《小説家の作詞》『傲慢なみでも』
朝日で目が覚めると
暖かいみその匂いがした
いつもの朝ごはんに
変わらない朝の日常
こんなにも幸せにじる
遊園地とか行ってみたいな
でも父は忙しいとかで
母はいつも寂しそうに笑う
公園ではしゃぐ私達
見守ってくれる母の
優しい微笑みが綺麗だった
私達は幸せな家族だ
他のどの家庭よりも
笑顔と優しさに溢れた
またいつか會いたいな
夜ふと目が覚めると
父の怒鳴り聲が聞こえてきて
すすり泣く聲もした
変わらない日の日常が
こんなにも遠くにじる
それきり父の姿はもう…
その父は忙しいとかで
母はいつも悲しそうに笑う
今は3人だけの私達
料理を作る母の
何気ない涙が綺麗だった
中2の夏あの母が倒れた
末期の癌らしいけれど
ベッドの上「大丈夫よ」と繰り返す
そのすぐ後に逝くなんて
今日で母の三回忌を迎える
母の墓に手を合わせ
「帰ってきてよ…」と繰り返す
無理だと分かっていても
私達の幸せな時だった
決して戻れない日々を
どうしても夢に見てしまう
無理だと分かっていても…
んでしまうのは傲慢なの?
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