあと、僕は結論づけたのだった。

「よし、じゃあ君たちに頼む。僕らは本部を叩こう」

そして僕らはバイクに乗ったのだった。

「ありがとう、どうか神のご加護があらんことを」

彼ら、いいやチームベータはそう言う。それらは僕らのいままでの作戦功率を汗馬見ての判斷だったのかもしれない。実際に、彼らに信頼を寄せるような実績をあげてきた。

「よっしゃいいぜ、俺様たちに、敵本拠地は任せるんだな」

トウマが得意口調でベータのリーダーに言うのだった。

『敵はチームベータが殲滅ね。作戦を提示するわ。チームアルファは、敵本部まで、そこで日本の機関と合流ののち、戦闘開始。そしてチームデルタは、再生の能力行使を解除。敵殲滅、ガンマの負傷者を蘇生ののち、チームアルファへと合流して』

ミライの作戦容が提示されたのだった。

『タスク、今の決定権はあなたよ。どうかしら私の提案は』

「さすがはミライだ。よし、各自出

僕らは、再び高速道路をバイクで駆けていった。

エマがぶつぶつ言っているので、なだめる言葉をかける。

「敵本拠地のほうが敵もたくさんいるんだ。エマお前がいないとだめなんだよ」

するとエマの顔が赤くなっている。どうやらうれしかったようだ。

「タスクが言うんだから仕方ねーよーだ」

ん? ちょっとだけ拗ねてもいるようだった。

いつものエマに戻ったようで何よりだ。

バイクは駆けていって、市街地の影はなくなっていた。

田んぼが見えるような景に変わっていっているようで、どうやら田舎の地域まで來ているようだった。

あと十數分ほどで、目的地に著くと、ミライに教えられたのだった。

『チームガンマの蘇生、そしてチームベータとデルタがそちらに向かっているわ。無事に作戦は功よ』

一安心したかのように、ミライは言っているのだった。

「了解、どうやら市街地を抜けたらしい。しかし、こんなところに敵の本拠地があるなんて僕は思えないよ」

確かに、怪しいことをするのには田舎がうってつけだろう。だがしかし、ここでこんなところで、辺地な田舎で報網が働いているとは思えない。

『敵は能力者ではないわ、不思議な力である程度のことはしているのでしょう』

それは、いままでの僕らの“能力者”の常識だったことだった。確かにミライの言っていることは的が得ている。

納得していると、一つの聲が聞こえたのだ。

「な、なんだありゃ」

風に吹かれてトウマの言っていることが斷片的にわかった。

前のほうから、何やら得のしれないというものが近づいてくるのがわかる。

「俺には見えねえ、トウマあれは!?」

エマが、何かしらのを、エマの発達したがくすぐっているのかもしれない。

僕らは速度を落として會話をする。

「手が、人間の手が腐るほど車から生えてやがる!!」

トウマは何か見てはいけないもののように、の詳細を伝えたのだった。

「どういうことなんだトウマ!?」

エマと僕は、トウマの超視力が頼りだった。

「あきらかに、こちらに向かってきやがる。あいつは俺様達らとやりあいてえようだ」

トウマの旋律なる聲が僕の頭に作用した。

「各自戦闘準備。ミライ、衛星映像から敵の詳細を頼む」

『わかったわ!!』

『八百メートル後方、すさまじいほどの敵の多さよ』

ミライは、衛星映像から、敵の多さを把握するのだった。

「數は!?」

『えっと…… 待ちなさい――――人型、バイク型、車両型合わせて五十ほど!!』

ミライは、焦りながら、報を確認しているのだった。

敵のこれだけの數、そしてこの怒濤の足止めにミライは混している。

「結構な數だな…… エマ、降りて戦うか!?」

「何を言っているのよ、ここはカッコよくこのバイクに乗ってね」

エマはそう言うのだった。

『逆三角形の陣形になったわ! 包囲網による集中攻撃には気を付けるのよ』

ミライが言った後に、僕とエマが視界で確認できる距離にまで敵は近づいてきている。

「この俺様は後方から支援をさせてもらうぜ」

「わかった、俺とエマは前衛で敵を叩く」

そしてエマと僕はトウマを置いていくようにバイクを加速させていった。

『日本の機関が、敵陣の把握。突撃までのタイムリミット』

クソッ! このままだと日本勢に先を越されてしまう。

僕は、をかみ、ヘルメットを開けてエマにこう提案をする。

「あの敵の山を殲滅をするのに、五分だ」

にやけながらまるで挑発をするかのように、彼に告げた

「了解だリーダー」

僕とエマは同時にヘルメットを閉めたのだった。

敵は、車に無數の手が生えている化けだった。

そして後ろには、まるで人間の悪意の権現のような姿をしている化けたち。

りしたウナギ、いいや蛇が何重にも巻き付いていている。

そのような気の悪い特徴が、敵の外見に表れているのだった。

現代社會の腐ったところをまるで、何日も何日も搾りかすを固めて、凝させたような敵。これは現実なのかと疑うような、ファンタジーに出てくるような容姿の人型。

どれもこれも現実離れしていた。本當に僕たちも知らないような力“魔力”というものがあのようなものだと、わかったのだった。

「ありゃあ、腐ったゾンビみてえなもんだ」

トウマが銃弾を放ち、そのような想が出たのだった。

「いくら頭らしきところに打っても効くことがねえ」

あきれてもいるようだった。

「どこか核のようなところがあるはずだ」

トウマにヒントを出して、僕は懐から、SIGSAMORを取り出したのだった。

ハンドルから両手を放して直線的に進んでいき、二丁の銃を撃ち放った。

普通車サイズの化けのフロントガラス中央を撃ったのだった。

黒いを出しながら、その化け手のようなものが暴れているのがわかった。

まるで呪いを詰めに詰め込んだようなどす黒い憎悪に満ちてもいるようだった。

「効いている!!」

そしてエマが後方の化けたちを一掃するように、マシンガンをぶっぱなった。

「だりゃああああああああああああああ」

コンクリートの地面に、黒いがトマトジュースをぶちまけたように飛び散った。

かは、足を撃たれて、直立を失ったのか、地面に転がっている。

「見えた! 核はエンジンフロントにある!! 俺様は天才だぜ」

自畫自賛とともに、人型は頭が弱點だとトウマに教えられた。

それはなからず、エマが発力のある攻撃した賜だ。

「地面に這いつくばってな!!」

僕は、意気揚々と、トウマが狙い打った車両型の化けを踏みたいにして敵陣の上を飛んだ。

何発かを、トウマの推理通りに頭にぶち當てていく。

數にして十対ほどが空中にいる間に、倒し切った。

「おりゃああああああああああああああ」

エマは、敵陣にそのまま突っ込むと、不ドリフトをして、駒のように敵めがけて弾をぶっぱなっている。

、そしてドリフト作を同時に行えるのは、エマの能力、超筋力のおかげだ。

僕がやるとしたらそのまま、倒れて無殘な格好になってしまぅのかもしれない。

「エマ僕には當てないでくれよ!!」

「何言ってんだ!! お前に當たっても死なねえだろうがよ!!」

突っ込むようにして、エマはんでいる。

一通りエマは、打ち終えたのかマガジンを変えて、リロードをした。

エマのおかげで約二十ほどの敵が沈黙した。

トウマも、車型の化けを五ほど、倒していた。

「2分30秒、あと五分の二だ!!」

そして僕が現狀をんだ後に、中央にいるエマに向かって、周りにいた敵が近づいてくるのだった。

は一度リロードをするために、回転を止めたため、一人ずつ狙っているのだった。

僕は、中央後方にいた敵を倒していく。

まるでゾンビ映畫のゾンビのようだと、敵の化けを見て想が出た。

「ラストスパート! 気を引き締めて行くぞ!!」

僕は三人にそう言った。

「「『分かった!』」」

盾田剣志たち、日本能力者機関は、敵陣へと足を踏みれているのだった。

「ここだなエフカさん」

剣志はエフカにそう言うのだった。

「そうやで~ ここだけ魔力の貯蔵が半端ないからな」

ウチほどでもないけど~ とキャピキャピしながらエフカは言う。

「“魔力”ですか…… なんともまあ奇妙な力だ」

剣志は、護衛部隊と思われる人型の化けの姿を見て、そんな想が自然と口から出ていた。

「これは、ぎょうさんの呪いをっているんやで、こいつなんか見てみ~」

エフカは、ひときわ大きい人型の化けを大きな大剣で刺したのだった。

「つまるところ、人の業をこんな汚らしい姿に変えてるんや」

神経を切り離したのか、電流を浴びたカエルの足のように痙攣して沈黙した。

「人をこのような化けに変えていると?」

n‘ESPのようだと、剣志は思うのだった。

n‘ESPとは、能力者とは違うような能力者。

つまりは人が作り出した能力者のことである。

「へえ、あんたらの“世界”でもこんなことをするんやね」

大剣を引き抜いたエフカは、黒いをふるいながら掃って肩にしまった。

「どこも同じなのだろう、ここにいる連中ももとは普通の罪のない一般人だ」

まるで救うことができなかったと後悔をしているように彼はつぶやいたのだった。

そして決意するかのように、敵の敵陣の大門をにらんだ。

あの中に敵のボスがいると、いままでの剣志の経験でわかる。

「ほないこか。うちもここにいるのはあんまりいややねん」

剣志に抱き著いたのだった。そしてとろけるような一言。

「だって、ここ怖いやん」

どこまでも無表な彼を剣志は萌えたのだった。

「……行きましょうか」

場面を戻して、僕らは、最後の一匹まで來ているのだった。

「殘り一匹ぃいいいい」

エマが絶をして、敵を倒した。

そしてとどめに、頭に銃弾をぶち抜いた。

ぶしゃと、トマトが潰れたような音とともにエマの顔に黒いしぶきのよにかかる。

「ジャスト四分!! 敵本距離に行くぞッ!!」

「わかった」

「おうよ」

『了解、今更だけどチームベータ、ガンマ、デルタが來たわよ』

僕らが行こうとしていたときに、彼らは來たのだった。

そして無數の化けの殘骸に、驚きつつ、こう聞いたのだった。

「……お前らが、これらすべてを倒したのか?」

いったいここで何が起こったのか気痛げでもあった。

しかしことを急いでいるため、こう言い放った。

「まあな」

僕の言葉とともに、エマとトウマのエンジン音が聞こえる。

そして僕らは、三チームを置いて、敵陣へと向かっていた。

三チームは、呆然と立ち盡くしているのだった。

「俺たちも行くぞ! 彼らに後れを取るな」

そう鶴の一聲を上げたのは、チームベータのリーダーだった。

彼はなんだか嬉しそうな複雑な表をしていた。

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