《悪役令嬢の影武者を嫌々演じて十年、憎っくき本に『ざまぁ』したけど? 本當の悪役はアイツだった……!?》13
「本當はパーティーでお酒出るんでしょう?」
「はい。でもそれは來賓や父兄のために準備されたお酒です。生徒は當然アルコール止です」
「ふぅぅん。そうなんだ……」
何だか嫌な予がするなァ。コイツ、お馬鹿な思考で突拍子もない事、考えてるに違いないわ。
「あのね、ポピー」
わたくしは態と返事をしない。でも馬鹿はそんな「聞きたくない」オーラを無視して話を続けた。
「あのね、ポピー。卒業式はいいけどパーティーはアンタが出なさい」
「はい????」
「だから、影武者するの!」
「ええええぇぇぇぇぇぇぇええええーーっ⁈」
でた! でた、でた、でた、でたぁ!
「な、何でパーティーに出席しないんですか? それにわたくしはお給仕で忙しいのですよ!」
「だってねぇ、お酒が目の前にあるのに飲めないなんて耐えれなーい。そんなの拷問でしょう~!」
馬鹿は急にカラダをクネクネして甘えた素振りを見せた。
ふん。全然可くないし!
「そんな理由で⁈ じゃ、お給仕はどうするのですか?」
「わたくしがアンタに変しよっかなー、うふふ」
正気かコイツ? お馬鹿さん思考全開?
「あのですね、お給仕ってとっても大変ですよ⁈」
「なに、エミリーも居るじゃない。大丈夫よ。それにどさくさに紛れてお酒が失敬できるじゃない? うふふ」
うふふじゃない! 何というふざけた発想なの、この馬鹿が! いい加減にしなさい!
「いいこと? パーティー前の空いた時間にサッとわたくしと代するのよ? これは命令だから! お返事は? あん? 何か文句があって?」
「……あ、い、いえ、その」
待て待て落ち著け、落ち著くのよ、ポピー。話を整理しましょう。つまりだ、こういう流れになる。卒業式終了と同時にわたくしはパーティー會場の準備に忙殺される。その間、生徒は教室でお別れのホームルームを行い、一旦帰宅してパーティー出席のドレスアップをするだろう。
その頃には會場準備も整い、ひと時の休憩が與えられる筈だ。その間わたくしは影武者に変して、事もあろうか馬鹿がわたくしに変するという段取りだよね。そしてパーティーが始まる……
さあ、ケーワイ危険予知するよ。パーティーではどんな問題があるの?
先ず、エスコートされない。場もダンスも。いえダンスに至っては誰からもおいされずに『プチざまぁ』を味わう。それだけならまだしも王子様より婚約破棄を公の場で宣言され、斷罪ショーが始まるかもしれない。これは生恥を曬す様なものよ。ついでに言うと、使用人になりすました馬鹿はろくにお給仕もせず、こそこそお酒をガブ飲みして「何だ、アイツは」と評判を落とす。これまで一生懸命に積み上げてきた用務員としての信用が一気に崩れ去る!
これはわたくしにとって何一つ良いことが無い! いえ、むしろ災難だわ……さいなーん!
嫌だ、嫌よ! 何よりも『ざまぁ』を馬鹿の代わりにけてしまう事だけは勘弁してほしい。わたくしの唯一の楽しみなんだから!
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