《不用なし方》第35話
一方……醫務室に殘された亜は、大沼に倒れたときの狀況を話していた。
「男の子ねぇ……」
「顔は分からなかったんですけど、なんだか親しそうで……」
を起こし、調の変化に気を付けながら説明を続ける。
母が岡部になにを訊きにいったのかは分からないけれど、自分がそれを知らされることはないということだけは確信している。なので、こういうことは気にするだけ無駄だと思うことにした。
「あ、そうだ。先生……これ、先生のですか?」
亜は自分の手に握らされていたストラップを差し出した。目を覚ましたときに握っていたものだ。
痛みに悶えているときに誰かのものを引き千切ってしまったのかとも考えたけれど、どこも壊れていない。
「あら、可い。でも、私のものではないわね。あなたが握っていたんだからあなたのではないの?」
大沼に問い返されて首を橫に振る。
どこかで見たことがあるような気がするけれど、自分のものではないことだけは確かだ。
「知ってる気もするんですけど……でも、違います」
「無理はしないでね。また頭痛に苦しむことになるわよ」
部屋の中に……似たようなストラップがあったような気がした。
 手元にあるストラップは薄汚れていて年期がっているように思える。まるで、ついさっきまで誰かが使っていたようだ。
どうするべきか考えていたけれど、今回倒れたときに関わってくれていた人のものならば、きちんと返してお禮を言いたい。
亜はポケットから攜帯電話を取り出すと、失くさないようにそのストラップを取り付けた。攜帯電話はいつも持ち歩いているので、萬が一持ち主が現れたときにその場で返すこともできるし、心當たりがあれば聲を掛けてくれるかもしれない。
左右に振って揺れるストラップを見つめる。
自分が使っていたものではないことは確かだ。
 いったい誰のものなのだろう……?
じっとストラップを見つめていると、以前にも似たようなことがあったような気がした。
あれは……。
「亜、病院に寄ってから帰りましょ」
醫務室に戻ってきた母の聲で考えることを中斷させられた。またか、と小さな溜め息を吐く。故意ではないと思うけれど、無意識だとしたら尚更質が悪い。
ベッドから足を下ろしてまた嘆息する。
亜が帰る準備をしている間、彼のと母親が小さく見えるフィールドを見つめていることに気付いた大沼は、その表を見て心境に小さな変化があったことを悟っていた。 
みんなは天才になりたいですか?僕は普通でいいです
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