《不用なし方》第3話
ラウンジを出た亜がいつもの場所に向かうと、そこには既に優希の姿があった。
「遅くなって、ごめんなさい……」
フェンス越しに背を向けたまま聲を掛ける。誰に見られるか分からないので、大學で視線をわすことはほとんどない。
待たされることを嫌う優希を待たせてしまったことで機嫌が悪くなっているのではないかと不安になって、背中で彼の機嫌を探る。
「ケーキ屋、行きたかったのか?」
「あ……ううん、花ちゃんにわれただけ、だから」
聲音に怒りのが含まれていないことに気付いて亜はこっそりと安堵した。
亜がスイーツ好きだということは優希も知っている。高校生の頃、花と食べ放題に出掛けた翌日に、食べ過ぎたことを後悔して二人が落ち込んでいる姿を何度も目にしていたからだ。
しかし、今の亜が優希に本心を語ることはない。それが余計に彼を苛立たせる。そうさせてしまっているのが自分だと分かっていても。
過去に優希が口にした一言が、亜を責めて傷付けた。本心ではなかったのに、謝るタイミングを逃してしまって現在に至る。完全な八つ當たりだった。
あのときは……ショックから自暴自棄になっていて、誰でもいいから自分ではない誰かを責めて憎みたかった。
同じ部の同級生でも、擔任でも、コーチでも、顧問でも、誰でもよかったはずなのに……よりによって一番大事にしているにすべてをぶつけてしまった。
彼はなにも悪くないし、微塵の非もない。ただタイミング悪くその場に居合わせてしまっただけなのだ。
  すべては自分が気付いて、判斷し、行した結果だった。誰かを責めるのはお門違いだと分かっていた。
原因を作り、傷付け、怯えさせ、彼が逆らえないことを分かっていて関係を強要した。言い訳もできない。そんな自分が……関係の修復などめるはずもない。
目を閉じれば、今でも傷付いた亜の表が瞼の裏に蘇ってが痛む。けれど、その痛みが罪の重さを表しているように思えた。
本心を語れないのは優希も同じである。素直になれるのは……亜が意識を失っているときだけ。
罪悪に襲われ、悪夢に魘されるのは毎日のこと。自業自得の自分への嫌悪も今更だ。
関係を改善したいと思ったことはある。しかし、一度歪んで捻れてしまった関係はそう簡単に元には戻らない。この數年で嫌というほど痛していた。
今更許されるとは思っていない。だったら、トコトン恨んで憎んで嫌ってほしい。
優希は、彼を傷付けた分だけ、自分が傷付けばしは楽になれるような気がしていた。
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