《悪役令嬢の影武者を嫌々演じて十年、憎っくき本に『ざまぁ』したけど? 本當の悪役はアイツだった……!?》16
「ポピー、これはかなりの高級ワインね。流石は貴族院の卒業パーティーだわ。こんなの見せられたらシェリー様も我慢出來ないの分かる気がするなぁ」
「エミリー、だからと言ってシェリー様がガバガバ飲まない様にちゃーんと見張っといてよ!」
「うん、分かった。コキ使ってやるから!」
「頼んだからね。……あ、ちょうど今、卒業式が始まったわ」
わたくし共は貴族院の會館の控え室から、そっとホールを覗いて見た。厳かな式典らしく、來賓や父兄が見守る中で卒業生が神妙な面持ちで理事長の挨拶を聴きっている。
馬鹿も目を閉じて真剣に聞いてる様だ。でも何だか様子がおかしい。コックリコックリしながらカラダがふらついているのだ。
あっ、アイツ立ったまま寢てる! ったく馬鹿なんじゃない? どういう神経してるのよ!
背後の取り巻きが上手くカラダを支えているから倒れる事はないだろうとし安心したものの、馬鹿には改めて呆れてしまう。
まあ、珍しく朝早く起きたからね。いえいえアイツをかばうつもりは頭ございませんわよ。普段からだらしないのがいけないのです。
そんな馬鹿を気にしているに理事長や來賓の挨拶などが終わり、卒業証書が授與される。ここはエリオット様が代表でおけ取りなされた。さらに代表の挨拶を流暢なスピーチで完璧にお話され、無事式典は終了した。
「さあ、ここからが忙しくなるわよー」
卒業生退場と共にパーティー會場づくりが始まる。椅子など片付けて丸テーブルを配置、お花を飾り垂れ幕をセットするなど職員総出で行われた。
ある程度形が整うと廚房からお料理、お飲みなど運んでひと段落ついた。でもわたくしはそこからエミリーとのお部屋に戻ってヘアーを整えお化粧を施し予め準備していたパーティー用のドレスを著飾る。忙しいったらありゃしない。
「あー、しんどいわー。つか、シェリー様はまだ來ないの?」
「主人様やジャック様と馬車にお乗りになられるでしょうから、遅刻することはないと思いますよ」
「んー、でもメイド服に著替えるのにギリギリになっちゃうわ」
全く、ヤキモキさせるわね。それに皆さんの前でジャック様とダンスを披しなければならないなんてプレッシャーだわ。あー、早く今日が終わらないかなー。まぁでも婚約破棄もないし嫌な心配もしなくて良いから、まだマシなのかなー。
ーーと、ここで馬鹿が登場した。
「お・待・た・せ」
その言い方が妙に腹が立つ。
「シェリー様、早速お著替えを!」
「ええ、楽しみね、パーティー」
馬鹿は機嫌が良かった。これからお給仕という労働が始まるというのにルンルン気分の様だ。恐らく高級ワインの事で頭が一杯なのだろう。
それにしてもメイド姿のアイツを見たら自分を見てる様でゾッとする。わたくしにそっくりだった。これでは誰一人として代わった事を見抜けないだろう。それだけに心配でもあった。
「シェリー様、しっかりとお給仕してください」
「何よ、分かってるわ。それよりアンタそこしっかりと踴りなさい。會場を大いに沸かせるのよ!」
「……はい。全力を盡くします」
わたくしは握り拳に力をれた。
さあ、いよいよパーティーが始まる! いざ、出陣よ!
【コミカライズ】寵愛紳士 ~今夜、獻身的なエリート上司に迫られる~
「俺に下心がないと思う?」 美しい素顔を隠して地味OLに徹している雪乃は、過去のトラウマのせいで暗闇と男性が大の苦手。 ある日、停電した電車內でパニックになったところを噂のエリート上司・晴久に助けられる。 彼はその夜帰れなくなった雪乃を自宅に泊めても手を出さないほど、紳士的な男。 彼にだけ心を許し、徐々に近づいていく距離。 しかし、あるときーーー 素顔を隠した秘密のオフィスラブ。惹かれ合うふたりは、やがて甘い夜に溺れていく──
8 133カノジョの好感度が上がってないのは明らかにおかしい
『好感度を上げすぎるとその人との関係がリセットされる。』 ある日、そんな無慈悲な呪いをかけられた彼は、戀人も友達も一切いない哀しい學園ライフを一人謳歌していた。どうせ消える関係に期待するなんて馬鹿らしい。そうのたまい、人と深く関わること自體を拒否してきた彼だったが、突然転校してきた少女や、様々な人々と接していく中で、彼は少しずつ変わっていく。 呪いと過去が交錯する中、彼は何を望み、何を失い、何を摑みとるのか。 ※カクヨムにも連載中です。
8 145これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!
主人公まりが、車の衝突事故から異世界へ 転生してしまう。目覚めると典型的な だっさい悪役令嬢。性格も極悪。 そんな中、曲がった事は大嫌い!と 正しいと信じる道を貫くまり。 イケメン俺様王子にだって文句は 言わせないわっ! だんだんと、王子もまりの影響を受け まりを溺愛するように。 どんな困難も叩き切る! 正義の為なら、怖いものなんてないのよっ! どんどん、周りを幸せにしていくという、 少し、お節介、そして人情味あふれる ラブコメディ。 私の生き方を見せましてよっ! はじまり。はじまり~。 ※カクヨム、アクアポリスにて同時投稿
8 182【連載版】落ちこぼれ令嬢は、公爵閣下からの溺愛に気付かない〜婚約者に指名されたのは才色兼備の姉ではなく、私でした〜
アイルノーツ侯爵家の落ちこぼれ。 才色兼備の姉と異なり、平凡な才能しか持ち得なかったノアは、屋敷の內外でそう呼ばれていた。だが、彼女には唯一とも言える特別な能力があり、それ故に屋敷の中で孤立していても何とか逞しく生きていた。 そんなノアはある日、父からの命で姉と共にエスターク公爵家が主催するパーティーに參加する事となる。 自分は姉の引き立て役として同行させられるのだと理解しながらも斷れる筈もなく渋々ノアは參加する事に。 最初から最後まで出來る限り目立たないように過ごそうとするノアであったが、パーティーの最中に彼女の特別な能力が一人の男性に露見してしまう事となってしまう。 これは、姉の引き立て役でしかなかった落ちこぼれのノアが、紆余曲折あって公爵閣下の婚約者にと指名され、時に溺愛をされつつ幸せになる物語。
8 104社畜女と哀しい令嬢
まあまあな社畜の日永智子は戀愛には興味が持てず、1人で趣味に沒頭するのが好きだった。 そんなある日、智子はドラマが観れる端末アプリで番組表には載ってない不思議なドラマを見つける。 ドラマに映し出されたのは1人の孤獨な美しい少女、宮森玲奈。病気がちの母を支え、愛人親子に夢中な父親に虐げられながら頑張る玲奈を、智子はいつしか助けたいと望むようになっていた。 そして玲奈を最大の哀しみが襲ったある日、智子はドラマの登場人物が現実に存在する事を知る。 それなら玲奈も現実に存在して、今も哀しい思いをしているのだろうかーーそう混亂していた智子に不思議な奇跡が訪れる。 しがない社畜女が孤獨な少女と邂逅した時、運命の歯車が回り出した。
8 138過労死した王妃、2度目の人生は『破天荒』に歩む!
ポワナータ國の王妃エリスは執務中に倒れそのまま亡くなってしまう。その直後に神に出會い夫である國王が裏切っていた事を知る。エリスは神から人生をやり直してみないか?と言われ承諾、現世に舞い戻る。『王妃も貴族もまっぴらごめん!今度は思うがままに生きてやる!』公爵令嬢の仮面を脫ぎ捨てたエリスはいつしか『破天荒令嬢』と呼ばれ歴史に名を殘していく事になる。
8 95